- はじめに
- 第1章 11の徳を教える道徳授業
- T 道徳教育をどうするか
- U 骨太なプランを提示して,パワフルな前進を!
- V なぜ「11の徳」なのか
- 第2章 11の徳を教える小学校 高学年の実践
- 1 規則正しく生活する(基本的生活習慣)
- 2 自分を大切にする(自分を好きになる)
- 3 自分づくり 人生づくり(キャリア教育・夢)
- 4 @他者を思いやる(友情・人間関係力)
- A他者を思いやる(友情・人間関係力)
- B他者を思いやる(友情・人間関係力)
- 5 「ありがとう」感謝の気持ちをもつ(家族愛・感謝)
- 6 ルールやマナーを大切にする(規範意識を育てる)
- 7 高学年が低学年に教える道徳授業(〜5年生が3年生に働くことの大切さやよさを教える〜)
- 8 社会的問題の解決に取り組む(正義・勇気・判断力・合意形成)
- 9 国際社会にはばたく(伝統文化・国際協調)
- 10 すべてのいのちを大切にする(〜コーチングで「かがやく命」に〜)
- 11 人間を超えたものを畏れ敬う(畏敬の念)
- ※「心のノート」については,平成21年版を使用しています。
はじめに
私は,日本の道徳教育は今こそ,力強く前進すべきだ,と考えています。
そのために必要なのは,何よりも,「骨太なプラン」です。
本書は,日本の道徳教育がパワフルに前進していくための「骨太なプランの一つの具体案」を提示するものです。
道徳教育は,今,岐路に立たされているように思います。
今ここで,パワフルな道徳教育運動を起こすことが,日本の道徳教育が次に大きな前進を果たしていくためにはぜひとも必要だ,と思います。「道徳教育の10年後」を見据えた,骨太で具体的な提言を今こそ行う必要があるように思うのです。
その際重要なことは,学校教育の内部にとどまらない,世論をも巻き込んだ,道徳教育論議です。具体的には,今,日本の学校で子どもたちに教え育てるべき道徳とは何であるかを,多くの国民を巻き込んで議論していくべきだと思うのです。
すなわち,骨太な道徳教育のキャンペーンを展開するのです。
今,私たち国民の多くは,日本人の道徳性の低下を嘆いています。「○○の品格」といった書物がよく売れるのも,自分たちの品格に自信がもてなくなっていることの証拠でしょう。モンスターペアレントなどと呼ばれる非常識な親の問題も,このこととつながっています。
では,どうすればいいか。
日本人全般の道徳性に危機意識が強くもたれている今,私は,一つの仮の提案(ないしはたたき台)として,「日本の学校の道徳教育は,次の11の徳を教えていきます」と骨太な宣言をして,国民にアピールしていってはどうかと思うのです。
1 規則正しく生活する(基本的生活習慣)
2 自分を大切にする(自分を好きになる)
3 自分づくり 人生づくり(キャリア教育・夢)
4 他者を思いやる(友情・人間関係力)
5 「ありがとう」感謝の気持ちをもつ(家族愛・感謝)
6 ルールやマナーを大切にする(規範意識を育てる)
7 集団や社会に貢献する(ボランティア)
8 社会的問題の解決に取り組む(正義・勇気・判断力・合意形成)
9 国際社会にはばたく(伝統文化・国際協調)
10 すべてのいのちを大切にする(生命尊重)
11 人間を超えたものを畏れ敬う(畏敬の念)
本書は,日本の道徳教育のパワフルな前進のきっかけづくりのための本です。
日本の先生方が,自信をもって,楽しく道徳に取り組んでいただけるようになるための本です。
ぜひ,本書をお読みください。そしてそれをきっかけに,「私は,この徳を子どもたちに育てたい」という思いをはぐくんでください。そんな思いと,すぐれた実践とが道徳教育を新しいステージに上げていくきっかけになると思うのです。
「日本の道徳教育運動」をぜひ,いっしょに展開していきましょう。
2009年5月 明治大学文学部教授 /諸富 祥彦
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