- ○はじめに○
- 1章 改訂の重点と本書の関係
- 1 中学校の学級活動はどう改訂されたか
- 2 本書の活用
- 2章 改訂対応 3年活動内容(1) 学級や学校の生活づくり
- ○§1 学級や学校における生活上の諸問題の解決に関する活動
- <1> 心の通い合う学級づくり(学級の友だちをよく知ろう)
- <2> 最上級生としての自覚
- <3> よりよい学校づくりをしよう
- ○§2 学級内の組織づくりや仕事の分担処理に関する活動
- <1> 中学校生活の総仕上げに向けた学級目標づくり〜学級としての到達点を設定しよう〜
- <2> 学び合い,高め合う学級の組織づくり〜必要な活動をみんなで分担し合おう〜
- <3> 誰もが快適な学級・学校生活を(学級のルールをつくろう)〜学校生活を楽しくする方法を考えよう〜
- ○§3 学校における多様な集団の生活の向上に関する活動
- <1> 思い出を作る修学旅行 〜Traveler’s Noteを作ろう〜
- <2> 意欲と実践力を高める生徒総会への取り組み(3年生として後輩に伝えよう)〜一人ひとりのマニフェスト〜
- <3> 後輩たちへのメッセージ(良い校風・良い伝統を後輩へ)〜『答辞』 思いを伝える〜
- 3章 改訂対応 3年活動内容(2) 適応と成長及び健康安全
- ○§1 適応と成長に関する活動
- <1> 中学生の不安や悩み(スクールカウンセラーと話そう)
- <2> 若者とは(身近な人の青年時代)
- <3> 人も大切,自分も大切(人権尊重の意識)〜「権利〜したいこと」が共生するためには〜
- <4> 社会の中の中学生(社会の中のルールとマナー)〜思春期・反抗期を生かして,自分を見つめ直す〜
- <5> 携帯電話やインターネット活用の正しい理解(情報化時代のモラル)
- <6> 男女共同参画社会と自分の生き方
- <7> いつまでも大切にしよう 仲間たち
- <8> ボランティア活動で広がる世界の輪(国際社会の一員としての貢献)
- ○§2 健康安全に関する活動
- <1> 受験期の健康管理〜健康管理も実力のうち!健康を制するものが受験を制す!〜
- <2> ストレスへの対処方法(心と体の健康法)〜自分にあったストレス対処法をみつけよう!〜
- <3> 友情・恋愛・結婚について考えよう〜恋愛・結婚・友情チャートをつくろう〜
- <4> 生命の誕生 〜自分の誕生について知ろう〜
- <5> 薬物 〜薬物の乱用について学ぼう〜
- <6> 栄養の偏りのない食事(栄養教諭や養護教諭から学ぶ)〜バランスのとれた朝食をとろう〜
- 4章 改訂対応 3年活動内容(3) 学業と進路
- ○§1 学業に関する活動
- <1> 学ぶことと職業
- <2> 中学3年生の学習計画(受験に備えて)
- <3> 読書から得るもの(学校図書館の活用) 〜本と出会う〜
- <4> 受験に臨む心得(受験に向けての心構え,面接の心得)〜「日常生活力」=「受験の力」〜
- <5> 受験期の生活(あせりや不安の解消)
- <6> 3年間の学習を振り返ろう(後輩へ伝えよう)
- ○§2 進路に関する活動
- <1> 多様化している上級学校を知ろう(上級学校の情報収集)
- <2> よく知ろう進路先(進路情報の収集と活用)
- <3> 上級学校訪問(高校生活の実態を知ろう)
- <4> これからの職業・求められる人材
- <5> 進路選択の問題点と解決(先輩の体験から学ぶ)
- <6> 「自分さがし」のプランを作ろう(明るい将来への準備)
はじめに
前回の中学校学級活動ファックス資料集が刊行されてから,かなりの時間が経過した。その間に学校を取り巻く様々な環境が変化してきたことや新しい学習指導要領が示されたことを踏まえて,この度,新たに学級活動ファックス資料集を刊行することにした。本書は,改訂された学習指導要領の趣旨を具体化し,生徒の発達の段階に留意して編集したものである。
特別活動は,いわゆる「生きる力」を育成する上で,学校教育において大きな役割を果たしている。すなわち,心身の調和のとれた発達や個性の伸長をはじめ,社会性,人間関係を築く力,自己を生かす力の育成など,人間形成にとって重要な教育機能を持っているのである。
中でも,学級活動は特別活動のねらいを実現していく上で,中心的な役割を果たしているといえる。本書はこのように重要な学級活動の充実を図るために,多忙な学級担任の先生方に代わって,題材を選択し,構成を考え,適切に資料選択を行い,日々の学級活動の指導にすぐに使える形の実践資料として作成したものである。その際,特に特別活動の今次の改訂のポイントに配慮し,以下の点を重視して作成した。
○ 特別活動の各活動・学校行事のねらいと意義を明確にするために,特別活動の全体目標をうけて,学級活動などの各「内容」ごとに新たに目標が規定されたこと。
○ よりよい人間関係を築く力や集団や社会の一員としてよりよい生活づくりに参画する態度が重視されたこと。
○ 生活を改善するための話し合い活動や多様な異年齢集団による活動が重視されたこと。
○ 発達の段階に応じた体験活動が重視されたこと。
○ 特別活動の全体計画や各活動・学校行事の年間指導計画の作成や各教科,道徳及び総合的な学習の時間などの指導との関連の必要性が示されたこと。
などである。学級活動については,それらの理解を図るために,第1章「中学校の学級活動はどう改訂されたか」を設定して具体的に解説した。
次に,新たに学級活動の目標として,「学級活動を通して,望ましい人間関係を形成し,集団の一員として学級や学校におけるよりよい生活づくりに参画し,諸問題を解決しようとする自主的,実践的な態度や健全な生活態度を育てる。」が示されたことを踏まえて,学級活動の目標の具現に必要と思われるファックス資料を厳選した。
主な特色としては,
○ 「人間関係の形成」,「学級や学校の生活づくり」,「健全な生活態度の育成」を重視して作成した。
○ 「食育」や「キャリア教育」などの今日的な教育課題を取り上げた。
○ 生徒の身近な毎日の生活に関連する題材を意図的に取り上げた。
○ 生徒が興味や関心を持って記入しやすいように,レイアウト,イラスト等を工夫した。
○ 学校や生徒の実態を絶えず念頭に置いて,毎日の授業にすぐに使えるように工夫した。
などである。
学級活動の充実した実践は,生徒の学業生活や人間形成など中学校生活を実りあるものにする上で重要な役割を担っている。先生方が学級活動の重要性を再確認され,本書を有効に活用されることを切に願っている。
最後になったが,本書の刊行の趣旨にご理解を示され,ご多忙な中を貴重な資料をお寄せくださった先生方,並びに刊行に際してお力添えをいただいた明治図書出版株式会社の安藤征宏氏をはじめ編集部の方々にお礼を申し上げる。
平成22年12月 編者 /渡部 邦雄 /美谷島 正義
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