中学校「生命の教育」の実践
道徳授業を核として

中学校「生命の教育」の実践道徳授業を核として

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生半可な授業では生徒の心を響かせる授業は出来ない。

今日、深刻化している中学生の生活指導上の問題を解くカギは「生命の教育」である。ただし、確たる教育技術がなければ、生徒の胸には落ちない。教科担任制の中でどのように教科の違いを超えて「いのち」の教育をまとめるか、道徳や他教科とリンクした授業を紹介する。


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ISBN:
4-18-869418-1
ジャンル:
道徳
刊行:
2刷
対象:
中学校
仕様:
B5判 144頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
第1章 「生命の教育」中学校の実践デザイン
第2章 「生命の教育」実践上の留意点
第3章 「生命の教育」中学校実践例
1 一単位の道徳授業で「生命の教育」
(1) 映像資料を活用した道徳授業
◆生命誕生  【生命の偶然性・神秘性】
(2) 音楽資料を活用した道徳授業
◆生きていたあかしが,愛する気持ちを人の心に!  【死について考える・記憶性】
(3) 新聞記事・写真を活用した道徳授業
◆生命を輝かせる  【生命の非可逆性】
◆生命はだれのもの?  【生命の共通性】
◆写真「ハゲワシと少女」から  【「死」について考える】
(4) アンケート調査を活用した道徳授業
◆「死」を見つめ,「死」と向き合う  【生命について考える】
◆生命って何だろう?  【生命の共通性・平等性】
(5) 生徒の作文を活用した道徳授業
◆生命の重さを教えてくれた友  【生命の一回性】
(6) 「心のノート」を活用した道徳授業
◆限りあるたった一つの生命だから  【生命の一回性】
(7) 詩などを活用した道徳授業
◆限りある生命を精一杯生きよう  【生命の有限性】
◆生命を大切にするってどういうこと?  【生命への思いを深める】
2 長期にわたる「生命の教育」
(1) ゲストティーチャーを活用した道徳授業
◆受け継ぐ生命  【生命の連続性】
◆骨髄ドナーから,生命を引き継ぎます  【生命の可能性・連続性】
(2) 教科とリンクした道徳授業
◆道徳授業と複数教科のリンク  【「表現力」から生きる意味を考える】
(3) 総合的な学習と関連させた道徳授業
◆愛され育てられてきた大切な生命  【誕生の喜び】
◆4名の乳がん体験者の語りに耳を傾ける授業  【生きる意味を考える】

まえがき

 中学生の生徒指導上の問題がマスコミ等によって表面化されて久しい。最近は特に,親子を含めた複雑な人間関係が原因となり,問題を深刻化している。中学生が凶悪な犯罪を犯すのは目にあまる。だから中学校関係者にとっては,決してひとごとではない。何とか生徒をよくしようと,必死になって取り組んでいる。その鍵が「生命の教育」である。

 「いのちは大切だ」と幾ら声をすっぱくしたところで,生徒にはあまり通じない。心に響かない。生徒の心を開き,教師の指導を生徒の胸にストンと落とすにはどうしたらよいのだろう…。生徒の内面にかかわる教育なので,理念,技法と,それに指導者の志がものを言う。理念や思想,決意は固くとも,確たる教育技術がなければ教師の思いが空回りしてしまう。両者が相俟っていなければ心の教育は難しい。

 幸いなことに,中学校での優れた実践を積み重ねている松原好広氏を中心に,多くの実践者たちがここに集結し,本書を上梓できた。

 刊行で一番苦労したことは,教科担任制をとっている中学校の実態の中で,どのように教科の違いを超えて道徳授業や道徳実践をまとめ上げるかであった。平たく言えば,道徳だけで「生命の教育」をまとめられればよいのだが,それでは薄っぺらな実践集になってしまわないとも限らない。これからの道徳は,教科・他領域,生徒の生活全般の指導との融合(ヒュージョン)の上に立ったものでなければならない。つまり,小学校道徳との関連性や連続性を重視しつつも,中学校道徳の独自性を強調しなければならない。ともすると今までは小学校道徳に飲み込まれていたきらいがあった。

 中学校教師はもとより,保護者,教育関係者並びに小学校教師も本書を手に取り,中学校道徳の厚みと意気込みを汲み取っていただきたい。そして小学校・中学校の連続性(アーティキュレーション)を見つめ,その上に立った発展性を感じ取っていただければ幸いである。

 すべての価値の前提となる「生命」の教育をどう構築すればよいか。当然,3年間を見通して,計画的に継続的に行ってほしい。各教師は,「生命の教育」を進める上で,最も大事にする核となる内容について教師仲間と検討して立案・実践すべきである。

 生命の教育は,「いのち」の教育である。「いのち」とは,大和言葉で「息霊」と表し,息をしている勢いを指している。古くから言われるように「山川草木悉皆成仏」との考えが,「いのち」の教育には存在する。山も川も,草も木も,この世の総てのものが息づいているとの思想である。総てに対する感謝とおかげさまという思いが,「いのち」の教育には含まれよう。本書にかかわる総ての方々に感謝したい。


 末筆になってしまいましたが,本書を世に出すために多大なお力添えとご指導を賜った,明治図書出版の仁井田康義氏・近藤博氏に厚くお礼申し上げます。


  平成18年3月吉日   /立石 喜男

著者紹介

立石 喜男 (たていし よしお)著書を検索»

 資料作家

松原 好広 (まつばら よしひろ)著書を検索»

 東京都国分寺市立第四中学校主幹

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書

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