- まえがき −刊行のことば−
- 第1章 わが国の歴史
- 1 農耕が始まったこと /木田 博
- 2 大和朝廷によって国土が統一されたこと /木田 博
- 3 天皇を中心とした政治が確立したこと /木田 博
- 4 日本風の文化が起こったこと /相原 雄三
- 5 武士による政治が始まったこと /相原 雄三
- 6 室町文化が生まれたこと
- 7 三人の武将によって天下が統一されたこ
- 8 武士による政治が安定したこと /相原 雄三
- 9 町人の文化が栄え新しい学問が起こったこと /浅野 正道
- 10 欧米の文化を取り入れ近代化を進めたこと /浅野 正道
- 11 国力が充実し国際的地位が向上したこと /飯岡 竜太郎
- 12 15年にわたって戦争が行われたこと /岡崎 均
- 13 戦後民主的な国家として出発したこと /梅津 友彦
- 14 国民生活が向上し国際社会のなかで重要な役割を果たしてきたこと /島川 英昭
- 第2章 わが国の政治
- 1 政治は国民生活の向上と安定のために大切な働きをしていること /豊福 聡
- 2 国には,国会,内閣,裁判所がつくられており,それぞれ重要な仕事をしていること /豊福 聡
- 3 現在のわが国の民主政治は日本国憲法の基本的な考え方にもとづいていること /豊福 聡
- 第3章 世界のなかの日本
- 1 わが国は経済や文化,歴史などの面で多くの国々とつながりがあること /關 浩和
- 2 わが国と経済的につながりの深い国の人々は異なる文化や習慣をもっていること /關 浩和
- 3 わが国と歴史的につながりの深い国の人々は異なる文化や習慣をもっていること /關 浩和
- 4 わが国はスポーツをとおして国際交流をしていること /關 浩和
- 5 わが国は文化をとおして国際交流をしていること /荒川 雅司
- 6 わが国は教育,医学,農業などの分野で国際社会に貢献していること /荒川 雅司
- 7 国際連合は平和な国際社会の実現を目指して努力していること /荒川 雅司
まえがき――刊行のことば
学校週5日制下の新しい学習指導要領が完全実施されて,新しい社会科の実践が進んでいます。そこでは,絶対評価の重視と関連して,子どもの学力の定着・向上への関心が学校の内外に高まっています。学力低下を懸念する声に対応して,文部科学省は中央教育審議会のもとに設置されている初等中等教育分科会や教育課程部会等で, 学習指導要領の「基準性」の明確化,個に応じた指導の充実などについての議論を進め,平成15年12月に学習指導要領を一部改正しました。
各学校においては,学力向上を目指す指導方法や指導体制が様々に工夫・実践されています。しかし,特に社会科の授業においては,次のような問題点が指摘されているように,子どもたちに基礎的な知識や重要な語句についての定着が必ずしも十分ではないという実態が見うけられます。
・社会科の授業で身につける基本的な知識について,概念的・抽象的な知識としては知っていても,それらが具体的な事実や知識に裏打ちされていない。そのために,概念的・抽象的な知識が単なる言葉としての理解に終わっている。また逆に,具体的な知識が子どものなかでバラバラの状態になっており,一般化・概念化されていない。そのために,知識が生活や学習のなかで,生きて働くものになっていない。
・日常生活において当然知っておくべき,社会についての一般常識としての知識や用語などについての理解が不十分である。そのために,テレビや新聞などで報道される内容が十分に理解できなかったり,生活のなかでの社会の出来事などについての会話が深まらなかったりする。日常生活に支障をきたすこともある。
こうした実態が見られる背景には,社会科の授業において,一つには子どもたちに身につけさせる基本的な知識や具体的な知識・用語について明確におさえられず,指導においてそれらが構造化されていないこと,二つにはそれらの知識を順序立てた体系的な指導がなされていないこと,そして,三つに知識や用語の習得状況について,テストなどでの評価が日常的に十分行われず,結果が次の指導にフィードバックされていないことなどがあげられます。
子どもたちが社会に対する理解を深め,社会生活のなかで主体的に生きていくことができるようにするためには,社会科の授業において,基礎的な知識や重要な語句についての指導と評価をさらに充実させる必要があると考えました。
本書『社会科重要用語定着テスト&発展・補充ミニ教材集』(全3巻)は,こうした問題意識のもとに企画し刊行するものです。
本書では,3・4年,5年,6年ごとに,概念的,抽象的な知識といわれる「基本的知識」を抽出し,それぞれについて次のような構成で解説し,指導のアイデアと定着のための資料,評価のための資料を提示しています。各項目は,次のような趣旨のもとに執筆されています。
・「基本的知識」について,これまでの指導上の問題点と解決策について解説し, 「基本的知識の構造」を示しました。基本的知識の習得につながる下位の具体的な知識をピラミッド型に図表化し,合わせてここで身につけさせたい社会科の「基礎用語」を列記しました。これによって,知識がどのように重層化,階層化しているかが明らかになり,様々なレベルの多様な知識の関連性と全体像をとらえることができます。
・「指導のアイデア」では,子どもたちが基本的知識を習得するための活動や体験のアイデア,小話などの新教材,子どもへのアドバイスなどを紹介しました。
・「定着のためのFAX資料」では,基本的知識の習得や定着につながる子ども向けのワークシート,知識についての解説,覚え方のコツなどのFAX資料を示しました。
・「診断テスト」は,ここでの学習でぜひおさえたい重要な知識や用語などの確認をするためのテストです。子ども自身による自己評価の基準も示しました。
・「『診断テスト』の結果の活用」では,「テストの解答と判断基準」を示し,クリアした子どもには「発展的な学習」が,不十分な子どもには「補充学習」ができるようにそれぞれの教材を紹介しました。
このような特色をもつ本書が,各学校での社会科授業はもとより,朝学習の時間や放課後の学習,家庭学習などの場で有効に活用され,すべての子どもが社会科の「基本的知識」を確実に身につけていくことを願っています。
終わりになりましたが,本書の執筆にあたっては,全国各地の優れた社会科実践家のご協力を得ました。たいへんお忙しいなかをご執筆いただきました先生方にあつくお礼を申し上げます。また,本書の企画と編集の過程では,明治図書出版編集長の樋口雅子さんから貴重なアドバイスをたくさんいただきました。この場を借りて,感謝の意を表します。
編者 /北 俊夫
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- 明治図書