- 提起文 算数の宿題
- ―反復学習プラスαの面白メニュー20選 /山本 良和
- 算数の宿題
- ―反復学習プラスαの面白メニュー20選
- 子どもの探求心に火をつける授業づくりの視点〜1冊のノートが教えてくれたこと〜 /湯藤 浩二
- 帰納的な考えを高める宿題 /種市 芳丈
- 「スパイラル」「自主課題」「振り返り」を意識した宿題で学力の向上を! /熊谷 純
- 「自分でメニューを決めたい!」中学年の主張 /前田 華奈子
- 「逆方向(←)」(!?)を考えよう!! /倉田 一広
- 値引きの表し方について調べよう /奈良ア 芳晴
- 算数授業を自分の生活と結びつける宿題 /小川 和子
- 正多角形の時計をつくろう! /相墨 多計士
- 自主学習を充実させる3つのコツ /大桑 政記
- 子どもからの提案宿題&毎日の計算練習にひと工夫! /樋口 萬太郎
- 実生活の中にある算数探し&量感を育てるために /小林 秀訓
- 「答えがない!」という答えがある問題 /前田 一誠
- 認めて伸ばす!―「やらされる」から「やりたくなる」宿題へ― /永野 由美子
- 算数授業を4コマ算数漫画に! /高瀬 大輔
- 図形を使った自学自習の展開 /小出水 公宏
- 「振り返り」+「問題づくり」で豊かな学力を育てよう /竹尾 智登志
- 子どもが実験したくなる宿題 /尾ア 正彦
- 技能の繰り返しだけでなく、考えることの繰り返しを /中村 潤一郎
- 文章問題づくりの宿題で楽しみながら表現力を鍛える /松山 起也
- 1・2・3月教材攻略法
- 1年 大きさくらべ(ながさくらべ) /大野 桂
- 2年 かけ算 /千々岩 芳朗
- 3年 2けたのかけ算 /中田 寿幸
- 4年 立方体と直方体 /夏坂 哲志
- 5年 立体 /永田 美奈子
- 6年 拡大図・縮図 /盛山 隆雄
- リレー連載
- 副編集長のリレー連載 /山本 良和
- 連載
- 田中博史の算数授業づくり講座123 /田中 博史
- 提言
- 判断の理由を説明できるようにする /銀島 文
- キー・コンピテンシーとしての「数学的に考える力」 /清水 美憲
- グラビア
- 班で算数交換日記―Math Diary :構成 /山本 良和
- 南米エクアドルの先生と算数授業 :構成 /山本 良和
- 提起文 国語の宿題
- ―反復学習プラスαの面白メニュー20選
- やらされる「宿題」から「自学」へ /二瓶 弘行
- 国語の宿題
- ―反復学習プラスαの面白メニュー20選
- クラス全員が詩をドンドン書きたくなる宿題 /小林 圭
- 「見つける」活動と「認める」活動を取り入れた漢字の学習 /中尾 真
- なぜなぜ日記・どうして日記 /広山 隆行
- 物語の「次回予告」づくりで、毎日じっくり作品を読ませる /井上 幸信
- 楽しさと意欲が作文力を培う リレー連作 /佐藤 修太郎
- 脱 文のねじれ語彙の少なさ〜「一文モンスター」で短文づくり反復学習をより有効に〜 /相澤 勇弥
- 「振り返りノート」をさらに活用して(書く)〜自分の考えがはっきりするように理由や根拠を工夫して〜 /藤井 大助
- 反復学習にちょっとした息抜きと目的意識を /矢内 丈博
- ニュースの達人「池上さん」になって、伝えよう /真田 節子
- 漢字ビンゴゲームと新出漢字の練習 /真鍋 佳樹
- いくつ集められるかな? /菊池 英慈
- 家庭と教室の学びを“連ねる”ための三箇条 /宍戸 寛昌
- 「熟語集めゲーム」で語彙力アップ! /岩崎 直哉
- 「キーワード作文」で繰り返し“言葉”と出会い、使う! /森川 正樹
- 問題づくりで考える漢字練習 /中塩 曜子
- 「技」が身につく文づくり〜やる気にさせる3つのコツ〜 /山本 真司
- 連絡帳をうまいこと使おう! /灘本 裕子
- 宿題としての新聞活用法 /近野 典男
- 楽しく書く宿題を /出口 尚子
- 「明日」の国語授業を創る
- 物語 この授業で「言葉の力」をつける
- 「比べ読み」と「読みの技術」の二つの手立てを考えて /長屋 樹廣
- 説明文 この授業で「言葉の力」をつける
- 想定インタビューで読みを深める問題づくり学習へ /片山 守道
- 書く この授業で「言葉の力」をつける
- 物語をふくらめて書くことにより想像力を身につけよう /芦川 幹弘
- 聞く・話す この授業で「言葉の力」をつける
- 「問い」を引き出し、話し合いを充実させる! /遠藤 裕一
- 古典・詩・俳句 この授業で「言葉の力」をつける
- 詩の『秘密』を探る活動から『創作』へ! /松岡 俊宏
- 漢字 この授業で「言葉の力」をつける
- 考える楽しさを味わう漢字の授業づくり /武市 親典
- ミニ連載 高知からの発信K
- 国語と算数教師ともに生きる熱き日々 /藤田 究・田中 元康
- 連載
- にへいちゃんの国語教室通信 /二瓶 弘行
- 青木伸生の国語教室創造記 /青木 伸生
- 提言
- 「言葉の力」こそ、基幹学力 /梶田 叡一
- グラビア
- 3年 百の詩集 はじめての詩画 :構成 /二瓶 弘行
算数/提起文 算数の宿題―反復学習プラスαの面白メニュー20選
筑波大学附属小学校 /山本 良和
算数の宿題といえば…、しかし…
算数の宿題というと、真っ先にドリルによる反復学習やプリント、あるいは教科書の練習問題が思い浮かぶ。
確かに、かけ算九九の習得や筆算形式による計算技能の習得は、練習量が伴って確実な力となっていくものである。だから、毎日継続的に取り組ませ、繰り返し練習させる宿題は、学習内容の習得を促すという点で子どもにとって有意味だと言えるだろう。
同時に、このような宿題が子どもの生活リズムの中に位置づき、家庭で学習する習慣が子どもに身についていくことも、とても大事なことである。
しかし、算数の宿題は、このような反復学習という姿だけではないだろう。
例えば、算数の授業で「小数」を学習した子どもに、家で小数が使われているものを探させ、見つけさせるのは、家庭でなければできない活動である。実際に具体物を見つけることで、学校での学習内容の理解も深まっていく。あるいは、「L、dL、mL」を学習した子どもに、これらの単位が用いられたものを身の回りから見つけさせることも、「小数」の例と同様である。
これらの宿題の場合は、算数的な事象が身の回りに存在するという事実に出合わせるという点で意味があるとともに、算数的な事象に対する興味関心を引き出すという点でも、大事にしたい活動となる。
また、「L、dL、mL」を探す宿題の場合、子どもの中に、「だったら『cL(センチリットル)』もあるんじゃないかな?」と問う姿が生まれても不思議なことではない。そして、ワインやウイスキーのボトルから「cL」を発見する子どもも現れてくる。
宿題の与え方次第で、子どもの新たな視点や問いを引き出すきっかけづくりにもなるわけである。
これら以外にも、主体的に学ぶ習慣づくりを目的とした自主学習等の宿題を与えることもあるだろう。子ども自らが課題を見つけ、学習内容を決めて継続的に取り組むという習慣は、学び方を身につけるという点でとても意味のあることだと言える。
ところが、現実の学校現場を振り返ってみたとき、案外、宿題の意義とその与え方に関する情報をあまり共有してこなかったように思える。そのため、安易にドリル等の形式的な宿題だけを与えがちなのではないだろうか。
そこで、本特集では、反復学習以外に与える宿題のあり方を取り上げてみた。これは、教師個々に保有している宿題のノウハウを共有することを目指したものである。
また、日本の子どもは、諸外国に比べて家庭学習の時間が短いとも言われている。宿題のあり方を見つめ直すことによって、改めて家庭学習の意義と内容について確認できることにも期待したい。
子どもの探求心に火をつける授業づくりの視点
〜1冊のノートが教えてくれたこと〜
北海道新得町立新得小学校 /湯藤 浩二
1 はじめに〜よい授業が出発点
子どもたちが、動き出すのはどんなときであろう。それは「おもしろいな」「不思議だな」「やってみたいな」という気持ちになったときである。当たり前のことではあるが、「おもしろければ、勝手に学び出す」のである。したがって、授業者の役割の1つは「勝手に学び出す」ための探求心に火をつけることにあるといってもよいだろう。
2 直方体の展開図は
立方体の展開図は11種類ある。これは授業の中ですべてを見つけることができるだろう。では直方体の展開図は何種類あるだろう。実は54種類もの展開図がある。これをすべて授業の中では扱うことは難しい。そこで、子どもたちに家庭学習として見つけさせてはどうだろうか。もちろん、ただ「やってみなさい」では子どもたちは動かない。子どもたちの探求心に火をつけることが必要である。
そこで、直方体の展開図を求める前に「立方体より多いかな?」と予想させてみる。かつてのわたしの学級では「立方体より少ない」という子どもが多くいた。子どもたちは自分の予想と違うときに探求心が高まるため、これは大きなチャンスである。
授業では、いくつかの展開図のパターンを発見し、それを立方体と同じように仲間わけをするところまでを扱った。
3 授業の最後に
授業で取り上げた展開図は11種類を超えていた。子どもたちは「たくさんあるんだね」と驚いた様子であった。授業は「実は54種類もあるんだよ」と教えて終わりになった。
4 次の日に
毎日の家庭学習の提出が学級の約束である。朝教室に行くと、香奈がにこにこしながら待っている。「先生、全部見つけたよ」と香奈がうれしそうにノートを提出した。香奈のノートには、54種類の直方体の展開図が書かれていたのである。早速、算数の時間にこのノートを紹介した。香奈の頑張りを認めることで、学級全体にもこうした学習を広げていきたいと思ったからである。
5 おわりに〜探求心に火をつけるために
○ おもしろい話題を
○ ちょっと視点を与える
○ ほめて広げる
わたしにとって香奈のノートは、その後の授業づくりの新しい視点となった。上に掲げた3つの視点を意識しながら授業をつくることで、子どもたちの探求心に火をつけることができる。探求心に火をつけるためにも、よい授業を追い求めていかなければならないと考えている。
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- 明治図書