- まえがき
- プロローグ
- T章 夢と知性の感じられる園生活へ
- ―夢と現実とのバランス―
- 1 園庭を,みどりの園庭へ
- 2 自然の美しさと,アートの美しさ
- 3 きれいな歌声
- U章 “知育”を意識した保育のプランニング
- ―意味内容を考えての生活と遊び―
- 1 保育を計画するということ
- 2 保育の内容とは何か
- 3 多様な保育ニーズをどうプランニングするか
- V章 保育の内容を掘り起こす
- ―保育内容のバックボーンを確かめながら―
- 1 ごっこ遊びの味わい
- 2 お手伝いの魅力
- 3 さまざまな素材を使って
- 4 物の性質や形への興味
- 5 童謡や童話や物語に親しむ
- W章 四季の伝統行事を取り入れて
- ―カルチャーとしての伝統―
- 1 自然の変化を感じ取る
- 2 思い出になる年中行事
- 3 園の行事は,家庭を明るくする
- X章 国際化の中での幼児保育
- ―異文化とのふれ合い―
- 1 世界とおつきあいをする時代
- 2 国際化時代の個々人の生活
- Y章 家庭教育と園生活とのアンサンブル
- ―子どもの知的成長を喜び合う―
- 1 保護者の願い
- 2 子育てと,家庭への支援
- 3 入園のご案内
- 4 園のキャッチフレーズ
- Z章 保育者としてのアイデンティティー
- ―保護者からの期待と,自らの働きがい―
- 1 第三者評価とは
- 2 自己評価をするということ
- 3 スタッフ同士の協力
- 4 特色のある園をつくる
- あとがき
まえがき
『園生活における「知育」』というタイトルで,一書をまとめることにしました。
昔から,子育てについては「知育」「徳育」「体育」というように言われてきました。
しかし,日常の乳幼児保育にあっては,子どもたちを預かる時間帯のこと,食事のこと,衛生のこと,保護者との連携のこと,地域へのサービスのこと,などなど,あまりに多くのなすべきことがらにまぎれてしまい,あえて「知育」の面をクローズアップすることができないままできてしまったというのが,わが保育界のおおかたの現状ではないでしょうか。
時代は少しずつ動いてきました。やはり,人の子の親の気持ちになってみると,この「知育」「徳育」「体育」ということを,真正面からバランスよく取り上げねばならないと考えるようになってきました。
こちらは「保育」,あちらは「教育」,などというちぐはぐな感覚は,すでに過去のものとなりました。
本書では,「知育」という面からのアプローチで,園生活のありようを考えてみたいと思います。
幼児保育についての,この面での論議のきっかけになればと願っています。
2004年5月 /荒井 洌
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- 明治図書