- まえがき
- 第1章 わらべうたとは何か
- [1] 定義
- [2] 一度消滅した事情
- [3] わらべうたと教育
- 明治から始まった音楽教育
- [4] 「わらべうたの力」 〜言葉・遊び・音楽〜
- 「わらべうた」とはどういうものでしょうか
- 日本の民謡やわらべうたの特徴
- ハンガリーの音楽教育学者・コダーイ
- わらべうたの発達心理学
- 音域が狭いわらべうたは子どもの声帯にやさしい
- くり返すということ
- 単旋律性の重要性
- 明治から始まった音楽教育
- わらべうたによって育つもの
- 親子遊び,遊ばせ遊び
- 言葉を豊かに
- 聞くことの大切さ
- わらべうた実習
- 第2章 乳児のわらべうた
- [1] 乳児期の子どもと「わらべうた」
- [2] わらべうたの実践
- (1)保育の中で,わらべうたをいつ,歌うことができるか
- (2)歌う材料を選ぶ
- @自分のもっている材料をリストアップ
- Aわらべうたの材料をよく知る
- (3)実践の方法
- @一人の子どもと行う
- A子ども自身が体験する
- B年齢によって
- (4)保育者が歌のイメージを抱くときに,創造的であること
- (5)実践の成果
- (6)まとめ
- [3] 計画
- 年間材料の例
- 0歳児
- 1歳児
- 2歳児
- 月案及び記録表 1歳児4・5月案の例
- 5月の実践案のメモ
- 乳児の教材一覧
- [4] 乳児の教材楽譜
- 【遊び歌】
- 【遊ばせ遊び】
- 1) 顔・頭・指
- 顔・頭
- 頭・耳たぼ
- 指・手のひら
- 2) 手を使った遊び
- 子どもの手で顔・頭にさわる
- 手の甲をつまんでふる
- 両手を持ってふる
- 3) 足・ひざ
- 足の指
- 足にのせる
- ひざのせ
- 舟こぎ
- その他の体の部分を使った遊ばせ遊び
- 第3章 幼児のわらべうた
- [1] 音楽的能力
- 3年間の音楽的発達
- 子どもの音楽的能力
- 歌い方の技能
- 音域
- 清潔に歌う
- テンポ
- 大人のモデル
- [2] 課業の構成
- 課業の構成
- 音楽的ねらいと方法
- 付録・音楽的ねらいと方法
- [3] わらべうた遊びと課業の計画
- 年少組のわらべうた
- 年中組での課業のつくり方と計画
- 年長組での課業のつくり方と計画
- 混合年齢クラス(3〜5歳)の計画
- 3歳児のわらべうた
- [4] 幼児の教材楽譜
- 3歳児
- 4歳児
- 5歳児
まえがき
今年はコ研の40周年という記念すべき年に当たります。
一人の人にしてみればまだ若い,これからという年齢ですが大勢の人がかかわって全国的に展開してきた教育の運動としてはかなりの長さを感じます。始めにすばらしい実践を示し,すでに“卒業”されていった方々には敬意を表したく思います。
今回の本の特長の一つは,前半が理論編ではなく,明治維新以来日本のわらべうたがたどった歴史を故中川弘一郎氏の労作によって紹介します。ここからわらべうたとは何だったのか,何か? について皆さんにそれぞれ考えていただきたいのです。
後の実践の部では,てっていしてわらべうたをどう計画するかに課題をしぼりました。
乳児では一人一人に向けて1対1でするわらべうたの中での計画性は何なのかを考え,幼児では3歳の途中から課業を計画し,そのモデルを示しました。
わたしたちは美的教育といって生活を美しくすることに心を砕いています。
わらべうたの歌詞はイタチのくそやらカエルの死んだの,うらなりカボチャに盗んだダイコンといったものがにぎやかです。歌詞に子どもの率直さやユーモアをめで,歌い方と所作に美を求めます。
わらべうたは日本の子どもたちの集団の顔です。コダーイはわらべうたを知らない大人に子どもの心は分からないと表現しました。わらべうたの本当の居場所は小学校の中・高学年です。これがあれば「いじめはないのにね」とおしゃった専門学校の校長先生がおられました。子どもにとってわらべうたは環境そのものなのです。
2008年7月 /羽仁 協子
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- 明治図書
- コダーイ芸術教育研究所のわらべうた関連の書籍が欲しいです。また、絶版になっているものも何とか再販して欲しいです。若い先生たちにも紹介したいです。2018/6/850代 保育教諭