- まえがき
- 第T章 子どもの音楽(音)環境
- 1 音楽するって何?
- 2 聞く,歌う,動く
- 3 楽器を演奏する
- 4 作る
- 5 聞く
- 6 音楽の癒しの効果について
- 7 みんなでする
- 8 他の領域と音楽の関係
- 第U章 うたってあそぼう
- 1 手あそび・指あそび――げんこつやまのたぬきさん
- あがりめさがりめ/ グーチョキパーでなにつくろう
- 2 歩く――わんぱくマーチ
- 3 走る――はしれちょうとっきゅう
- 4 スキップする――おつかいありさん
- 5 ジャンケン――やきいもグーチーパー
- 6 ケンケン――ケンパであそぼう
- 7 強い音と弱い音――大きな栗の木の下で/山の音楽家
- 8 速いと遅い――たいこのおけいこ
- 9 身体の部位であそぼう――アブラハムの七人の子
- 第V章 うごいてあそぼう
- 1 ピアノに合わせてうごいてみよう
- 2 ピアノの音をよく聞こう(グリッサンド)
- 3 ピアノの音をよく聞こう(クラスター)
- 4 ジャンプ
- 5 ケンケンしてみよう(遊具や道具を使って)
- 6 音の発見(弱い音と強い音をさがそう)
- 7 大きい動物・小さい動物(ピアノの弾き方)
- 8 タクシードライバー(物語ふうに)
- 9 海の中の探検隊(物語ふうに)
- 第W章 楽器を作って合奏しよう
- 1 たいこを作ろう
- 2 ストロー笛を作ろう
- 3 マラカスを作ろう
- 4 すずを作ろう
- 5 缶ブロックを作ろう
- 6 紙鉄砲を作ろう
- 7 合奏してみよう さんぽ
- 第X章 きいてみよう
- 1 きく―まねる
- 2 ことばかけ
- 3 音に興味を持つ
- 4 指導法について(カレンダーマーチ)
- 第Y章 つくってみよう
- 1 つくり上げる
- 2 押しつける
- 3 指導の工夫
- 4 試してみよう
- 第Z章 オペレッタを作ろう
- はらペコペコペッタンコ
- あらすじ
- オペレッタ
- 舞台での動き
- 準備をする物・背景画など
- まとめ
まえがき
音楽というのは,不思議なものだと思います。コンパなどで悪のりして歌うことができるかと思えば,近寄りがたいほどに難しく奥の深いものであったりもします。
音楽教育の難しさは,悪のりして歌わせるわけにはいかず,さりとて近寄りがたいほどに難しいものとして提示するわけにもいかないところにあります。子どもの年齢や発達の状況に合わせて,両極端のどこらあたりに焦点を定めるかを常に見きわめなくてはいけません。
本書では,音楽をあそびの観点から捉え「音楽しながらあそぶ」「あそびながら音楽する」ことを考えました。しかし単なるあそびに終わらせるのではなく,その中で音楽の諸要素や音楽をする時の集中力などを自然に獲得できるように工夫しました。
音楽活動の中には,人とかかわることや生きる力を育む要素などがあると思います。また,創造する力や自主性,個性などを発揮できるものでもあります。しかし,これらのことは指導の方法や教授の仕方によって損なわれたり,発展できたりすると思います。
指導者(保育者)の役割は,大であると言えるでしょう。指導者(保育者)が人間形成という面で教育学や心理学を学ぶことは重要ですが,それとともに音楽についての知識や技術の研鑽も重要なことと言えます。本書を通して,音楽の学びの一助になれば幸いです。
2000年3月 /五味 克久
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- 明治図書