- はじめに
- T 新しい幼稚園の遠足・園外保育の楽しみ方
- (1) 遠足・園外保育の楽しみとねらい
- ・楽しいだけでいいのか
- ・何をねらいとするのか
- (2) 保育にいかそう
- (a) 事前に楽しもう
- (b) 当日を楽しもう
- (c) 事後にいかそう
- (3) 遠足・園外保育を通して
- U 新しい幼稚園の遠足・園外保育のアイディア
- 1 保育の中の不思議を確かめに行こう
- エピソードT『りゅうが近くに来たからだよ』
- エピソードU『りゅうの仕業だよ』
- エピソードV『先生! ぼく見たんだ』
- 2 遠足から広がる自然への興味
- 幼児の体験した遠足
- 『先生! へびがいる』
- 『先生! この花甘いよ』
- 『先生! すごいアリだよ』
- 幼稚園で 『探検ごっこが始まった』
- 『あれなあに?』
- 遠足から感じる自然への興味
- 3 遠足から始まる保育
- 当日の様子
- (1) 秋の自然1
- (2) 秋の自然2
- (3) わんぱく広場にて
- ・一番人気はスベリ台
- その後の幼稚園での生活
- ・スベリ台を作りたい
- ・ジェットコースター作りへ
- ・ぼく,切符係
- 4 親子で楽しむ遠足
- ・なぜ上野なの?
- ・なぜ親子なの?
- ・なぜ毎年同じ所なの?
- 下見が決め手!〜毎年違うことが見つけられる〜
- ・キリン写してきてね!
- もう遠足が始まっています〜子どもたちの姿から〜
- ・恐竜博士は,待ち遠しい
- ・ねえ〜 恐竜見つけにいこう?
- ・恐竜ごっこから恐竜の歌が
- ・はちこう君の歌あるといいなー
- ・遊びが広がる
- 週案より〜5月3,4週
- 今日は遠足うれしいな〜当日の様子から〜
- ・新幹線の中は,大切なコミュニケーションの場
- ・途中で会ったお母さんからの話
- 遠足の感想から
- ・親子で歩いていても友達や先生が一緒
- ・単なるはく製にどうしてこんなに喜ぶの
- 5 自然を身近に〜年齢に応じた楽しみ〜
- 4歳児の園外保育 ・6月 ・10月
- 5歳児の園外保育 ・6月 ・10月
- 6 自然を身近に〜環境教育を視野に入れ〜
- 環境教育とは
- 幼児にはどうすることがよいのか
- 『公園のことをもっとよく知ろう』
- 『ぼくらは森の迷(?)探偵』
- 『木の葉の布団ってあったかい!』
- 幼年期の環境教育
- 7 異年齢の園外保育
- ・普段の幼稚園での生活から
- ・異年齢の園外保育の効果
- 異年齢児でのかかわり
- ・異年齢の園外保育では一人一人が思う存分楽しめるように
- ・次の日から異年齢でのかかわりをどう保育へいかしていくか
- 今後の課題
- ・“一緒に遊んで楽しかったね”を大切にしていこう
- ・異年齢でのかかわりの場面を保育の中で積極的に取り入れよう
- 8 幼児の発達,意識に応じた園外保育
- 暖かくなり外で遊ぶことが多くなってきたこの季節,年長組みんなで菜の花遠足に行こう
- クラスの仲間意識が強くなり,ルールある遊びを楽しめるようになったときの園外保育
- 9 卒園旅行 日光雪すべり
- ・初めてのお泊り会
- ・芝すべり
- ・数々の経験を経ての雪すべり
- ・グループ決め
- ・バスの中も楽しく行こう
- ・いよいよ当日
- ・雪すべり宿泊旅行を終えて
- 10 いもほりの工夫〜いもほりの前と後の工夫〜
- ・当園のいもほりは
- ・いもほり前の工夫
- ・いも袋とその活用
- ・当日の様子
- ・いもほり後の保育の中で
- 11 公共機関を利用した園外保育〜市立図書館を訪れて〜
- 図書館に行く前に
- 一日先生を利用して
- 図書館でのエピソード
- ・わあ〜いろいろな本があるよ
- ・図書館でサービスしているの?
- ・図書館のあらゆるものに興味をもって
- その後の幼稚園の生活から
- ・図書館ごっこ
- ・図書館ごっこから本作りへ
- 12 家族みんなが参加できる 朝の散歩
- ・もっと身近に楽しいことがいっぱいあるよ
- ・1回目の朝のおさんぽは,地域の人々にも呼びかけて
- ・あんなゲームこんなゲーム今年は何にしようかな
- ・じまんの手作りヒコーキで
- ・お話いくつ作れる?
- ・パンパパパーン 時には表彰式も
- 13 然の家を親子で満喫〜親子レクリエーション〜
- 当日までの様子
- 当日の様子 『お父さんすごい!!』
- 『魚とれたよ!』
- 『みんなで食べるバーベキュー おいしいね!』
- 下見の心得
- 1 なぜ下見が必要か
- 2 実際に気をつけなければいけないこと
はじめに
遠 足
遠足は大きくは「園外保育」というくくりの中の1つです。
「園外保育」には,特別な日に,あらかじめ決められた場所に出かけていき,その日は特別なプログラムを作成して保育が行われる,つまり遠足のような類と,ごく日常的な保育の一環として園外にでる散歩とか見学などの類とがあります。いずれの場合も,園施設外で行う保育活動ですから,園内の狭い空間からすべてを解放されてのびやかに過ごせるし,自然や社会とふれあう非日常的な体験ができるので,子どもが文句なく楽しみにできる点では,園行事の筆頭といえます。
遠足は本来は“自分の足で遠くまで歩く”つまり決められた場所まで歩くに意義があるといわれてきました。しかし,社会の諸般の事情でかなわないこともあり,乗物を利用する場合が多くなりました。また,保護者同伴の場合が多く,レクリエーション的な要素も加わって,保育としての遠足の意義を問い直す必要にせまられています。ここでは遠足の原点に“歩いたからこそ体験できる開放感・自然の中で食べるおべんとうのおいしさ・親子の共通体験・友達の家族との交流・共感のしあい・遠くまで歩いたとする充実感”などを実践的にまとめて考察してみることにしました。
ご一読いただいた皆様の園の遠足が,本書によってさらに意義づけられ,よい内容になる,そんなささやかな一助になれば幸いです。
遠足が目先の新しさ,レクリエーション本位,園の看板“おたのしみ遠足”だけの傾向を著者は心配しました。その点で再考を企画したり,原点にたちかえってというシンプルな考えの筆者の強い味方として,支えていただいたのは編集長の仁井田康義氏でした。最後になりましたが,心から感謝の気持ちを表したいと思います。
/井上 初代
-
- 明治図書