- ■はじめに■
- T章 絵本の読み聞かせ・スキット作成は,なぜ小学校英語で有効か
- §1 児童にとっての読み聞かせ
- 1 絵本の絵が,児童に話しの状況理解を助ける
- 2 教室という限られた時と場に,リアルな時と場を提供してくれる
- 3 英語の授業を離れても,児童が目にすることができる
- §2 指導者(担任)にとっての読み聞かせ
- 1 教科書的な存在としての絵本
- 2 教材作りの基となる絵本
- §3 児童にとってのスキット作成
- 1 型があるから表現しやすい,理解しやすい
- 2 工夫がしやすい
- §4 指導者(担任)にとってのスキット作成
- 1 型があるから英語が苦手という指導者(担任)にも取り組みやすい
- 2 自己表現のステップである
- U章 絵本の読み聞かせ・スキット作成のポイント
- §1 絵本の読み聞かせ
- 1 絵本の選択
- 2 読み聞かせ方
- 3 活動の組みたて
- §2 スキット作成
- 1 テーマの選択
- 2 場面の選択
- 3 言語材料の選択
- 4 スキットの紹介
- 5 スキットの発表
- V章 Five Little Monkeys Jumping on the Bed
- 1 絵本の読み聞かせをしよう
- 2 子猿のお面を作ろう
- 3 お面をつけてみんなで絵本を読もう!
- W章 Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?
- ・単元目標と評価の観点 ・単元計画 ・指導案
- 1 絵本の読み聞かせをしよう
- 2 絵本に出てきた動物を題材に活動をしよう
- 3 動物パズルを作ろう!
- X章 Where's Spot?
- ・単元目標と評価の観点 ・単元計画 ・指導案
- 1 絵本の読み聞かせをしよう
- 2 絵本に出てきた動物や家具・身の回りの語を使ってゲームをしよう
- 3 チャンツを歌おう
- 4 Where is Spot? ゲームをしよう
- Y章 The Very Hungry Caterpillar
- ・単元目標と評価の観点 ・単元計画 ・指導案
- 1 絵本の読み聞かせをしよう
- 2 Missing Game をしよう
- 3 Key Word Game をしよう
- 4 “Sunday comes Again” を歌おう
- 5 My Lunch を作ろう
- Z章 Dear Zoo
- ・単元目標と評価の観点 ・単元計画 ・指導案
- 1 絵本の読み聞かせをしよう
- 2 動物絵カードでカルタ取りをしよう
- 3 動物シートでボンゴゲームをしよう
- 4 Three Hints Game をしよう
- 5 自分が飼いたい,あるいは,飼っている動物の絵を描こう
- 6 自分の飼いたい,あるいは,飼っている動物を紹介しよう
- [章 In a People House
- 1 絵本の読み聞かせをしよう
- 2 探し物クイズをしよう
- 3 頭文字探しゲームをしよう
- 4 辞書を作ろう
- \章 Swimmy
- ・単元目標と評価の観点 ・単元計画 ・指導案
- 1 絵本の読み聞かせをしよう
- 2 場面絵ならべをしよう
- 3 場面絵カルタ取りをしよう
- 4 好きな海の生き物の絵カードを作ろう
- 5 海の生き物になって,スイミーと会話をしよう
- 6 スイミーの劇をしよう
- ]章 The Peach Boy, Momotaro
- 1 絵本の読み聞かせをしよう
- 2 ペープサートを持って,劇をしよう
- 3 自分たちでせりふを考えよう
- 4 鬼と戦うゲームを決めよう
- 5 劇の練習をし,発表をしよう
まえがき
英語活動に取り組んでいる小学校が急速に広がり,ほとんどの学校で時間数の多い少ないはあっても英語活動を行っている。また,中央教育審議会の議論からも,小学校における英語活動が近く必修化される気配が極めて高くなってきている。このような状況にあって,小学校の教師は,時間と労力とお金をかけて,子どもの英語に対する興味・関心を高めようと日夜英語活動の年間計画の構成や授業の効率的な構成を考え,教材・教具の開発に心を砕きながら,楽しい英語活動の推進に努力している。
これまで多くの小学校教師が,英語活動については年間活動計画や指導内容や指導方法について何もない状況から,非常に苦しい思いをしながらも,子どもが英語活動を楽しみに待っている姿や英語を使うことを喜ぶ笑顔に後押しされて,また,自分でも様々な活動を創造する過程を楽しみながら,小学校教師の持ち前の創造性を生かし,エネルギーを注ぎ込み,自分なりに授業を楽しくする努力を積み重ねてきた。この努力を積み上げていく過程で,創造性に富んだ様々なクイズやゲームやごっこ遊びや読み聞かせやスキットの技法などを開発してきた。また,視聴覚機器を使い,様々な内容の視聴覚教材の活用にも新たな視点を求めて,これらを英語活動に最大限に活用する方法も考えてきた。
しかし,全国の小学校の教師が開発したこれらのアイディア溢れるクイズやゲームやごっこ遊びは,ややもすれば個人のレベルで留まって広がっていかないきらいがある。広がったとしても学校内であったり,せいぜいその学校近辺の研究会のグループ内であったりして,せっかくの教師の熱い思いが詰まった,努力の賜物であるこれらの宝物が全国の教師の共通の宝物にならない傾向が強い。そこで,こうしたすばらしい英語活動のクイズやゲームや視聴覚教材の活用や読み聞かせやスキット作成のアイディアを集めて,その内容や遊びの方法をできるだけ具体的に示すことによって,全国の教師が自由に,しかも,簡単にこれらを利用できるようにすることが,今後の英語活動を更に充実させる上から必要であろうと確信している。また,そうすることによって,英語活動に取り組む教師のアイディアを更に膨らませるとともに,英語活動に取り組んでいる教師が最初の一から作っていく手間とエネルギーを少しでも減らすことができればいいとの思いから,『シリーズ・これでできる小学校英語必修時代の授業』を編集することにした。
本書は,シリーズの中の『「読み聞かせ」の指導テキスト』であり,読み聞かせについての基本的な考え方を「絵本の読み聞かせ・スキット作成は,なぜ小学校英語で有効か」で説明し,また,絵本の選択や読み聞かせ方,また,スキットのテーマの選択や言語材料の選択等について「絵本の読み聞かせ・スキット作成のポイント」で,小学校で実際に指導している立場から具体的に述べたものである。更に,これまで活用してきた絵本の中から特に面白く,子どもが喜ぶ絵本を具体的に示して,授業を具体的に展開した。
本書を活用するに当たって,紹介されている絵本の具体例は,あくまでも執筆した筆者の実践例であり,実際に指導する教師は担当する子どもの実態に合わせて利用していただきたい。
ある特定の学年で紹介されている絵本でも読み方や使い方を変えればどの学年でも利用できるものである。実際に指導している子どもの喜ぶ笑顔に合わせて,教師の創造性と工夫を振りかけながら授業を楽しく構成していただければ幸いである。
本書を編集するに際して,子どもたちと楽しく,また,忙しく日常生活を過ごしておられるアイディア溢れる執筆者に心からお礼を申し上げる次第である。また,本書の構想から校正まで,細かいところまで編集者の心意気を示してくださった安藤征宏氏にお礼を申し上げる次第である。
平成19年6月
鹿児島純心女子大学国際人間学部長・教授 /影浦 攻
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