- ■はじめに■
- T章 ゲームはなぜ小学校英語で有効か
- 1 小学校英語のねらい
- 2 ゲームの有効性
- 3 ゲームは変幻自在
- U章 小学校英語でゲームを生かすポイント
- 1 子どもの実態に合わせたゲームを選ぶ
- 2 指導の手順のポイント
- 3 失敗の原因から学ぶ
- V章 代表的ゲームの紹介・内容と実際
- @ ビンゴゲーム
- 3年生 色水ビンゴ
- 4年生 食べ物ビンゴ
- 5年生 行ってみたい国ビンゴ
- 6年生 アルファベット・ビンゴ
- A カードゲーム
- 3年生 買い物カルタゲーム
- 4年生 スポーツカードゲーム
- 5年生 ペアドンジャンゲーム
- 6年生 職業カードマッチゲーム
- B 体を動かすゲーム
- 3年生 サイモンセズゲーム
- 4年生 ツイスターゲーム
- 5年生 オオカミさん,今何時?
- 6年生 ジェスチャーゲーム
- C ボードゲーム
- 3年生 絵さがしゲーム
- 4年生 どんな動物が好き?
- 5年生 校区マップを作ろう
- 6年生 世界一周すごろくゲーム
- D 聞き取りゲーム
- 3年生 「ハンバーガーをください」ゲーム
- 4年生 「どんな数でしょう」ゲーム
- 5年生 「ミステリーツアー」ゲーム
- 6年生 「テレフォンショッピング」ゲーム
- E スピーキングゲーム
- 3年生 伝言ゲーム
- 4年生 リバークロッシングゲーム
- 5年生 ネーム 5
- 6年生 ミニ・スキット・ゲーム
- F グルーピングゲーム
- 3年生 フルーツ バスケット
- 4年生 ミングル
- 5年生 ライン ナップ ゲーム
- 6年生 インタビュー ゲーム
- G みんなで協力ゲーム
- 3年生 買い物ゲーム
- 4年生 ゲス・フーゲーム
- 5年生 どこまで行けるかなゲーム
- 6年生 Telephone ゲーム
まえがき
英語活動に取り組んでいる小学校が急速に広がり,ほとんどの学校で時間数の多い少ないはあっても英語活動を行っている。また,中央教育審議会の議論からも,小学校における英語活動が近く必修化される気配が極めて高くなってきている。このような状況にあって,小学校の教師は,時間と労力とお金をかけて,子どもの英語に対する興味・関心を高めようと日夜英語活動の年間計画の構成や授業の効率的な構成を考え,教材・教具の開発に心を砕きながら,楽しい英語活動の推進に努力している。
これまで多くの小学校教師が,英語活動については年間活動計画や指導内容や指導方法について何もない状況から,非常に苦しい思いをしながらも,子どもが英語活動を楽しみに待っている姿や英語を使うことを喜ぶ笑顔に後押しされて,また,自分でも様々な活動を創造する過程を楽しみながら,小学校教師の持ち前の創造性を生かし,エネルギーを注ぎ込み,自分なりに授業を楽しくする努力を積み重ねてきた。この努力を積み上げていく過程で,創造性に富んだ様々なクイズやゲームやごっこ遊びなどを開発してきた。また,視聴覚機器を使い,様々な内容の視聴覚教材の活用にも新たな視点を求めて,これらを英語活動に最大限に活用する方法も考えてきた。
しかし,全国の小学校の教師が開発したこれらのアイディア溢れるクイズやゲームやごっこ遊びは,ややもすれば個人のレベルで留まって広がっていかないきらいがある。広がったとしても学校内であったり,せいぜいその学校近辺の研究会のグループ内であったりして,せっかくの教師の熱い思いが詰まった,努力の賜物であるこれらの宝物が全国の教師の共通の宝物にならない傾向が強い。そこで,せっかくのすばらしい英語活動のクイズやゲームや視聴覚教材の活用のアイディアを集めて,その内容や遊びの方法をできるだけ具体的に示すことによって,全国の教師が自由に,しかも,簡単にこれらを利用できるようにすることが,今後の英語活動を更に充実させる上から必要であろうと確信している。また,そうすることによって,英語活動の取り組み教師のアイディアを更に膨らませるとともに,英語活動に取り組んでいる教師が最初の一から作っていく手間とエネルギーを少しでも減らすことができればいいという思いから,『シリーズ・これでできる小学校英語必修時代の授業』を編集することにした。
本書は,シリーズの中の『「ゲーム」の指導テキスト』であり,ゲームについての基本的な考え方を「『ゲーム』はなぜ小学校英語で有効か」で説明し,また,ゲームを有効に活用する際の留意点を「『ゲーム』を生かすポイント」で,小学校で実際に指導している立場から具体的に述べたものである。更に,これまで開発してきた様々な面白い,また,楽しいネーミングのゲームを具体的に紹介している。また,これらのゲームを最大限に生かすために,「ゲームのねらい」と「指導上のポイント」について詳しく説明することによって,このゲームを,言語材料を変えたり,学年を変えたりする際のヒントとして活用できるようにした。
本書を活用するに当たって,紹介されているゲームは,あくまでも執筆した筆者の実践例であり,実際に指導する教師が担当する子どもの実態に合わせて利用していただきたい。どのゲームも,言語材料を変えればどの学期でも利用でき,また,どの学年でも活用できるものである。また,ある特定の学年で紹介されているゲームでも言語材料を変えればどの学年でも利用できるものである。実際に指導している子どもの喜ぶ笑顔に合わせて,教師の創造性と工夫を振りかけながら授業を楽しく構成していただければ幸いである。
本書を編集するに際して,子どもたちと楽しく,また,忙しく日常生活を過ごしておられるアイディア溢れる執筆者に心からお礼を申し上げる次第である。また,本書の構想から校正まで,細かいところまで編集者の心意気を示してくださった安藤征宏氏にお礼を申し上げる次第である。
平成19年6月
鹿児島純心女子大学国際人間学部長・教授 /影浦 攻
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