- まえがき
- T どの子も書きまくる日記指導にはコツがある―これで学級も変わる! 耳より情報E
- 1 どうしたら続く?バラエティー日記≠フススメ
- (1) なぜ書かせるのか? 〜日記指導のとらえ方〜
- (2) いつ、どのような場面で書かせるのか?
- (3) 教師が楽しむこと
- 2 何を書かせるの?
- (1) 書く世界が一気に広がる「バラエティー日記」のお題一覧表
- (2) 日記帳には「日記」だけを書かせるのではない〜「日記帳」は「書くことの万能ステージ」〜
- 3 どのように書かせるの?
- 4 日記を見る°ノ意(教師の指導・評価)
- (1) 日記の見方(味方)
- (2) 日記を見るときの観点
- (3) コメントするときのポイント
- (4) 日記がどんどん好きになる魔法の言葉がけ(コメント)
- (5) コメントはプラスの連鎖を生む
- (6) コメントにマニュアルは存在しない
- 5 ここが肝心! 次につながる日記の紹介・交流の仕方〜仲間との分かちあい≠〜
- (1) 日記の読み聞かせと書き方指導
- (2) 効果バツグン! 日記のユーモア紹介術!
- (3) 浮かぶ日記≠熈沈む日記≠煖ウ師の紹介次第
- (4) え? 拡大して貼るだけ?!
- (5) 子どもの日記から「書くこと」指導への実際の流れ 〜教室生中継〜
- (6) 新鮮なうちに…
- (7) バラエティー豊かな「分かちあい」
- (8) 保護者へ紹介するコツ
- (9) 日記の紹介で日記が好きになる 仲間が好きになる
- 6 簡単で効果的な日記の保管の仕方
- (1) 子どもたちの日記帳の保管
- (2) 教師の「子どもの日記」の保管
- (3) 日記帳やノートをコピーするときのちょっとしたコツ
- U 日記が輝く! 学級スペシャルイベント―賞や資格などの付加価値の付け方
- 1 日記指導に加速度を付ける「日記の賞システム」
- (1) 日記の「賞システム」一覧表
- (2) 賞のシステム《バラエティー賞》
- (3) 賞のシステム《プチグランプリ・グランプリ》
- 2 日記指導に加速度を付ける「資格(段位)認定システム」
- (1) 日記の「資格(段位)認定システム」一覧表
- (2) 表彰状贈呈、記念撮影
- 3 日記指導に加速度を付ける「マイ日記の題一覧表」「マイ日記の賞一覧表」
- (1) 「マイ日記の題一覧表」
- (2) 「マイ日記の賞一覧表」
- 4 日記活動を盛り上げるスペシャルオプション
- (1) 盛り上がり必至!「N―1グランプリ」開催!
- (2) 資格や賞を掲示する
- (3) 有資格者による「アドバイス日記」刊行
- (4) 日記講座(キング、クイーン、先輩による日記講座)
- V 日記を言語力育成≠フ基地にする!〜日記は全教科に広がっていく!〜
- 1 日記で「書くこと」指導
- 2 日記指導に合わせてする指導はコレだ!
- (1) 箇条書き指導
- (2) ノート指導(基本の姿勢)
- (3) ノート指導(考えをアウトプットする)
- (4) ノート指導(メモ)
- (5) 新聞作成指導
- (6) 「作文レシピ」指導
- (7) 論理的な文章を書く指導
- (8) メモの指導
- (9) 読書指導
- (10) 音読・読み聞かせ指導
- (11) 辞書引き指導
- 3 他教科(行事)と日記指導
- (1) 三年生理科「植物の観察」の単元と「日記帳」
- (2) 社会科と日記指導
- (3) 行事と日記指導
- 4 日記指導は生活へ 〜家族との対話、仲間との対話、自分との対話〜
- W 日記帳実物と、子どもたちの作品見本
- 1 実際の日記帳(実物資料)
- (1) 日記帳外見 〜一年たつと日記帳がこうなる!〜
- (2) 日記帳の中身と日記作品
- X 日記指導のエフェクターお得¥報
- 1 その他の日記指導
- (1) 班日記
- (2) 日番(日直)日記
- (3) 教室掲示板(ツイッター)コーナー
- 2 教室は熱中人≠育成するところだ
- 3 日記指導プチ¥報
- (1) 日記を見るときに使うオススメ筆記用具
- (2) 「教師の日記帳拝見セット」を作る
- あとがき
まえがき
日記指導、今年はやってみようかな…。
でも続かないし…。
日記を見るのが大変だなあ…。
人数分見るのは時間がかかるし…。
書いてこない子にはどうしたら…。
書けない、という子にはどうしたら…。
やるからには続けさせなければ…。
このような思いを持たれている先生は多いのではないでしょうか。
私も以前は日記指導はなかなか続かないものでした。
しかし、あるとき変わりました。
「書かせている$Fの強い日記指導」から、「子どもたちが自身が楽しんで書いてくる日記指導」へと転換できたからです。
今は…。
机の上に積まれているクラス人数分の日記帳。
私は今その中の一つを読んでいます。
子どもたちの日記を読むのが楽しくてたまりません。
子どもたちの日記にはたくさんの光る一文や、宝石の言葉が書かれています。楽しんで書いている日記帳からはそれらがたくさん発見≠ウれます。
「えっと、今日はどれを紹介しようかな。」
「これとこれと、これ。それにこのフレーズもいいからなあ。これも捨てがたい。あ、そうそうこの子随分頑張ってたくさん書いたから紹介しないとなあ…。」
嬉しい悲鳴です。
毎日の学校生活において子どもたちの日記を見る時間の楽しいこと! ワクワクしながら子どもたちの“作品”の最初の読者になれることを喜んでいます。
この本では、教師も子どもも楽しく取り組める日記指導を紹介します。
日記が続く。
日記を見ることが億劫ではなくなる。
書けない子が現われない布石。
そのような指導です。
「日記は無限だ。」
担任していた四年生の子がある日の日記に書いてきた言葉です。
同じことを今実感しています。
日記は無限の可能性を秘めています。
何の可能性か。
もちろん、子どもたちの様々な力を伸ばす可能性です。
日記指導を通して子どもたちが感じ取っていく、学び取っていくことが何と多いことか。
「継続して物事に取り組む姿勢」
「表現力」
「発想力」
「学習に対する意欲」
「構成力」
「思考力」
「ユーモアのセンス」
「コミュニケーション」
「自主学習の態度」
「達成感」
挙げればきりがありません。
これらが実感できるようになったのは、この本で提案する「バラエティー日記」を始めてからです。様々なお題で日記を書いていくシステム。それに付加価値をつけるお楽しみの数々。子どもたちは日記の虜になります。
一緒に学年を組んでいる若い先生と、学年で「バラエティー日記」に取り組みました。取り組んで二日目にその先生が放課後私に言いました。
「先生、日記すごいですね。」
子どもたちに「バラエティー日記のお題一覧表」を配り、システムをプリントで配布し、紹介する。まずはそれだけでも成果が出ます。
今年、私は三年生を受け持っていますが、今五月の段階ですでに予備の日記帳を作っている子が続出しています。
さて、最初に挙げた様々な日記の効能。しかし何と言ってもバラエティー日記指導をしていて実感している最大の効用は「言語力」が豊かになることです。
子どもたちがこれから社会で生き抜いていくときに必要な力。大きな武器となるもの。それは、
「言葉の力」
です。
最終的に自分を助けてくれる最強の友は「言葉」です。人はほんの一行の言葉に勇気づけられ、未来へと踏み出す勇気をもらいます。その「言葉」と遊ぶフィールドが「日記(帳)」なのです。「日記」を通して、子どもたちが様々に言葉と出会い、言葉を選び、言葉を遊ぶ機会を作りたい。本書はそう考えて行ってきた日記指導の一端をしめしたものです。
一端、と書いたのはまだ指導が継続しているから。日々進化しています。まさに「日記」は無限。
全ての教科で「言語力」の育成が掲げられました。
日記指導が「言葉の力」を育む一助となるのは間違いないと実感します。大きな可能性を含んだカテゴリーです。
子どもたちの「日記」は、「生活振り返り作業」から、「文自体を書く楽しみ」、「言葉を紡ぐ楽しみ」へと移行してきています。そしてそれは子どもたちの学校生活に彩りを添える知的な遊びとなり、文化として教室に根付いていきます。
そんな教室内の空気を文中でできるかぎり再現したつもりです。
本書を通して、子どもたちが書かされている≠フではなく、自ら「言葉」を楽しみ、表現する喜びを見いだしていった様子を少しでも感じていただければと思います。
そしてぜひ、教室で、「日記指導」を教師自身が楽しみながら行ってほしいと思います。教師自身が楽しまなければそれは子どもたちに伝わりません。
本書も私自身が日記指導をいわば悪のり≠オた結果とも言えます。
今度は本書を手にした先生が、「日記」の世界をちょっと脱線して「言葉」の世界に子どもたちと突き進む番です。
今これを書いているだけでもワクワクしてきます。
だって、今日の子どもたちの日記を見るのが楽しみでならないから。
「日記」の世界は無限なのだから。
子どもたちの日記を見ている放課後の教室から /森川 正樹
ヒントになることがありました。
「毎日書かなくていい」
「その日にあったことだけを書かなくていい」
など最初から目からうろこの内容でした。
また、子どもが「楽しんで書く手立て」が物凄く、
「〜賞」でのシールや、日記キングやクイーンの作り方など
「ここまでやるか!」というほどのアイデア満載で
ここまでやるから「クラス全員が楽しんで書く」んだなと思いました。
(私も今年はこの本を読んで、シールとメダルを買ってきました)
日記メニューも本をそのまま追試して配ったところ
「3億円当たったら」「死ぬかと思った」「私の秘密」などなど
毎日面白い日記が続々と現れ、それを通信や給食時間に紹介してそれを聞いた子が
また面白い日記を書き…といいサイクルが生まれています。
日記指導、初心者の方も中級の方にもおすすめの一冊です!