- はじめに
- 1 物語文の「深読みドリル」48―この一語に注目!
- 1年
- かいがら
- 貝殻を耳に当てた時の音って?
- おむすびころりん
- おむすびの形って?
- たぬきのじてんしゃ
- 狸のイメージはこわい? かわいい?
- おおきなかぶ
- おおきなかぶの大きさは?
- サラダでげんき
- サラダ味って何味?
- はじめは「や!」
- どんなふうに挨拶したの?
- おとうとねずみチロ
- 声が響くのは誰のせい(精)?
- だってだってのおばあさん
- 「バースデーケーキにろうそく」はなぜ?
- 2年
- ふきのとう
- ふきのとうってお話しするの?
- スイミー
- 海の中には面白いものがいっぱい?
- たろうのともだち
- 友達ってどんな関係?
- きつねのおきゃくさま
- ひよこは何匹? 何羽? 何人?
- お手紙
- お手紙を届けるのって大変?
- かさこじぞう
- どうしておじぞうさまは六人なの?
- わたしはおねえさん
- えらいお姉さんってどれくらいえらい?
- スーホの白い馬
- スーホの白い馬は特別な馬なの?
- 3年
- すいせんのラッパ
- ラッパの語源って何?
- 海をかっとばせ
- カイシンの手ごたえってどんな感じ?
- わすれられないおくりもの
- 「おくりもの」ってどんなもの?
- ちいちゃんのかげおくり
- かげおくりの「かげ」とは?
- 木かげにごろり
- 「木かげ」から読む「木かげにごろり」
- 三年とうげ
- 「とうげ」ってどこのこと?
- モチモチの木
- 豆太はおくびょう?
- おにたのぼうし
- 「おに」って本当に悪いものなの?
- 4年
- 白いぼうし
- 「におい」と「かおり」、どちらがふさわしい?
- 一つの花
- 「コスモスの花」は、平和への願い?
- ごんぎつね
- 「ごんぎつね」は、神様の使い?
- 世界一美しいぼくの村
- 「おかげ」という言葉は、美しい日本語?
- 初雪のふる日
- 「よもぎ」は、偉大な力を秘めている
- 夕鶴
- 「そうど」って、一体何者なの?
- 世界でいちばんやかましい音
- 題名の「やかましい」という言葉は適切なの?
- あたまにつまった石ころが
- 「石」と「石ころ」のちがいってあるの?
- 5年
- だいじょうぶ だいじょうぶ
- 同じ言葉を繰り返すと、どんな感じがする?
- トゥーチカと飴
- 「トゥーチカとキャンディ」じゃだめ?
- いわたくんちのおばあちゃん
- ピースサイン? Vサイン?
- 注文の多い料理店
- しんしが現代人だったなら……
- 大造じいさんとガン
- 「ひきょうなやり方」ではなく「堂々」と
- 大造じいさんとガン
- 紅は真っ赤?
- 雪わたり
- そねむ〜人間ときつねの境界〜
- わらぐつの中の神様
- 大工さんの中の神様
- 6年
- カレーライス
- 「特製カレー」は大人の味?
- ばらの谷
- ドラガンはばらに手を加えたの?
- やまなし
- 二枚の幻灯は同じ色?
- 川とノリオ
- ノリオは神様?
- まほう使いのチョコレート・ケーキ
- 主人公はどうして魔法使いなの?
- きつねの窓
- ききょうは青色?
- ヒロシマのうた
- どうして「うた」なの?
- 海の命
- おとうと与吉じいさって似てる?
- 2 説明文の「深読みドリル」39―この一語に注目
- 1年
- だいじなたまご
- 「たまご」のお話
- まめ
- 大豆は大きいの?
- いろいろなふね
- 「ふね」の呼び方
- いろいろなふね
- 役目? 役割?
- くらしをまもる車
- 働きとは?
- くらしをまもる車
- 工夫って何?
- どうぶつの赤ちゃん
- 赤ちゃんって、何色?
- みぶりでつたえる
- 身ぶりは有効?
- 2年
- つばめのすだち
- 一人「前」だけど、成長できたの?
- ふろしきは、どんなぬの
- 風呂敷って包むもの?
- たねのたび
- たねの旅の分類は?
- さけが大きくなるまで
- サケの身は、なぜ赤い?
- ビーバーの大工事
- 巣作りはつらい?
- 3年
- にせてだます
- 「ぎょっとする」は、「魚っとする」?
- ありの行列
- ひとつまみと少々とひとつかみ……多い順に並べると?
- 合図としるし
- 正しい標識は、どっち?
- 合図としるし
- こんな標識ある?
- すがたをかえる大豆
- 大豆の豆知識……いくつ知っていますか?
- 冬眠する動物たち
- 人は冬眠できるのか?
- かるた
- 朝ぼらけ・暁……夜明けへのプロセスは?
- かるた
- 「ももしき」=「ももひき」?
- 4年
- ヤドカリとイソギンチャク
- 海の中で「共生」を探してみよう
- 大きな力を出す
- 掛け声のひみつ
- あめんぼはにん者か
- 忍者は水の上を歩けるのか
- 広告と説明書を読みくらべよう
- 江戸時代の面白広告
- 手で食べる、はしで食べる
- 手で食べると「行儀悪い」は本当?
- アップとルーズで伝える
- アップとルーズの間には……
- ウナギのなぞを追って
- なぞ、なぞ、なぞ
- 「ゆめのロボット」を作る
- ロボットと共存する社会
- 5年
- 見立てる
- あや取りは子どもの遊び?
- 和紙の心
- 和=日本?
- 「十秒」が命を守る
- 「しっかり」はどう書くの?
- 言葉と事実
- ことばに羽が生える?
- 世界遺産 白神山地からの提言
- 「めぐみ」は嬉しい? 哀しい?
- 天気を予想する
- 「かみなり」は誰のしわざ?
- 森林のおくりもの
- うちの裏山は森? 林?
- コウノトリが教えてくれた
- コウノトリの恩返し?
- 6年
- 宇宙時代を生きる
- 宇宙人の数が、「方程式」で求められる?
- 「なべ」の国、日本
- チゲ鍋、タジン鍋は「鍋鍋」?
- 3 詩の「深読みドリル」24―この一語に注目!
- 1年
- らいおん
- ライオンのたてがみって何のためにあるの?
- 木
- 森の中はどうして気持ちいい? 木の驚くべき秘密!
- やまでじゃんけん
- ところ変われば、じゃんけん変わる
- てんとうむし
- テントウムシの「てんとう」って?
- 2年
- たけのこぐん
- たけのこって一日にどれくらい伸びる?
- 赤とんぼ
- 赤とんぼは秋の虫?
- 雨だれ
- 春夏秋冬 雨のいろいろ
- 山
- 山の神様は男性? 女性?
- 3年
- どきん
- 「どきん」は、ときめきの音……?!
- かるのぴょん
- 「ぴょん」跳びは、かわいい者の特権?
- 夕日がせなかをおしてくる
- 夕日は「今日のおわり」?「明日の始まり」?
- 春のうた
- かえるの鳴き声が個性的なわけ
- 4年
- 私と小鳥と鈴と
- みんないいのは、みんな同じだから…?
- ぼくがここに
- 「いる」がいい?「ある」がいい?
- ふしぎ
- 「ふしぎ」ってどういうこと?
- のはらうた
- 一番プライドが高いのは誰だ?
- 5年
- 丘の上の学校で
- やまぶきの色はいつごろから?
- はじめて小鳥が飛んだとき
- はく手の大きさは?
- まり
- どんなまりを想像しますか?
- われは草なり
- われと同じような意味を持つ言葉は?
- 6年
- わたりどり
- 「渡り鳥」って 大変!
- いま始まる新しいいま
- 「蕾」と「雷」
- なだれ
- 「たばこ」について
- 生きる
- 「ヨハン・シュトラウス」って何者?
- 4 伝統的言語文化の「深読みドリル」24―この一語に注目!
- 1年
- まのいいりょうし
- 「いちご、さけた」が「めでたし、めでたし」?
- 花さかじい
- 花さかじいさんの犬の名前は一つじゃない?
- いなばの白ウサギ
- うさぎを「一羽」で数えるのはどうして?
- 2年
- ヤマタノオロチ
- 「ヤマタノオロチ」はなぜ「八俣」?
- いなばの白うさぎ
- うさぎが渡ったのはワニ? サメ?
- いなばのしろうさぎ
- 「いなばのしろうさぎ」は本当に白かった?
- かさこじぞう
- 「じょいやさ」はじぞうさまの気持ちの表われ?
- 三まいのおふだ
- 「のんのん」走る山んばの勢いは?
- 3年
- 声に出して楽しもう
- 蛙は「かへる」? それとも「かはず」?
- いろはにほへと
- 「いろはにほへと」の秘密
- ことわざ
- 急がば回る?
- 慣用句を使ってみよう
- 「首」ってどこ?
- じゅげむ
- 長い名前は有名になる?!
- 4年
- 短歌の世界
- 驚くべき「驚き」の世界
- 故事成語
- 阿吽の呼吸って、どんな呼吸?
- 故事成語
- 「矛盾」がぶつかると?
- 5年
- 平家物語
- 「春の夜」について
- 平家物語
- 音と声
- 枕草子
- 「曙」と「暁」
- 枕草子
- 四季を愛でる
- 6年
- 柿山伏
- 移り変わる動物の鳴き声
- 伝えよう、大切にしたい名言
- 和
- 日本の名作
- 自分のことを何という?
- 日本の言の葉
- 「言の葉」ってどんな葉?
はじめに
私たちが教材研究を進める時、物語文なら次の四点が柱になる。
○ 中心人物は誰か?
○ 中心人物は変わったか?(どう変わったか?)
○ なぜ、中心人物は変わったか?
○ 物語が語りかけるメッセージは何か?
注目したいのは「変化」であり、ストーリーの展開、因果関係の描き方に、私たちも感動を覚える。
説明文なら、次の四点が柱だろう。
○ 文章構成は何型(尾括、頭括、双括)か?
○ 問いとまとめはつながっているか?
○ 事例と事例の関係は?(説得力があるか?)
○ 筆者が伝えたいメッセージは何か?
説明文は、「整合」が問題であり、述べ方の工夫によって、説明内容の理解度や主張への納得度が変わってくる。
こうした教材研究は、文書のつくり(構造)からのアプローチである。教材の特性を見極めていくには、欠くことができない着眼点である。
しかし、角度を変えて、「この一語」にこだわって、教材研究するのも面白い。文章には、その文章らしさを醸し出す、あるいは、伝えたいメッセージを表現する「この一語」がある。その一語の持つ、語源や用例、本質的な意味を深読みしながら、教材への見方を広げていこうというのが本書の主旨である。
例えば、「おむすびころりん」に出てくる「おむすび」である。「むすぶ」を漢字で書くと「結ぶ」となる。紐を結ぶ。契りを結ぶ。結びつける。結ぶには、二つ以上のものをつなぐという意味がある。遡って、古事記には、天と地が分れた時に生まれた神の名の中に「産巣日」とある。これは天地万物を産み成す霊妙な神霊のことだそうだ。今も「産霊神」という言葉が残っている。当時は、山を神格化していたから、その力を私たちに授かる、神と私たちとを結ぶために、米で山の形をかたどったというわけである。
他にもいろいろな説があるが、「おむすびころりん」によって、おじいさんは、ねずみたちと心を結んでいる。そして、おばあさんといつまでも仲良く楽しく暮らしたのである。
新しい教材の見方への招待。クイズ形式で読者に問いかけ、その世界に誘いたい。授業にも使えるし、ちょっとした小話にもいいだろう。こうしてドリルを重ねると、言葉への感覚、教材の見方が変わる、そんな一冊になれば幸いである。
編著者 /香月 正登
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- 明治図書