- はじめに
- Part1 まるごと早わかり! 発音記号指導入門
- 1 なぜ,発音記号の指導が必要なのか?
- (1) 発音記号の必要性とは?
- (2) 発音記号の指導と学習指導要領の関係は?
- 2 武田流・発音記号指導のポイント6
- (1) “Jones式発音記号”と“IPA”
- (2) 生徒用テキスト(発音記号学習表)の作成
- (3) どの学年で行うか? いつから指導を開始するか?
- (4) 授業のどこで,どうやって発音記号の指導を行うか?
- (5) 発音記号の指導計画は? 発音記号の指導はいつまで続けるか?
- (6) この指導に対する生徒の評価は?
- Part2 授業ですぐ使える! 発音記号ワーク
- 1 発音記号学習表
- 2 ワークシート活用のポイント
- 3 ワークシートの使い方
- 4 発音記号ワーク50
- 子音
- 1 【p】
- 2 【b】
- 3 【t】
- 4 【d】
- 5 【k】
- 6 【g】
- 7 【h】
- 8 【f】
- 9 【v】
- 10 * thankのthの発音
- 11 * thisのthの発音
- 12 【s】
- 13 【z】
- 14 * fishのshの発音
- 15 * Asiaのsiの発音
- 16 * Marchのchの発音
- 17 * jamのjの発音
- 18 【r】
- 19 【l】
- 20 【m】
- 21 【n】
- 22 * singのngの発音
- 23 【j】
- 24 【w】
- 母音
- 25 * catのaの発音(短母音)
- 26 * busのuの発音(短母音)
- 27 * notのoの発音(短母音)
- 28 * fatherのaの発音(長母音)
- 29 * dogのoの発音(短母音)
- 30 * ballのaの発音(長母音)
- 31 【e】(短母音)
- 32 【i】(短母音)
- 33 * eatのeaの発音(長母音)
- 34 【u】(短母音)
- 35 * poolのooの発音(長母音)
- 36 * agoのaの発音(あいまい母音)
- 37 【ei】(二重母音)
- 38 【ai】(二重母音)
- 39 * boyのoyの発音(二重母音)
- 40 【au】(二重母音)
- 41 【ou】(二重母音)
- 42 * carのarの発音(rの付いた母音)
- 43 * forのorの発音(rの付いた母音)
- 44 * girlのirの発音(rの付いた母音)
- 45 * soccerのerの発音(rの付いた母音)
- 46 * airのairの発音(rの付いた母音)
- 47 * earのearの発音(rの付いた母音)
- 48 * sureのureの発音(rの付いた母音)
- 応用学習
- 49 応用学習1
- 50 応用学習2
- コーヒー・ブレーク
- 「フォニックスの指導」と「発音記号の指導」
- 参考文献
- *目次に表示されていない発音記号につきましては、立ち読みページをご覧ください。
はじめに
中学生の発音指導として,私は1年生にはフォニックスを,2年生と3年生には発音記号を教えています。フォニックス指導については拙著『英単語が必ず読めるようになる!驚異のフォニックスワーク35』(明治図書)をご覧下さい。フォニックスも発音記号も中学生の指導には必要なものであり,またこの2つは相反するものでもありません。そして,もちろん4月から1年時にフォニックス指導を受けていない2年生や3年生にいきなり発音記号を教えてもまったく問題はありません。しかし,できることなら生徒たちが1年生のときにフォニックスを教え,引き続き2年生になった彼らに発音記号を教えていくことが理想的だと私は考えています。これには2つの理由があります。その1つは,2年生から教科書の新出単語の横に発音記号が載るようになるということ。もう1つは,フォニックスの知識を土台として発音記号を学ぶ。つまり,1年時のフォニックス学習によって英語の音を身に付けた生徒たちにとって,その音を表す記号を覚えることはさほど負担にはならないという点です。そして,何よりも,知らない単語を発音するときのよりどころとして,フォニックスの知識と発音記号の知識の両方を持っていることは,生徒たちにとってたいへん心強いことであると思うのです。中学校で学ぶ単語の2割半ほどは,そのつづりにフォニックスルールが正しく適用されない箇所があり,単語全体として正しく読むことができません。例えば,laugh,cousin,debutなどです。しかし,発音記号を見れば一目瞭然です。アクセントの正しい位置もわかります。発音記号は頼もしい味方なのです。その発音記号がこれらの単語の横に付いています。教えないのはもったいないことだと思いませんか。英語教師の大きな役割の一つは生徒を自立した英語の学習者にすることです。そして,その第一歩は自分の力で英単語を読めるようにすることです。発音記号を読む力は彼らが高校に進んで本格的な英語学習を始めるときの大きな助けとなります。さらに,この発音記号の習得は中学・高校のみならず,生涯学習へとつながるとても価値のあるものです。
しかし,残念なことに,発音記号の指導は一般的に敬遠される傾向にあり,発音記号を授業の中で本格的に扱っている先生方はあまりいないのではないかと思います。本書は発音記号指導の時間を毎日の英語授業の中に位置付けて計画的に無理なく実践していく具体的な方法を提示すると共に,毎年少しずつ改良の手を加えながらこの指導に用いてきた自作の生徒用テキスト(発音記号学習表)をワークシート形式にしたものを,その使用法と一緒に紹介しています。本書が中学校における発音記号指導の入門書となり,さらに明日からの指導に直結した実用書となって,現場の先生方のお役に立てることを願っています。
最後になりましたが,この本の出版を企画していただいた上に,歩みののろい私の執筆を温かく励まし続けてくださった明治図書教育書編集部の木山麻衣子さまに厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました。
平成25年5月 /武田 千代城
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- 明治図書