- まえがき
- 中学校生徒指導要録(参考様式)
- 様式1 学籍に関する記録
- 様式2 指導に関する記録
- 生徒指導要録改訂の概要
- 指導要録記入の実際
- 学籍の記録
- 各教科の学習の記録
- 観点別学習状況
- 国語
- 社会
- 数学
- 理科
- 音楽
- 美術
- 技術・家庭
- 保健体育
- 外国語
- 評定
- 総合的な学習の時間の記録
- 特別活動の記録
- 行動の記録
- 総合所見及び指導上参考となる諸事項
- 出欠の記録
- 指導要録取扱い上の注意
- Column
- 評価観の転換
- 言語活動の充実
- 電子媒体での処理について
- 新しい音楽の評価
- 選択教科について
- 時数の確保について
- 関心・意欲・態度の評価
- 総合所見を記入するにあたって
- 特別活動の評価について
まえがき
小学校,中学校の学習指導要領の改訂に伴って,児童生徒の指導要録も改訂されました。新しい指導要録の様式等は,中学校においては平成24年度から用いられることになりました。
改めていうまでもなく,指導要録は,児童生徒の学籍・指導の過程と結果を要約する記録として,また,外部に対する証明等のための原簿として,大切なものであります。したがって,指導要録の記入・運用・保管などは教師にとって極めて重要であり,適正な取扱いは大切な業務の一つであります。
今回の学習指導要領の改訂では,「生きる力」を継承して,これまで以上に@思考力・判断力・表現力の育成,A基礎的・基本的な内容の確実な習得,B学習習慣の確立などが強調されています。そして,評価の段階においても教科の特性に合わせて,生徒一人一人をさらに見極めていくことがねらいとされています。このことは,いままで以上に観点別学習状況を重視していく方向性を明確に示しました。したがって,学習指導要領に示す基礎的・基本的な内容を確実に身に付けることはもとより,自ら学び自ら考える力などが「生きる力」として育まれることが大切なこととなります。
各学校では,観点別学習状況の評価を基本として,さらに発展させ,児童生徒のよい点,可能性,進歩の状況を見る評価とともに,個人内評価が一層重要な位置を占めることになります。なお,選択教科については,各校が定めることとしているので,必要に応じて選択教科があってもよいという考え方で取り組むことになります。
また,今回の改訂で特別活動の評価については,学級活動,生徒会活動,学校行事の観点を各学校が定めることができるようになり,「総合的な学習の時間」と同様に各学校の主体性が求められることになりました。したがって,生徒一人一人をどのように把握し,活動をどのように判断するかという情報を確実に得られる手立てが必要となりましょう。
これからの学校教育では,特色のある学校づくり,地域分権における学校の在り方,自立・自律的な学校づくり等,学校としての在り方が問われます。新しい指導要録では,全教師による一層の共通理解と評価の観点の明確化が不可欠です。今回の改訂によって示された,今求められる学力についての考え方は,思考力・判断力・表現力の育成に力点が置かれている状況からも,学校,家庭等での学習習慣の確立等と一体的なものにしなければなりません。したがって,これまで以上に記録の蓄積の積み重ねが求められます。
本書は,新しい指導要録の趣旨の理解をふまえ,解説もより具体的な場面を意識して執筆いたしました。事例を中心にした構成で,教師が活用しやすいものにしてあります。これからの指導要録の取扱い上,本書の内容を参考にして日常の教育活動で活用していただければ幸いです。
平成23年7月 生徒指導要録研究会代表 /釼持 勉
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