- はじめに
- T章 音楽の授業がこう変わる!
- 1 音楽の「学力」って目に見えるの?
- 2 知識があると活動が楽しくなる
- 3 子どもの理解度―どうやって判断すればいい?
- 4 学習プリントの活用方法
- U章 楽しく学んでしっかり力がつく! 授業アイデアとワーク&チェックシート
- 1 音楽で友達の輪を広げよう(関心・意欲)
- Lesson1 歌で友達と仲良くなろう(1年)
- Lesson2 日本のあそび歌で遊ぼう(1年)
- Lesson3 いろいろな国の言葉で歌おう(2年)
- ワークシート せかいの 国の ことばで 歌おう!
- Lesson4 音楽に合わせた動きを考えよう(2年)
- ワークシート 「森のくまさん」の 楽しいうごきを 考えて 歌おう
- 2 音楽にのって体を動かそう(拍の流れ)
- Lesson5 音楽にのって体を動かそう(2年)
- 3 ドレミで遊ぼう(旋律)
- Lesson6 ドレミの高さを知ろう(2年)
- ワークシート 音の かいだん
- Lesson7 楽器を演奏したりドレミで歌ったりしよう(2年)
- ワークシート かいめい あそび(1)(2)
- Column1 学級担任の先生にちょこっとアイデア
- 4 いろいろなリズムにチャレンジ(リズム)
- Lesson8 音符や休符を覚えよう(1年)
- ワークシート なかまさがし(おんぷ)(きゅうふ)/音符・休符カード
- Lesson9 歌に合わせてリズムをたたこう(1年)
- ワークシート リズムフレーズを つくろう
- Lesson10 「たん」と「たた」のリズムで遊ぼう(1年)
- ワークシート すきな いきものの うたを つくろう
- Lesson11 2拍子,3拍子のリズムを感じよう(2年)
- Lesson12 言葉をリズムにのせて遊ぼう(2年)
- Column2 すぐに授業に生かせる鑑賞の授業
- 5 耳をすませて音さがし(音色)
- Lesson13 いろいろな楽器の音を聴き取ろう(1年)
- Lesson14 イメージに合った音を出そう(1年)
- Lesson15 身近な音に興味をもって聴こう(2年)
- ワークシート すきな音を さがそう
- Lesson16 いろいろな音に気をつけて聴こう(2年)
- Lesson17 いろいろな音を組み合わせよう(2年)
- 6 音楽の場面(仕組み)
- Lesson18 問いと答えなどの音楽の仕組みを感じよう(2年)
- ワークシート 「エンターティナー」を 聞いて 学しゅうしよう
- Lesson19 音色やリズムから様子を想像しよう(2年)
- 7 広がるいろいろな世界(総合)
- Lesson20 おいかけ合う歌い方を楽しもう(1年)
- Lesson21 強弱・速度等の違いを感じ取ろう(2年)
- ワークシート 「ノルウェーぶきょく」は どんなきょく?
- Lesson22 互いの声を聴き合って歌おう(2年)
- Lesson23 お話と音楽を合わせよう(2年)
- ワークシート 「小ぎつね」の せりふを 考えよう/「小ぎつね」を みんなで えんそうしよう/「小ぎつね」の うごきを 考えよう
はじめに
先日,2年生の担任と雑談をしていたところ,「音楽の時間が45分間もたないのです。どうしたらいいですか。」という話になりました。
小学校の先生は全教科を指導することになります。音楽の時間はといえば,なかなか苦労されている先生方も多いような……。そこで音楽の授業はどのように進めているか訊いてみました。「歌を歌ってから,けんばんハーモニカを吹きます」「CDに合わせて歌ったり演奏したり」「一曲歌ったらまた次の曲を歌います」「あとは何をしたらいいのかよくわからないまま終わってしまいます」。
さらにどんな力をつけるために音楽の学習をするかという話になりました。すると「きれいな声で怒鳴らないで歌えるように」「けんばんハーモニカがつかえないですらすらできるように」……。素晴らしいめあてです。
でも,小学校6年間の音楽の学習の中で「育んでいく力」はこれだけでよいのでしょうか。そうではないとわかってはいるのに,具体的にはどうすればよいのか困っている先生方がたくさんいらっしゃいます。
私たち教師は,子ども達がめあてを達成するために計画的に学習を進めていきます。例えば算数の四則計算,国語の読み取り・書き取りの力を基礎・基本として身に付けることにより,最終的には人として「生きるための力」を育んでいくのです。
では,音楽の学習を通して身に付ける学力や能力とはどんなものでしょう。それを考えたとき,今回の学習指導要領で示された〔共通事項〕が大きく関連してきます。〔共通事項〕は今までにもあった内容ですが,表現や鑑賞・創作活動を通して系統的に学習するよう,はっきりと位置づけられました。低学年では「音楽を形づくっている要素のうち,『音色・リズム・速度・旋律・強弱・拍の流れやフレーズ・反復・問いと答えなどの音楽の仕組み』を聴き取り,それらの働きが生み出すよさや面白さ,美しさを感じたり,身近な音符・休符・記号・用語について音楽活動を通して理解する」とされています。
これを受けて,本書では〔共通事項〕の内容を「育んでいきたい力(学力・能力)」としてとらえ,チェックシートとともに多様な実践事例を載せました。また,学習プリントを使うことで,ねらいにそった授業になるようにしてあります。忙しい学級担任の先生方がそのままコピーして使えるように資料も多数揃えました。子どもたちが音楽の学力や能力を身に付け,「生きる力」を育んでいくために,本書が少しでもお役に立てば幸いです。
2011年7月 /中嶋 深雪
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- 明治図書