- まえがき
- 本書の使い方
- 内容使用時期一覧表
- 1年生
- @ かずの わけかた なんばんめかな?
- 数字を覚える,数を分ける,順序を数える
- A たしたり ひいたり
- たし算,ひき算
- B 10より おおきな かずを かぞえよう
- 10より大きな数
- C どちらが おおきい?
- 数えられないものの比較
- D 3つの かずを たしてみよう
- 3つの数のたし算ひき算
- E ちょっと くふうした 「たしざん」「ひきざん」
- 繰り上がりのあるたし算,繰り下がりのあるひき算
- F 「0」って なあに?
- 「0」を覚える,「0」の計算
- G もっと おおきな かずを かぞえよう
- 100までの数
- H いま なんじ?
- 時計の読み方
- 2年生
- @ 数を 見やすく しましょう
- 表とグラフ
- A ひっ算は やさしいよ(たし算)
- たし算の筆算
- B ひっ算は 見やすいよ(ひき算)
- ひき算の筆算
- C 100より 大きな 数
- 1000までの数
- D 大きな 答えが でる 計算
- かっこを使った式,100を超えるたし算とひき算,筆算
- E よく 知っている 形
- 三角形で形をつくる,三角形と四角形
- F 九九を おぼえよう
- かけ算九九
- G いろいろな はかりかた
- 体積,長さ
- H1000より 大きい 数は?
- 10000までの数
- 3年生
- @ 3つの数のかけ算をやってみよう
- かけ算
- A 時計の計算をしてみよう
- 時刻と時間
- B わり算で文章の問題をとこう
- わり算
- C 3けたの数の筆算をしよう
- たし算とひき算(3桁,暗算,3つの数の計算)
- D あまりをもとめよう
- 余りのあるわり算
- E もっと大きな数は?
- 大きな数
- F 2けたの数をかけてみよう
- 2桁の数をかける計算
- G 大きな重さを考えよう
- 重さの単位
- H 小数って何だろう?
- 小数
- 4年生
- @ だいたいの数を求めるためには
- 大きな数,がい数
- A わり算を筆算でやってみよう
- わり算(わり算の筆算)
- B わり算を使ってみよう
- わり算の応用問題
- C いろいろな三角形
- 三角形,角
- D 見やすく整理しよう
- 整理の仕方
- E わる数が大きくなると
- 2桁の数でわる計算
- F 形の大きさ,面積を調べよう
- 面積(長方形,正方形),色々な形の面積
- G かっこの計算をやってみよう
- 式と計算(かっこ,四則がまじった計算)
- H どんなふうにふえるかへるか
- 変わり方
- I 何かを分ける方法は?
- 分数
- J 小数と整数のかけ算をしよう
- 数のかけ算(小数に整数をかける)
- K 小数のわり切れるわり算をやってみよう
- 小数のわり算(余りなし)
- L 小数のわり算のあまりを求めよう
- 小数のわり算(余りあり)
- M いろいろな形の性質と平行線を使おう
- 四角形(垂直,平行,台形,平行四辺形,ひし形,対角線,図形の角)
- 5年生
- @ 倍数と約数は何だろう?
- 倍数と約数(倍数,公倍数,約数,公約数)
- A 「けた」ってなあに?
- 小数と分数
- B 小数の計算をしてみよう
- 小数の計算(小数×小数,小数÷小数)
- C 小数のわり算を練習してみよう
- 小数のわり算(小数と小数で余りがある)
- D 分数の計算はどうやるの?
- 分数の計算(たし算,ひき算,小数との関係)
- E 分数を小数になおしてみよう
- 分数と小数
- F いろいろなグラフで大きさを比べよう
- 割合とグラフ(百分率,歩合,帯グラフ,円グラフ)
- G いろいろな立体の形をおぼえよう
- 立体(直方体,立方体,垂直,平行,角柱,円柱)
- H 立体の大きさを考えよう
- 体積
- I いろいろな比べ方を考えよう
- 単位量あたりの大きさ(平均,人口密度,速さ)
- 6年生
- @ 分数の計算をしてみよう 1
- 分数のたし算,ひき算
- A いろいろな速さを計算しよう
- 速さ
- B 分数の計算をしてみよう 2
- 分数のかけ算,わり算
- C 量を数で比べてみよう
- 比
- D どんな関係があるの?
- 比例
- E 数を文字で表してみよう
- 文字を使った式
まえがき
算数の内容は,小学生が学ぶのだから大人にとっては簡単だと思っている方もいらっしゃると思います。それでは,小学校のはじめの方で習う内容を,改めてまとめてみましょう。
○ 数と数字,個数と順序,特別な数0,比較,10より大きな数,100までの数
○ 0の使い方,増減(たし算ひき算の発想),たし算,たし算の式の書き方,ひき算,ひき算の式の書き方,繰り上がり,繰り下がり,比較,3つの数の計算(計算順序)
○ 図形,特に身の回りの立体,直方体,円柱,球,形をうつす(同じ形を作る)
○ 数えられないものの(長さなどの)比較
○ 文章を読んで式を書く,たすのかひくのか,多いか少ないか
どうでしょうか。このように,数学の言葉を使って算数の内容を書いてみると,こんなに難しそうになるのです。大人でも,難しいと思う言葉が並びます。そうなのです。決して,算数の内容は,やさしくはないのです。それを最初に習う小学生にとっては,理解するのが大変であることは確かです。もちろん,扱う数や式は基本的なものですが,やっていることは,数学の本質にかかわることです。
この本は,単に子どもがチェックシートを解くだけではなく,子どもが実際に解いたチェックシートをご両親や先生が見て,子どもたちがどこでつまずいているのかを発見し,それを解決するにはどうすればよいかを説明するのが目的です。そのためには,ある程度,習う順番で話を進める方がわかりやすくなります。そして常に,「これは数の構造だ」とか,「ここは式の表現だ」とかいう,数学の見方を大人がすることが大切です。その上で,小学生の言葉で説明してあげれば,子どもたちは本当の理解ができます。
本書は,「つまずいた場所でどのような対処をしたらよいか」をまとめた本ですから,ご両親や先生向けに書いた解説箇所(見開き右ページ)では,教科書の中の言葉をそのまま使うより,少し大人の言葉を使った方が,かえってわかりやすくなります。それで,用語は教科書どおりではないこともあります。
また,チェックシート(見開き左ページ)は,教科書の全ての項目を網羅していません。本当に大切なところを厳選しました。これだけ理解していれば,他のところはそれほど苦労せずにわかるだろうという考え方です。算数も数学も同じですが,やさしいところを正確に理解していないと,それを応用する力がつきません。
九九のような最低限の知識は,社会生活の基本として,家庭の中で親が子どもに教えるということも多いでしょう。しかし,どんな大切なことを知識として知っていても,丸暗記をしただけでは何もできません。身についた知識をその後,活用していくためには,まずはその知識を納得して,正しく理解する必要があるのです。また,自分の前にある紙の上に書かれた問題が解けるだけでは,算数が実際に役に立ったとは言えません。算数を実生活と結びつけながら,その使い方を教えてあげるのは学校の役割です。普段使っているような言葉を用いて,知識としての解法と対応させて答えを導いていかないといけません。たとえば,鶴亀算は,「足の数」が「速度」になったり,「値段」になったり……,色々な姿に置き換えることで問題が解ける,というのと同じです。
この本では,基本のところがしっかり押さえられているかどうかを確かめ,押さえられていない場合はどうすればよいかが書いてあります。この本を活用して,ちょっとしたつまずきから算数嫌いになってしまう子どもたちを減らし,算数から数学へと自然に知識を伸ばしていくための助けになることを望みます。
2010年7月 /柳谷 晃
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- 明治図書