小学校新教育課程 理科の指導計画作成と授業づくり

小学校新教育課程 理科の指導計画作成と授業づくり

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新しい学力観・授業像がよくわかる!理科授業の必携バイブル

大幅な授業時間数増、内容増となった小学校理科。時間数増、内容増を活かした年間指導計画はもちろん、全単元の具体的な指導計画を網羅するとともに、具体的な授業事例について、新単元や新内容を中心に、指導のポイントや指導案モデルを提示しながら詳細に解説。


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ISBN:
978-4-18-833310-5
ジャンル:
理科
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 176頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

もくじ

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はじめに
T 小学校理科・学習指導要領改訂のポイント
1 今次学習指導要領改訂のねらい
@小学校,中学校,高等学校を通じた理科の改善
A理科の内容が3区分から2区分に
B六つの理科の新内容を追加
C理科で言語活動の充実を
D理科で体験活動の充実を
E理科で環境教育の推進を
2 小学校理科・改訂の重点
@習得・活用・探究型学習と小学校理科の学習指導のあり方
A教科の目標は,どのように改善されたのか
具体的な体験を通して形づくられる理解
主体的な問題解決を通して得られる理解
実際の自然や生活との関係への認識を含む理解
B各学年の内容は,どのように改善されたのか
第3学年A(1) 「物と重さ」
第3学年A(2) 「風やゴムの働き」
第3学年B(2) 「身近な自然の観察」
第4学年B(1) 「人の体のつくりと運動」
第6学年A(4) 「電気の利用」
第6学年B(5) 「月と太陽」
U 小学校理科・指導計画作成のポイントはここだ
1 目標にかかわる作成上の課題 ―どのように位置付けるか
@「基礎的・基本的な知識・技能」の確実な定着―どのように位置付けるか
A「科学的な思考力・表現力」等の育成―どのように位置付けるか
B「問題解決の能力と自然を愛する心情」の育成―どのように位置付けるか
問題解決の能力を育てること/自然を愛する心情を育てること
2 内容にかかわる作成上の課題 ―どのように位置付けるか
@教育内容の系統化をどのように行うか
A 物質・エネルギー/ B 生命・地球
A理科改訂のねらいを踏まえた指導をどのように設定するか
自然とかかわる理科の授業
科学とかかわる理科の授業
生活とかかわる理科の授業
3 指導計画全体にかかわる作成上の課題 ―どのように位置付けるか
@授業時数増をどのように活かすか
A指導内容増にどのように対応するか
第3学年/ 第4学年/ 第5学年/ 第6学年
B各学年の目標をどのように設定するか
第3学年/ 第4学年/ 第5学年/ 第6学年
4 指導方法にかかわる作成上の課題 ―どのように位置付けるか
@理科における言語活動―どのように位置付けるか
A自然体験・科学的な体験―どのように位置付けるか
V 小学校理科・指導計画作成と授業づくり
1 3年理科・指導計画作成と授業づくり=実践のポイント
@3年理科・年間指導計画の作成=作成上のポイント
(1) どのような年間指導計画が必要か=内容・目標に照らした作成上の留意点
(2) 年間指導計画の具体例
A3年理科・単元指導計画作成の具体例と留意点
(1) 物と重さ
(2) 風やゴムの働き
(3) 光の性質
(4) 磁石の性質
(5) 電気の通り道
(6) 昆虫と植物
(7) 身近な自然の観察
(8) 太陽と地面の様子
3年理科・授業づくり【風やゴムの働き】
風やゴムの働きについて比較しながら調べ,物の性質について考える授業づくり
3年理科・授業づくり【物と重さ】
物の重さや体積について比較しながら調べ,物の性質について考える授業づくり
3年理科・授業づくり【身近な自然の観察】
身の回りの生物の様子を比較しながら考える授業づくり
2 4年理科・指導計画作成と授業づくり=実践のポイント
@4年理科・年間指導計画の作成=作成上のポイント
(1) どのような年間指導計画が必要か=内容・目標に照らした作成上の留意点
(2) 年間指導計画の具体例
A4年理科・単元指導計画作成の具体例と留意点
(1) 空気と水の性質
(2) 金属,水,空気と温度
(3) 電気の働き
(4) 人の体のつくりと運動
(5) 季節と生物
(6) 天気の様子
(7) 月と星
4年理科・授業づくり【金属,水,空気と温度】
金属,空気,水とその温度変化を調べ,金属,空気,水と温度を関係付けながら考える授業づくり
4年理科・授業づくり【人の体のつくりと運動】
骨や筋肉の動きを調べ,人の体のつくりと運動とを関係付けながら考える授業づくり
4年理科・授業づくり【天気の様子】
気温の変化や時間などを関係付けながら天気の様子を考える授業づくり
3 5年理科・指導計画作成と授業づくり=実践のポイント
@5年理科・年間指導計画の作成=作成上のポイント
(1) どのような年間指導計画が必要か=内容・目標に照らした作成上の留意点
(2) 年間指導計画の具体例
A5年理科・単元指導計画作成の具体例と留意点
(1) 物の溶け方
(2) 振り子の運動
(3) 電流の働き
(4) 植物の発芽,成長,結実
(5) 動物の誕生
(6) 流水の働き
(7) 天気の変化
5年理科・授業づくり【振り子の運動】
振り子の運動の規則性について,条件に目を向けて調べる授業づくり
5年理科・授業づくり【電流の働き】
電流の働きの条件に配慮しながら,電磁石の性質について調べる授業づくり
5年理科・授業づくり【動物の誕生】
「人の誕生」における,科学的な概念を使用して考えたり説明したりするなどの言語活動を重視した授業づくり
4 6年理科・指導計画作成と授業づくり=実践のポイント
@6年理科・年間指導計画の作成=作成上のポイント
(1) どのような年間指導計画が必要か=内容・目標に照らした作成上の留意点
(2) 年間指導計画の具体例
A6年理科・単元指導計画作成の具体例と留意点
(1) 燃焼の仕組み
(2) 水溶液の性質
(3) てこの規則性
(4) 電気の利用
(5) 人の体のつくりと働き
(6) 植物の養分と水の通り道
(7) 生物と環境
(8) 土地のつくりと変化
(9) 月と太陽
6年理科・授業づくり【電気の利用】
電気による現象について推論しながら,調べる授業づくり
6年理科・授業づくり【生物と環境】
生物と環境について推論しながら調べ,生物と環境について考える授業づくり
6年理科・授業づくり【月と太陽】
月と太陽の関係を推論しながら調べ,月の位置や特徴について考える授業づくり

はじめに

 平成23年度からの小学校学習指導要領全面実施に向けて,理科の移行措置については,平成21年度,22年度の移行措置期間中から,算数とともに教材を整備して先行実施を行うことになりました。それに伴い,理科の年間授業時数を,第3学年90時間,第4学年以上を105時間とし,学習の充実を図ることになっています。小学校学習指導要領の完全実施に向けて,移行措置期間中からの理科の学習指導のポイントとして,次のようなことが考えられます。

(1)実感を伴った理解を図る理科学習

 新しい理科の目標では,「実感を伴った理解」が示されています。これは,観察,実験などの活動を通して理解を図ることや,見通しをもって観察,実験などを行うことにより,子ども一人一人が自らの結果に責任をもち確かな理解を図ること,様々な活用を通して自然を見直したり生活とのかかわりを感じたりして理解を深めることと考えられます。理科においては,自然に親しみ,見通しをもった観察,実験などを行い,問題解決の能力や自然を愛する心情を育成することが重要ですが,それとともに一層実感を伴った理解を図ることができるような指導の工夫・改善が大切です。

(2)問題解決の能力を育成する理科学習

 理科の学習では,問題解決の能力の育成を重視しています。第3学年では「比較する」,第4学年では「関係付ける」,第5学年では「条件制御する」,第6学年では「推論する」ことが目標として示されています。こうした各学年で育成する問題解決の能力について理解し,指導の工夫・改善を図る必要があります。

(3)メディアを活用した理科学習

 理科の内容には,必ずしも観察,実験を十分に行うことが難しい内容があります。それらの内容においても,具体的な活動や体験を通した指導を工夫することはもちろんですが,近年発展が著しい映像などのメディアを積極的に活用することも重要です。開発されている様々な映像を選択して活用したり,コンピュータシミュレーションを活用したりすることが考えられます。また,デジカメなどを使った静止画を活用したりすることも考えられます。

(4)科学的な言葉や概念を使用して考える理科学習

 理科の学習は,問題解決の過程を経ることにより実現されます。問題解決の過程において,科学的な言葉や概念を使用して考えることを充実させることが重要です。小学校では,自然の事物・現象とのふれあいや自らの経験をもとにして言葉を駆使することがとりわけ大切です。そして,問題解決の過程を経ることにより,より「科学的」な言葉として変容していきます。

(5)外部のリソースを活用する理科学習

 理科の学習を効果的に行い,子どもの実感を伴った理解を図るために,それぞれの地域にある博物館や科学学習センター,植物園,動物園,水族館,プラネタリウムなどの施設や設備を活用することが考えられます。また,最近では学校教育に対して積極的に支援を行っている大学や研究機関などもあり,これらと連携・協力することにより,学習活動をさらに充実させていくことが考えられます。


 本書は,こうしたポイントをおさえながら,各学校で年間指導計画を作成したり,各先生方が意欲的に授業づくりに取り組んだりする際に,参考となることを願い作成しました。本書から指導計画の作成や授業づくりのポイントを多くの先生方が理解し,その理解のもとに学習指導の工夫改善が図られることを願ってやみません。


  平成21年6月吉日   /村山 哲哉

著者紹介

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国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部

教育課程調査官。


平成2年4月より都内公立小学校教諭,副校長

東久留米市教育委員会指導主事,

墨田区教育委員会統括指導主事を経て現職。

第4期中央教育審議会教育課程部会理科専門部会委員,

小学校理科学習指導要領改善協力者会委員等を歴任。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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