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動画1 小学校低学年「あんたがたどこさ」
時期:2008年8月
場所:アクロス福岡(福岡市)
参加者:小学校低学年児童14名
指導者:山田俊之
クラスの流行歌にボディパーカッションを付けたい!
本日ご紹介した動画は、小学生の子どもたちが熊本民謡「あんたがたどこさ」に合わせてボディパーカッションをしている演奏です。
「あんたがたどこさ」は、2拍子、3拍子、4拍子と、様々な拍子が混じってできています。そんな曲にボディパーカッションを付けるのは難しいと思われるかもしれませんが、実はだれでもボディパーカッションをつくることができるワザがあるのです!
これまで、クラシック音楽やJ-POPなど、様々な曲に付けたボディパーカッションをご紹介してきましたが、記事を読んでいる先生の中には、今クラスではやっている曲など、「この曲にボディパーカッションを付けたい!」と思っている方がいらっしゃるかもしれません。
そこで本日は、だれでも簡単にできるボディパーカッションの作り方をご紹介しましょう。
簡単にできる演奏バリエーション
まずはじめに、簡単にできるボディパーカッションで使用する演奏のバリエーションを挙げます。
A 手拍子
B お腹をたたく
C ひざを両手でたたく
D 足踏み
E 指チップ
F 肩を両手でクロスしてたたく
G お尻を叩く(低学年は大喜びです!)
H 足踏みをしながら、A〜Gを入れる(少し練習が必要です。)
これらを組み合わせることで、あっという間にボディパーカッションができあがるのです。
拍子に応じたおすすめの組み合わせパターン
では次に、どのようにして組み合わせをしていけばよいのかご説明しましょう。
まずは、ボディパーカッションを付けたい曲が何拍子の曲か調べます。そして拍子に応じて組み合わせる、たったそれだけです。
組み合わせ方には少しコツがあるので、具体的にご紹介しましょう。
4拍子の曲
・A〜Gまでの中で、4つのボディパーカッションを選択して組み合わせます。
・「D→C→B→A」や「A→F→B→C」などの組み合わせにすると、4拍がスムーズに打てます。
例:
「紅蓮華」(鬼滅の刃)…「A→F→B→C」(以前、NHKの「世界は教科書でできている」という番組からの依頼で演奏しました。)
「世界に一つだけの花」(SMAP)…最初「A→F→B→C」サビの部分「D→C→B→E」
「春の小川」(文部省唱歌)…低学年の場合「D→C→C→C」と「D→B→B→B」を交互に
3拍子の曲
・A〜Gまでの中で、3つのボディパーカッションを選択して組み合わせます。
・「C→A→E」「C→B→A」がおすすめです。低学年の場合は「D→A→A」や「B→A→A」などがよいでしょう。
例:
「Jupiter」(平原綾香)…「C→A→A」「B→A→A」「F→A→A」「D→A→A」の4つのパターンを繰り返す
「ふるさと」(文部省唱歌)…「C→A→A」後半から「D→B→A」
「こいのぼり」(文部省唱歌)…「A→A→A」「F→F→F」「B→B→B」「C→C→C」(低学年の曲なので、すぐにできるように同じ個所を3回ずつ続ける。)
2拍子の曲
・A〜Gまでの中で、2つのボディパーカッションを選択して組み合わせます。
・「D→A」や「A→E」がおすすめです。低学年の場合は「A→G」や「B→A」などがよいでしょう。
例:
「あわてんぼうのサンタクロース」…「A→B」と「A→C」を繰り返す
「どんぐりころころ」…「C→A」「C→A」「C→A」「A→休」を繰り返す
「ラデツキー行進曲」(ヨハン・シュトラウス作曲)…「A→A」「F→F」「B→B」「C→C」(交互に足踏みしながらリズムに乗って同じ個所を2回ずつ演奏する。)
「あんたがたどこさ」の組み合わせはこうなってます!
さて、それでは冒頭でご紹介した「あんたがたどこさ」はどのように組み合わせたのでしょうか。ここで使用したボディパーカッションは、「指チップ」「手拍子」「ひざを両手でたたく」「足踏み」の4種類だけです。
「あんたがたどこさ」は次のような拍子になっています。
あんたがた【2拍子】 どこさ【2拍子】
肥後(ひご)さ【2拍子】 肥後(ひご)どこさ【3拍子】
熊本(くまもと)さ【3拍子】 熊本(くまもと)どこさ【4拍子】
船場(せんば)さ【2拍子】 船場山(せんばやま)には【4拍子】
狸(たぬき)がおってさ【4拍子】
それを猟師(りょうし)が【4拍子】
鉄砲(てっぽう)で撃(う)ってさ【4拍子】
煮(に)てさ【2拍子】 焼いてさ【2拍子】
食ってさ【2拍子】 それを木の葉で【4拍子】
ちょいと隠(かぶ)せ【4拍子】
そして、それぞれの拍子に、下記のパターンをあてはめます。
2拍子の場合:手拍子→指チップ
3拍子の場合:ひざを両手でたたく→手拍子→指チップ
4拍子の場合:足踏み→ひざをを両手で叩く→手拍子→指チップ
すると、冒頭でご紹介した動画のようになるのです。
ぜひ、子どもたちからのリクエスト曲など様々な曲で、オリジナルのボディパーカッションをつくってみんなで演奏してみてください!
注釈:
「あんたがたどこさ」の拍子の解釈の仕方は様々な捉え方があります。
たとえば最初の「あんたがたどこさ」は4拍と捉えたり、最後の「ちょいと隠」を3拍に、「せ」を2拍に捉えるなどもあります。
今回ご紹介したのは、あくまで私の解釈になります。
導入を成功させるポイント
- 歌に合わせて身体の様々な部分を打つと曲の拍子を体感でき、子どもたちがより一体感を味わうことができます。
- 子どもたちと一緒にボディパーカッションをつくることで、自分たちだけのオリジナルの曲という意識が生まれ団結力が生まれます。
- 曲が完成すると、達成感や自己効力感も生まれます。