5分でクラスの一体感をつくる!山ちゃんの 導入deボディパーカッション&ボイスアンサンブル
ボディパ教育考案者の山田俊之先生が、みんなの心が一瞬でつながる活動とスキルを伝授!
ボディパ&ボイス(11)
学級開きで一気に仲良くなれる!チームビルディングアイテム
九州大谷短期大学山田 俊之
2022/4/15 掲載

動画1 「ヘイヘイリズム」でアドリブ&エンディング

時期:2010〜2019年度
講座名:九州社会教育主事認定講座より「ボディパーカッション教育」
主催:文部科学省、主管:九州大学
場所:九州大学
参加者:20代〜50代の教師、教育関係者
指導者:山田俊之

4月は新しいメンバーで子どもたちはドキドキ

 4月は学級開きの季節です。新入生は新たな場で知らない友達がたくさんいる中、ドキドキしているでしょうし、進級する子どもたちも、クラス替えなどで仲良しの子と離れ離れになったりし、新しいクラスの中でお互いに距離を感じているかもしれません。
 そこで本日は、まだ親しくない子どもたち同士が一気に仲良くなれるチームビルディングの方法を提案したいと思います。

初めて集まったメンバーの距離が一気に縮まるオススメの活動

 本日ご紹介した動画は、毎年夏に実施されている九州社会教育主事認定講座の中で、私が担当している「ボディパーカッション教育」の1コマです。コロナ禍以前の映像なので、みんなマスクをしていないのが懐かしいです。
 講座に参加されている方々は、九州各県から集まった20代から50代の学校の先生、社会教育関係者の方々です。講座の冒頭で、チームビルディングを目的として「ヘイヘイリズム」という活動を取り入れました。
 メンバーを3チームに分け、各チームごとにパフォーマンスをしています。それぞれチームのカラーが出ていますね。そして、パフォーマンスの終わった後の表情や雰囲気も感じていただけたでしょうか。私は、この講座を10数年継続して担当しており、毎回この活動を取り入れていますが、「ヘイヘイリズム」を実施した後は、あっという間にお互いの距離が縮まり、仲間意識が芽生えて、いつも講座が温かい雰囲気に包まれます。

「ヘイヘイリズム」の3つの特徴

 「ヘイヘイリズム」は、手拍子で盛り上げながら途中でアドリブのパフォーマンスを入れ、最後にみんなで一緒にポーズを決めるという流れです。この活動の特徴は次の3つ。

「パフォーマンスを楽しむ!」「間違えても大丈夫!」「個性を発揮!」

 また、最後にみんなで「ヤ!」と決めポーズをとることで、一体感を味わうことができます。「終わりよければすべてOK」です!

クラスで実践してみよう!

 まずは、1クラス30名の場合、各チーム7〜8名のグループをつくります。さらに、各チーム内を2〜3名の3つのグループに分けます。この2〜3名のグループで、自由なアドリブをつくります。
 いよいよ「ヘイヘイリズム」の流れです。

  1. 7〜8名のグループが1列に並ぶ。
  2. ユニゾンリズム(みんなで同じリズム)で「お腹をたたく」(4拍)→「ひざをたたく」(4拍)を2回繰り返す。
  3. みんなで「ヘイヘイヘイヘイ・ヘイヘイヘイヘイ」(8拍)と手拍子を打つ中、最初のグループがステージ中央へ出る。
  4. グループで考えたアドリブのパフォーマンスを披露(8拍程)。他メンバーは手拍子で応援!
  5. パフォーマンスが終わったら元の位置に戻る。
  6. またみんなで「ヘイヘイヘイヘイ・ヘイヘイヘイヘイ」(8拍)と手拍子を打ち、次のグループがステージ中央へ出る。
  7. 同様に繰り返し、最後のグループのパフォーマンスが終わったら、手拍子を打ったまま全員で中央に集まり、エンディングの決めポーズ!

導入を成功させるポイント

  1. 子どもたちが素直に自由な表現ができるよう、先生も自分を捨てて(笑)パフォーマンス例を示しましょう。
  2. うまくまとまらないグループには、「アドリブは楽しむ!」「とにかく最後は合わせる!」と伝えましょう。
  3. パフォーマンスのうまさ以上に、みんなで仲間意識がもてる「望ましい人間関係」をつくるチームビルディングをめざしましょう。

山田 俊之やまだ としゆき

九州大谷短期大学教授、福岡女学院大学非常勤講師(教職課程)。小学校、特別支援学校、九州大学(非常勤:教職課程)、九州女子短期大学(教授)勤務を経て現職。九州大学大学院博士後期課程修了(教育システム専攻)。
1986年小学校4年担任の時、ボディパーカッション教育法を考案し、現在まで活動を継続。
著書『ボディパーカッション入門』(音楽之友社)、『ボディパーカッションdeクラスづくり』『特別支援教育deボディパーカッション』『保育園・幼稚園deボディパーカッション&リズム遊び』(以上明治図書)他多数。研究テーマは「子どものコミュニケーション能力を高めるリズム身体活動」「ボディパーカッション教育」「特別支援教育」「発達障害支援」。
2005年ボディパーカッション曲「花火」が平成17年度「小学校音楽科教科書」(教育出版)に掲載。
2014年ボディパーカッション曲「手拍子の花束」が平成25年度「特別支援教育用教科書」(文部科学省編集)に掲載。

最近のボディパーカッション教育関連活動
2015年カンボジア教育支援を始め、2018年NHKBSワールドニュースで取り上げられる。
2017、2018年ウイーン国立歌劇場で作品発表。
2019年九州大学、国立音楽大学、広島大学学生合同のカンボジアスタディツアーを実施。
2019年ニューヨークカーネギーホールで作品発表。
2019年NHK「パプリカ」インクルーシブ教育プロジェクト「フーリン楽団」でボディパーカッション指導を行う。
この時、フーリンメンバーや様々なハンディ(聴覚、視覚、発達、ダウン症、自閉スペクトラム、小児がん他)の子どもたちへの指導に関わる。
コロナ禍のため、2020年大阪府立和泉高校の合唱に代わって「校内ボディパーカッションコンクール」を指導する。 

(構成:木村)
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