- 学級経営チェックポイント
- 学級経営
チェックポイント
- 何のために働いているのかを考えてみる
- 自分の成長を実感する
- 選択肢をもっておく
この連載も、今回が最終回となります。これまでも様々な視点で学級経営について書いてきましたが、私は、最強の学級経営とは「担任の先生が日々幸せそうに生きている姿を見せること」だと考えています。
生きていることが幸せであり、未来が幸せであることをその姿で示してくれる存在が身近にいるだけで、子どもたちは希望をもって生活することができます。
何のために働いているのかを考えてみる
自分は何のために教師になったのか、ということを改めて考えてみましょう。子どもたちに感謝の気持ちを言ってもらうためでしょうか。誕生日や終業式にサプライズでパーティーをしてもらうためでしょうか。もちろん、そのようなことが嬉しいのは当然ですし、心が通い合った交流は子どもたち自身の成長にもつながります。
ただ、それがすべてになってしまうと、自分の考えとは合わない子、成長途中でもがき苦しんでいる子へのアプローチが甘くなってしまうことがあります。反発の強い子でも10年後にあなたの言葉の意味を考えてくれるかもしれないですし、反面教師にしながらも別の方向の力を伸ばしてくれるかもしれません。
「隣のクラスの先生の方が人気がある」「叱り役になってしまっている」「子どもたちに感謝されない」など思い悩むことはあったときには、そこが本質ではないことを考えてみるとよいでしょう。すぐに結果が出ていなくても、あなたが担任した子どもたちの心には必ず種が撒かれています。それを想像する視座に立つことも、子どもたちの目標とする姿の一つなのではないでしょうか。
自分の成長を実感する
物事に楽しさを感じるためには、自分の成長が実感できることが重要です。買ったばかりのゲームは楽しいですが、次第に飽きてくるのは「もうこれ以上成長できることはない」と感じるからです。日々の成長を意識しましょう。
成長を毎日思い浮かべるでもよいですが、日記のように文字にしてみるとマイナスの感情も含めて整理することができるのでオススメです。面倒臭さを感じる場合はFacebookやTwitterはどうでしょう。私は、気が向いたときに、Facebookは日記として、Twitterは実践の記録として書いたことで、成長を意識することができました(SNSは使い方によってはネガティブに当たる機会が増やしてしまいます。私は、タイムラインは読まずアウトプット専用で使う、というルールを決めていました)。
また、感謝を意識することも成長の実感につながります。何かに感謝するためには、謙虚さや視野の広さが必要です。理不尽なことを我慢して感謝する、という意味ではなく、自分の感謝したいことの広がりを意識できれば(今までは自分に関するものだけだったものが、家族、他人、世の中などと広がっていく)それがまさに成長ということです。
選択肢をもっておく
一つの道しかないと思うと、追い込まれやすくなってしまいます。例えば、学校でうまくいかなかったとしても、家族や友人、趣味、地域コミュニティーなど様々なところに居場所がある人は心の切り替えがうまくいきやすいです。多忙であることは承知のうえで、それでも学校外にもつながりをつくることを試みてもらいたいです。選択肢が多いほどよいのです。
また、その選択肢の中に、休む、ということもきちんと入れておいてほしいものです。療養休暇、傷病手当給付金の存在は知っていても、「自分が休むなんて」「それをしたら終わりだ」と思っている人は意外と多いです。しかし、病気はいつ誰に襲いかかるかは予測できません。心の風邪についても早めに対処しないと一生付き合うものになってしまう可能性があります。公務員は福利厚生が充実しています。身体や心を壊してまで行うべき仕事はあるでしょうか。
そして、大切なのは病気になる前に、仕事を多くの選択肢をもって行うことです。「これを必ずやらなくちゃ」ということはないですし、何が成長につながるのかわからないのが教育の素敵なところです。気負いすぎず、自分のやりがいや心地のよさを大切にしながら、子どもたちとよりよい時間を過ごせることを願っています。