- 学級経営チェックポイント
- 学級経営
チェックポイント
- 行事の次の日からが「本番」
- シーンとなる時間をつくる
- つられてしまう子を防ぐ
行事の次の日からが「本番」
10月には、運動会をはじめとする行事が多いと思います。行事にはクラスや学年、学校全体の雰囲気を突き動かす力があります。ですから、本番に向けてのモチベーションの高まりで、クラスの問題事も一時的に少なくなっていたかもしれません。
しかし、本番が終わり、その雰囲気がなくなると、一気にクラスが崩れるということが出てきます。目標とするものがなくなることで、隠れていた問題が顕在化してくるのです。
これを防ぐためには、練習のときから常々「行事の次の日からが『本番』である」と強調していくことが大切です。そもそも、教師の広い目線で考えれば、例えば、運動会の練習は運動会本番だけに力を発揮できるように指導しているのではありません。当然、子どもたちは「本番で結果を出したい」という思いがほとんどです。しかし、運動会をはじめとする行事には、子どもたちを劇的に変え得る大きな力があります。だからこそ教師は、子どものそのような気持ちを理解しながら、より広い視点で、運動会の練習が子どもたちの日常や将来を変えることを意識していきたいものです。
子どもたちには「運動会の練習は、本番だけのためではなく、素敵な日常の自分、将来の自分をつくるためにある」「だから、本番の次の日からその学びを生かして、素敵な自分になれるかどうかが本当の勝負だ」ということを繰り返し伝えていきます。そうすれば、運動会が終わっても「終わったからもういいや」ではなく「運動会で得られた力を試す」という目標が生まれ、クラスは乱れづらくなります。運動会で優勝できたからと調子に乗ったり、よい結果が出なくて落ち込みすぎたりということがあれば、それらを想起させることで、考えを修正させていきます。
行事を「よい思い出」で終わらせるのではなく、「先に続くもの」として捉え、根本的な成長を促す効果的な指導を行っていきたいものです。
シーンとなる時間をつくる
行事があると、日常はバタバタとすることが多いです。そこで何となくクラスの雰囲気が落ち着かなくなってしまうと、子ども同士の関係も刺々しくなることがあります。これをリセットするために、意図的にシーンとなる時間をつくるようにしましょう。
行いやすいのは読書の時間です。「静かに」「一人で」「その場に座って」という3つのルールを徹底させることで、静寂の読書時間を確保することができます。子どもたちは本の世界に没頭するだけでなく、せわしない気持ちをリセットすることができます。このような取組も、クラスの荒れを予防するものとして有効になります。
つられてしまう子を防ぐ
問題行動が発生した際に、あまり考えずにつられて行ってしまう子が多いと、クラス全体の荒れにもつながる問題に発展しやすいです。例えば、授業中ふざけている子がいたときに、「何となくつられて僕もふざけてしまいました」「○○くんがやっていたから私も」という子が多くなってしまうとよくないということです。
これを防ぐために事前に「『つられてしまった』という言葉をよく聞くけれど、真面目に行動をしていた人も、ふざけて行動していた人もいたはず。どうしてあえてふざけて行動していた人につられてしまったのだろう。真面目に行動していた人につられなかったのはなぜだろうか」という話をしておきます。
つられてしまうのは「○○くんのせい」ではなく、一人ひとりの問題で、常に自分が責任をもって行動を決めていかなくてはならないことを確認するのです。つられることを言い訳にさせない雰囲気をつくっておくことで、「易きに流れる」を防ぐことができます。