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チェックポイント
- 次学年の0学期
- 優しさ貯金
- 自学ノート
次学年の0学期
冬休みが明けると、今学年最後の3か月が始まります。その最初の月である1月の重要性は高いです。子どもたちには、今まで積み上げてきたことを、見える形にしたり、自信にしたりして、来年度に羽ばたいてもらいたいです。また、ここまでの歩みが平坦でなかったクラスの場合も、1月は新年ということもあり、リスタートのチャンスと捉えていきたいものです。いずれにしろ、子どもたちには一段階ギアを上げてもらい、3月に向かって突き進んでもらうことが理想です。
そのようなギアチェンジのきっかけとしては、「〇年生(次学年)の0学期」というキャッチフレーズが有効です。「3学期」「最後の3か月」とした場合と比べ、未来志向が強くなり、新年で新たに頑張ろうとする子どもたちの気持ちとマッチすることが多いです。
具体的な指導としては、「どんな〇年生(次学年)になりたいかな?」と様々な〇年生像をイメージさせます。「優しい」や「賢い」のように抽象的なものではなくて、「○○の場面で、〇〇できるような…」と具体的な姿が多く出るように声かけをするとよいでしょう。
そして、その中から目標の姿を選べたら、「そのためにさらに伸ばしていきたい長所→行うこと」と「そのために克服していきたい短所→行うこと」をこれもまた具体的に考えていきます。これがそのまま、残り3か月の個人内目標になります。学習と生活に分けて考えてもよいでしょう。ワークシートがあると、より取り組みやすくなります。
優しさ貯金
上記の指導をクラス全体に転用すると、残り3か月で達成したい集団の姿が見えてくるでしょう。学習や集団としての力に対する目標とともに、どんなクラスでも「最後は仲良く、よい思い出をつくりたい」という思いがあるはずです。
その思いを形にするスタートとして、「優しさ貯金」の取組を行ってみるのはどうでしょうか。「優しさ貯金」とは、貯金箱の絵を描いたプリントに、「優しいことをした」「優しいことをされた」際にそのことを書き、シールを貼っていくというものです。
全体で行う方法と個人で行う方法がありますが、この時期は個人で行うことがお勧めです。個人で行うことで、自分に対して優しくしてもらったり、自分が優しくできたことがはっきりと可視化されます。自己肯定感が高まり、合わせて具体的な仲間の大切さを再認識できるのです。逆にクラス立ち上げの時期には、全体で行うことで、新しい集団の素敵さを感じることができます。
自学ノート
以上のように次年度に向けて、仲間と楽しく過ごせる素地をつくっていくことは大切です。一方で「一人でがんばれる力」もつけさせたいものです。そのためには、自学ノートの取組を本格化させたいものです。
自学ノートの活動を見直したり、新たに始めたりするのは、6年生以外では1月が最適であると思っています。残り3か月しかないので集中できたり、行事も多くないのでじっくり取り組めたりするのです。まだ、取り組まれていないクラスは、ここで始めてみるのもよいかもしれません。
お勧めなのは、1ページの真ん中に定規で線を引かせて、「学校学習コーナー」と「お家学習コーナー」に分けること。「学校学習コーナー」では、漢字や計算など反復が必要な学校で学習したことを練習します。予習や学習のまとめなどもよいでしょう。「お家学習コーナー」では、自由に自分が学習したいことをまとめます。ただ、この「自由」が難しく、「自由でいいですよ」だけでは決して自学ができるようにはなりません。多くの選択肢と具体的な事例が必要です。お勧めの活動をできるだけ多く伝えたり、上手な子のノートを共有したりして、この3か月で自学のレベルが高まるような刺激を存分に与えていきたいものです。