9月から10月にかけては「○○の秋」と言われるほど、スポーツにも文化的な行事にもやる気がみなぎる頃です。
夏休み明けの第2の出会いの時期を無事に超えたクラスは、さらなる活動に向けて充実した活動が展開されます。当然、人間関係についても信頼感が増し、様々な活動に取り組むことが出来るようになります。
学級の荒れが突出して起こる11月(11月危機)は、この第2の出会いの時期に教師や友達とうまく関係を築くことができずに起こるのではないかとも言われています。
自分なりに努力し取り組んできたことに対して、得られる心のエネルギー(賞賛・満足感等)があれば、多少の不安や不満は自力で解決出来るようになるだろうと思います。友だちのよさを確かめたり、語ったりすることを通して、互いに共感的に理解し合い、不安な気持ちを減らすことが大切なポイントになると思います。
エンカウンターの定番エクササイズと言われている自己肯定感を高める活動を体験することで「シェア(心情面での振り返り)」し合い、心理的気づきが得られる取り組み例を紹介します。
自分や友達のよさに気づく「よいところメッセージ」
1ねらい
友達のよさを見つけてメッセージをプレゼントすることで、自分がどのように見られているかを知り、自己の存在感を実感することができる。
2活動Ⅰ <シェア(心情面での振り返り)>肯定的メッセージと意識のずれの確認
問題の意識化
※「友達に言われてうれしかったこと」を振り返り、どんな言葉で、どんな気持ちになったかを紹介する。
①優しい→うれしい、明るい→にこっ、楽しい→いっしょにいたくなる、まじめ→このままでいこう、えがお→ホッとする、がんばりや→認めてくれる、字がていねい→またがんばる、等
※最近はどのくらい言ったり、言われたりしているかを確かめる(挙手)。
②言われる側…あまり多くない、言う側…多い。この差異から、言っているつもりだけど伝わらないという意識のずれを確認し、互いにもらって嬉しいよいところメッセージを伝え合うことを確認する。
3活動Ⅱ 「ペアになって伝え合い」
ペアになり、相手の人の「よいところ」を1人に3つずつ考え、伝えあう。
※「私の思うAさんのよいところは①言葉がていねい、②助けてくれる、③優しいです。」「ありがとう。」のように伝え合い、2人とも終わったら、言ってもらった感想を互いに語る。
※表面的なよさだけでなく、内面的なよさにも触れるように促すとよい。
4 活動Ⅲ <グループ内での伝え合い> 「生活グループで他己紹介」
グループ内での伝え合い
①ペア同士でのやりとりから、相手から言ってもらった3つの言葉と、言われた時の気持ちを、グループの他のメンバーに1分ずつで紹介する。
②ペアにならなかったグループの他のメンバーとも「よいところメッセージ」を伝え合う。
※伝え合うときは、言われる側の友達に正対(言われる人に対して扇型に座るように指示するとよい)して、はっきりした言葉で伝える。また、同じ言葉を同じグループの他のメンバーに伝えてもよいことを確認し、伝える。
5 振り返り
- 「よいところメッセージ」をやって気づいたこと、感じたこと、思ったことなどをグループで振り返る。
※友達に伝えた言葉から、人にはそれぞれよいところがあることを確認し、自分自身にもよいところがあることを確認する。
今回の「よいところメッセージ」は、定番のエクササイズと言われていますが、低学年を意識していますので、3つの言葉(キーワード)にして紹介しました。ある程度定期的に心のエネルギーを充電してあげることが大切であると思います。
学級の荒れが多いとされる11月の予防のためにもお勧めです。
低学年を意識していますが、活動Ⅱ・Ⅲの条件を「思いついた言葉を伝える」「手紙やワークシートに書く」にするなどして中・高学年でも実施できる内容であると思います。

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- ゆう坊
- 2012/9/27 9:29:18
ゆう坊@鳥取と申します。大学3年生で、教師を目指しています。毎回勉強させていただいています。ゼミでも話題になっています。これからも楽しみにしています。 -
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- non
- 2012/9/30 17:15:13
新潟の小学校教師nonといいます。先生のエンカウンターの本は分かりやすくすごく使いやすいです。このエクササイズも使わせていただきます。