- 学級レク&アイスブレイク事典
- 学級経営
5月に入り、少しずつ学級が集団として機能している姿が見られるようになるころでしょう。しかし、ゴールデンウィーク明けはいったん学級の流れが停滞しがちになります。そこで、体をめいっぱい動かしながら、学級の友達と関わり合うレクをご紹介します。
ただし、まだまだ学級としてスタートしたばかりですから、ゲーム的な要素が強いものを取り入れると勝敗にこだわりすぎてしまう子もいます。そこで、「勝っても負けてもみんなで取り組むから面白い」というレクにするのがよいでしょう。
さて、連載も今回で最終回となります。さまざまなネタをこの場を借りてお伝えしてきましたが、ひとつでもみなさんの学級づくりの一助になっていれば幸いです。また、第10回までは私が担任している学級の子どもたちにも登場してもらいながらの連載でしたが、彼らは卒業間近までこれらのレクを互いの関係性の向上につなげていました。長くなりましたが、一年間のご愛読ありがとうございました。いつかまたお目にかかりましょう!
この活動で得られる最大の効果は……これだ!!
○みんなで体をめいっぱい動かすことで、連休明け(休み明け)の停滞感を打ち破ることができる!
レク1 ねことねずみ
対象学年:全学年時間:5分準備物:なし
活動の手順
- まずは2列に並びます。片方の列を「ねこ」、もう片方の列を「ねずみ」とします。また、隣同士を向かい合わせ、お互いがペアであることを確認させます。
- お互いにAのラインまで下がらせます。
- 先生がかけ声を出します。「ねこ」と言われたら、「ねこ」が「ねずみ」を追いかけます。このとき、追いかけるのは自分とペアになった「ねずみ」の子です。「ねずみ」の子はBのラインまで逃げます。また、「ねずみ」と言われたら、「ねずみ」が「ねこ」を追いかけます。もちろん追いかけるのは自分とペアになった「ねこ」の子です。
- 同じやり方で何回か繰り返します。
【ルール】
○自分が何回相手をタッチしたか、何回タッチされたかで競うよりも、追いかけたり追いかけられたり、捕まえたり逃げられたりを楽しむものです。
○タッチするときに相手を押してはいけません。
活動のポイント
- ラインAはねことねずみの間を3メートルくらい離したところに引きます。ラインBは、ねことねずみのラインAからさらに7メートルほど離したところに引きましょう。
- 勝ち負けよりもルールにしたがって楽しむことが大切ですから、必ずしも走力に応じてペアを組ませないといけないわけではありません。状況に応じて判断してください。
- 校庭で行うときは、簡単に足でラインを引いたりマーカーを置いたりして対応します。
- かけ声は、いきなり「ねこ!」などと言うのではなく「ね〜ね〜ね〜ね〜ねこ!」のように“ためて”言います。いきなり声のトーンを大きくしたり、「ねえさん!」「ねんど!」のようにフェイクを入れたりすると引っかかる子がいて盛り上がります。
レク2 地引き網
対象学年:全学年時間:10分準備物:なし
活動の手順
- 漁師役を3人、残りを魚役にします。漁師役の子が鬼の役目をします。
- 漁師役と魚役を互いに向かい合わせます。漁師役と魚役の子の距離は10メートル以内にしておきます。
- 漁師役の子が「網をうったぞ〜!」と叫びます。そうしたら、魚役の子は、漁師役の子の間をすりぬけて、反対側のラインまで走ります。
- 次は、反対側からスタートです。同じように「網をうったぞ〜!」の後に魚役の子は漁師役の子の間をすりぬけます。
- 同じことをもう1往復繰り返します。
【ルール】
○漁師役の子は、前後には動けません。左右にのみ動いて魚役の子をつかまえます。
○魚役の子は、何とかして網(漁師役の子)をくぐりぬけるように逃げます。「網をうったぞ〜!」の後、30秒の時間を設定します。その制限時間内に網を抜けられればいいので、すぐに走り出さなくてもよしとします。
○漁師役にタッチされた魚役の子は、漁師役になります。つまり、だんだんとぬけるのが難しくなります。
活動のポイント
- 最後までつかまらなかった魚役の子に拍手をおくります。もう1ゲームやるのであれば、つかまらなかった子の中から漁師役を選んでもいいでしょう。
- 教師の実況中継も盛り上がるポイントです。(先陣をきる子、誰かを身代わりにして自分は逃げようとする子、さまざまな姿が見られて面白いです。)
やのべ‘sEYE
- 今回紹介したレクは、体育館や校庭で行いましょう。体育の時間などの前半に行ってみても楽しいですよ。また、紅白帽子をかぶらせることで、どちらのグループかを確認しやすくなります。
- 【ねことねずみ】は、「ねこ」と「ねずみ」だけでなく、「たい」と「たこ」、「さけ」と「さめ」のように、似ている言葉で音数が近いか同じであればどんな言葉でもできます。
- 【地引き網】は漁師役の子が多くなるとなかなか魚は逃げられなくなります。無理やり通り抜けてケガをすることがないように事前に指導しておきましょう。