著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
教育ブログ−あなたも始めてみませんか?
金沢大学教育学部教育実践総合センター助教授中川 一史
2006/6/9 掲載
 今回は、新刊『すぐできる!教育ブログ活用入門』の編者である中川先生にブログの魅力について伺いました。

中川 一史なかがわ ひとし

※中川先生のホームページにリンクしています。
金沢大学教育学部教育実践総合センター助教授。1959年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒業後、横浜市の小学校教師 、教育委員会を経て1999年より現職。専門領域は教育工学、情報教育。文部科学省の各種委員やNHKの学校放送番組の開発等の研究に従事。D-project(デジタル表現研究会)会長、IT活用実践研究「中川塾」塾長。

―本書は教師向けのブログ活用の入門書になっています。
 一口に活用と言うといろいろな場面が考えられますが、本書はどのあたりに重点を置いた内容になっているのでしょうか?

 「今、ブログが話題になっているし、はじめた学校や先生もちらほらいる。しかし、どうやっていいのかわからないし、何ができるのかもわからない。」そういう話をこの1年くらいたくさんの学校や先生から聞きました。それらの方々の要望にこたえたのが本書です。ですので、これからはじめようとする方、興味のある方には、参考になることが満載です。

―中川先生ご自身もブログを開設されていますが、ブログの醍醐味を一言で表すとどのようなことが言えますか?

 それこそ、著書の中に書いているんですが、私が発信しているブログは日記というよりは、雑誌のプチ連載と言った方が近いかもしれません。一番のポイントは読者も反応できることです。これまでの雑誌での発信とはちがい、一方通行で終わりません。ここからあらたな共同の研究にむすびつくこともあるのです。ぜひ一度ご覧ください。(www.hitorin.com

―先生は、教育界でブログにはどのような利用価値があると考えていますか?

 これまでは、ワープロくらいしかパソコンを使わない多くの先生方にとって、発信をすることの技術的な壁が高かったのが実情です。そのため、学校からの発信にしても、結局、パソコン操作の得意な一部の先生が行っていました。ブログでは、ワープロがうてる人なら誰でも発信できるわけです。子どもたちの発信の場も保護者の発信の場も増えました。学校の情報発信はじめ、クラスの情報発信また、校内の子どもたちの学習の記録・評価、また教師間の情報交換等にも活用でき、その可能性は無限に広がりました。

―中川先生は中川塾の塾長としてIT活用実践研究をされているそうですが、そこではどんな研究をされているのですか?
 また、今後、教育界でITはどのように活用されることが望ましいと思われますか?

 ITの活用は、ただITを使えばよいというのではなく、よりよい授業になるために活用するわけです。そのへんをしっかり若手の教師におさえてほしいという思いから中川塾を開設しました。そして、そのことは一般の教師にも言えることです。しかし、一方で、パソコンは教室にも置かれるようになり、また、教師一人1台のパソコンが教育委員会から支給されるようになっていくと思います。
 日常的に気軽に使えることが望ましいと思います。

―ブログを始めようとする先生、またブログにおけるステップアップを図りたい先生それぞれにアドバイスをお願いします。

 ブログはこれまでよりも情報発信しやすいツールです。お遊びでもいいので、試してみることをおすすめします。使ってみると、クラスの運営や授業の仕方などをふりかえる機会になることに気がつくと思います。また、あらたなヒューマンネットワークも築けます。まずは発信してみてはいかがでしょうか。そこからあらたな展開がはじまります。ブログに限ったことではありませんが、教師がチャレンジャーであることが重要であると私は思います。

(構成:真鍋)

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