- 著者インタビュー
- 特別活動
答申の際には、小1プロブレムや中1ギャップなどの適応に関する課題が背景にあり、子どもたちが人間関係を形成する能力が不足していること、自己肯定感や自尊感情が低い子、ルールや規律を守れない自己中心的な言動が多い子等の背景があるからだと思います。
エンカウンターをはじめとする心と心の交流を促進できるような取り組みでは、より実感をもって「友達とのかかわり」「集団で生活するかかわり」が身に付けられるようになります。また、トラブル場面を再現した適応指導を意図的・計画的に取り入れていくことで、生活課題に即応した課題解決や合意形成の基礎づくりの効果が期待できます。
すべてお勧めですが、個→グループ→クラス集団を意識すると、次のものが挙げられます。
低学年では、2年生の3月に「係さん、ありがとう」という係の活動を通して、個人での気づきを活かした相手へのプラスストローク(肯定的なメッセージ)を伝え合うエクササイズがお勧めです。
中学年では、4年生の6月に「大切なあなた」というグループのメンバーへのいいところが伝わる、「言葉のプレゼント」のエクササイズ、高学年では、5年生の2月の「みんなの『喜怒(努)哀(愛)楽』〜みんなの心の体温は?〜」というエクササイズでクラスの出来事を振り返り、その後の活動に活かすきっかけにするエクササイズがお勧めです。
直接的な規範やストレス解消等のかかわり方を学ぶ社会的スキルを身に付けさせることと同時に、ストレスをうまく自分で解消できるような周囲からの肯定的なメッセージ(心のエネルギーが充足できる)を伝え合うことが大切なポイントになると思います。
「なす事によって学ぶ」“特活の心”を今後も大切にしていただきたいことと、子どもの実態に即した活動の展開を工夫することで、共に子ども達の笑顔を大切にしていきましょう。