著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
楽しく英語力が身につく、カルタ活動の極意
稚内市立稚内東中学校教諭西林 慶武
2011/6/27 掲載

西林 慶武にしばやし みちたけ

稚内市立稚内東中学校教諭
平成16年、英語教育達人セミナーで、谷口幸夫氏及び高椋勇一氏と出会う。セミナーで講師を行うとともに、英語教育法について研修し、達人たちの技を授業及び「稚内めざせ達人セミナー」で活用している。楽しく力のつく英語授業づくりに力を注いでいきたいと日常を大切に活動を行っている。主な著書に、『目指せ!英語授業の達人12 授業が変わる! 最強の英語ペアワーク&グループワーク25(明治図書)がある。

―西林先生が英語の授業でカルタを取り入れようと思ったきっかけはどんなことですか?

 北海道にある礼文島で教員生活を始めた頃に、生徒が熱心に取り組む「下の句カルタ」から英語カルタの発想を得ました。取り入れ始めた頃は、英語が苦手な生徒もとにかく楽しそうに取り組んでくれる姿に満足していましたが、だんだん楽しみながらも力のつく活動にできないものかと試行錯誤するようになり、本書でご紹介したように活動の種類やバリエーションが増えていきました。

―本書にはさまざまなカルタが紹介されていますが、それらは英語の授業のどのような場面で使えるものですか?

 一番オーソドックスな活用場面は、ウォーミングアップの時間に帯学習的に繰り返し行うことだと思います。「フォニックス」や「代名詞」、「動詞の不規則変化」など、繰り返し学習することで覚える活動をカルタやゲームで行えば、飽きずに楽しく覚えられます。もちろん、これらのカルタを使った楽しいゲームは、小学校外国語活動でも十分に活用できます。学習した内容を「聞く」「読む」「話す」などの活動と一緒に行えば、雰囲気作りはもちろん、学習内容の確認として行うことも可能です。

―カルタを使った授業は、子ども同士の仲間作りにもつながっていくようですが、学級経営上のメリットについて教えてください。

 カルタは、読み手や一緒に活動する仲間がいないと盛り上がりません。ですから、先生はもちろん、学級の仲間一人ひとりがお互いに大切な存在となります。また、カルタは練習をした分だけ、反応が早くなりますので、仲間と競い合いながらお互いが力をつけていけます。自然と盛り上がり、楽しく活動できるのがカルタの魅力の1つですので、カルタを通じて学級の雰囲気が明るくなること請け合いです!

―カルタは活動に時間がかかるのでは…とも思うのですが、授業で効果的に使うポイントは何でしょうか?

 全員がカルタの札を見つけるのを待つと、時間がかかることもありますが、リズムなどに合わせてテンポよく行えば、活動がダレません。最初は教師のテンポについていくのに苦労する生徒たちも、慣れてくれば集中して取り組むという効果も生まれます。いろいろなバリエーションで行えば、5分程度で、集中力、英語力、さらにクラスの雰囲気も高められ、1粒でいくつも美味しい活動になります。

―全国で英語を教える小・中学校の先生へのメッセージをお願いします!

 最初は、授業中、眠そうな生徒を、何とか授業に参加させたいと思って始めたカルタですが、様々なバリエーションで行ううちに、どの生徒も目を輝かせて取り組み、自然と英語力をつけていくようになりました。確かにカルタの準備は多少煩雑ですが、本書に添付したCD-ROMを活用していただければ、あっという間にカルタが作れます。紹介させていただいた活動が、全国の熱意をお持ちの先生方のお役に立ち、楽しくて力のつく「楽習」のお手伝いになれば、これほど嬉しいことはありません。

(構成:木山)

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