著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
フォニックスで、クラス全員に自分で英単語が読める感動体験を!
愛媛県八幡浜市立八代中学校武田 千代城
2011/8/22 掲載

武田 千代城たけだ ちよき

愛媛県八幡浜市立八代中学校教諭
1960年愛媛県生まれ。1982年、徳島大学教育学部中学校英語科卒業。2000年、愛媛大学大学院英語教育専修修了。「全国英語教育学会」、「全国語学教育学会」、「大学英語教育学会」、「日本英語音声学会」会員。2008年に英語音声学者(Phonetician of EPSJ)の認定を受ける。「発音記号の指導を取り入れた中学校の英語教育実践」で2008年度ELEC賞受賞。フォニックスに関する論文およびプレゼン多数。教職経験29年。

―先生が英語の授業で取り入れているフォニックスとは、そもそもどのようなものなのでしょうか。

 ひらがなの読み方(音)を覚えたら、ひらがなで書かれたものなら何でも読めますね。これとちょうど同じように、英語もアルファベットの文字の音を覚えたら、英単語が読めるのです。これがフォニックスの原理です。つまり、フォニックスとは英語の文字の音を学んで、それをつないで英単語を読んでいく学習法(「音読み学習法」)のことです。

―中学校英語でフォニックス指導を行うメリットにはどのようなことがあげられますか。

 フォニックスを授業に取り入れるメリットはたくさんありますが、主なものは以下のとおりです。

  • 発音指導は徹底して行うので、発音が良くなると同時に英語の発音に自信を持つようになる。
  • “ワード・アタック・スキル”が身に付いて未知の単語が自分の力で読めるようになる。
  • 文字を見れば読めるし、音を聞けば文字が頭に浮かぶようになるので「カタカナ発音」や「単語の丸暗記」をしなくてもよくなる。
  • 英語の好きな生徒が増え、「英語嫌い」や「英語の落ちこぼれ」が減る。

―生徒が正しい発音を身につけられるよう、様々な工夫があるようですが、本書で紹介されているフォニックスワークはどのような内容で構成されているのでしょうか。

 各ワークシートともに

@「(その文字が表す)音の作り方」
A「(その文字をつづりに持つ)単語の当て読み練習」
B「音の聞き分けクイズ」

の3つの内容で構成され、この順に学習していきます。まず、@については、“発音のコツ”と共に楽しく学ばせます。次のAについては、文字の音をつないで未知の単語を自分の力で音読する練習をさせます。最後のBについては、よく似た音を聞き分け、さらに言い分ける訓練をさせます。

―小学校で外国語活動が必修となり、中学校にはこれまで以上に英語に慣れ親しんだ子どもたちが入学してきます。そんな中、中学校の英語教師が指導すべきことはどんなことだとお考えになりますか。

 小学校で少しずつ馴染んできた英語の音を文字と結びつける指導がこれまで以上に大切になります。このことは来年度から実施される中学校の新学習指導要領にも明記されています。しかし、現実には中学校へ入ってきた新入生の約40%が、4月の文字の導入段階で音と文字がうまく結びつかず、英語嫌いになると言われています。フォニックスを導入してこの危機をスムーズに乗り越えさせることは我々英語教師の使命だと思っています。

―最後に、全国の中学校で英語を教える先生方にメッセージをお願いします。

 中学1年生が高校生や大学生レベルの単語をものおじすることなく自信を持って正しく発音する姿には本当に圧倒されます。これは毎回生徒たちにとってもちょっとした感動体験となっています。この感激を皆さんや皆さんの生徒たちにも味わってほしいのです。今すぐ本書を購入され、明日から実践されることを願っています。

(構成:木山)
コメントの一覧
1件あります。
    • 1
    • 上甲愛美
    • 2012/7/12 11:33:59
    先生元気ですか?
    英語全くわかりませんよ!
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