- 著者インタビュー
- 評価・指導要録
中嶋先生:“事実に即して間違いなく記入すること”が何よりも大切で、児童氏名や保護者名、住所、入学の日付や卒業の日付など、あらゆる項目について正確に記入しなければなりません。ですから、正確な資料や観察、判断に基づく必要があります。指導要録は、他の子どもとの比較を書き残すものではなく、あくまでも本人の“生きてきた証し”を残すものなのです。
中嶋先生:通知表は、担任する子どもの様子を保護者に通知するための文書です。したがって、子どもの長所、進歩したこと、努力したことなど、優れている点や生活上のよい点を主に記述していきます。これは、子どもの称賛とさらなる努力を促すものになります。また、保護者への通知ですから、文体としては敬体が適しています。一方、指導要録は敬体で書く必要はありません。また、先にも述べたとおり、すべてにわたって事実のみを正確かつ具体的に記入することが何よりも大切です。
田代先生:本書の文例を参考にしつつも、あくまで教室の子どもの様子を事実に基づいて記述してください。日常から、子どものよさや努力すべき事柄について、メモ書きや備忘録を作成し、記録の積み重ねを基に記述していくようにします。“この子はこの文例”“あの子はあの文例”などと当てはめて記述するのは避けたいものです。
田代先生:電子化に伴って注意することとして、まず、文章や単語の変換ミスをしない、ということがあげられます。また、作成作業は学校内で、指定されたパソコンを使って行うようにしてください。子どもの個人情報を持ち歩くことは、情報漏洩の服務事故につながりますので、絶対に避けてください。
田代先生:子どもの学習活動や学校での生活、学校外での活動の状況などを日常からつぶさに把握しておくことが大切です。そのためには、個人の状況を書き留める備忘録などをつくっておくのがよいと思います。“記憶より記録”をモットーに、テスト中や給食の時間等を有効に活用して、記録を積み重ねていってください。また、常にその子のよさとさらなる向上を願って指導していく気持ちと態度を大切にしてください。指導要録作成は手段であって、目的ではありません。“子どもを伸ばす”という視点を忘れないでください。