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「スピリチュアルな価値観」とは「目に見えない、大いなるものとのつながりがあることに気付き、人生に意味と目的を見いだせるようになる価値観」です。これは、国連の世界保健機関(WHO)の定義をもとにしています。
「スピリチュアルな価値観」を育てれば、子どもは、自分の生きている意味を確信し、人生を前向きに生きていくことができるようになります。つまり、「スピリチュアルな価値観」を育てることは、中学生の心・人格・生き方を育てる基盤なのです。これを育てない手は、ありません。
「スピリチュアルな価値観」を育てれば、「子どもの自殺心理」をかなり解消していくことができます。ですから、「スピリチュアルな価値観」を育てることが「自殺予防教育」につながっていくのです。
「子どもの自殺心理」とは何でしょうか? 文部科学省『教師が知っておきたい 子どもの自殺予防』(2009)では、以下の5つの共通点を挙げています。「ひどい孤立感」「無価値感」「強い怒り」「苦しみが永遠に続くという思いこみ」「心理的視野狭窄」の5点です。
「読み物資料」を読むことに加えて、さまざまな「エクササイズ」を生徒が体験することによって、生徒の「スピリチュアルな価値観」を育てることができます。なぜなら、「スピリチュアルな価値観」は合理的な説明によって教えられるものではないからです。体験活動が欠かせないのです。
また、「生徒が楽しいと思える道徳授業」を作っていくためにも、「生徒が生き生きと活動できるエクササイズ」を取り入れています。
「書く活動」は意図的に取り入れています。なぜなら、読み物資料を読んでエクササイズを体験した後や、他生徒とのシェアリングの後に、生徒一人ひとりに「ワークシートへの記入(ふりかえり活動)」をさせることで、生徒の「スピリチュアルな価値観」を深めていくことができるからです。
また、ワークシートを用いる際のポイントは生徒に自由に表現させるということです。つまり、「自分が気付いたことや感じたことを自由に書いてください」と指示します。
「スピリチュアルな価値観を育てる道徳教育」にチャレンジするか、しないかで大きな違いが生まれます。「スピリチュアルな価値観を育てる道徳授業」を推進していけば、教師は「子どもたちの澄んだ瞳と素晴らしい感性」に出会うことができます。そして、そこで教師自身も自らの品性・道徳性・スピリチュアリティを向上させていくことができるのです。
子どもたちに「気高い心」「崇高な精神性」を育てたいとお考えの先生に、これまでの道徳授業にどこか物足りなさを感じていた先生に、他の先生とはひと味違う教師を目指す先生に、本書をぜひ読んでいただきたいと思います。