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五つのポイントは、以下の通りです。
- 年間を見通せるノートになっているか?
- つけたい力を目に見える形にするノートになっているか?
- 子どもの状況にふさわしいノートになっているか?
- 「伝え合い」の過程が記録されたノートになっているか?
- つけた力を目に見える形にするノートになっているか?
これらは“よりよい授業づくりを行うための”五つのポイントなのです。1は「年間を通して力をつける」ということを意識することを求めています。2は教師にとっての「つけたい力」であり5と関係します。3は子どもの状況に応じたステップの必要性を述べています。4は「学習集団」を生かした学びの成果が尊重されるべきであるということです。5は「ついた力」を子ども自身が自覚(メタ認知)することの重要性の指摘です。
取り上げた「ノート例」は実際の授業実践から生み出されたものです。それだけに、個性的なノートになっています。その「個性」を生かしながら、多くの教師と共有できる観点を「指導過程」として書き添えてみました。先生方、どうぞこの「ノート例」「指導過程」を参考にして、授業をしてください。実践される先生方の個性が反映されたノートがたくさん生み出されるはずです。個性的なノートを生み出すこと、これを実現していただくのが最大のねらいなのです。
「ついた力」を子ども自身が見取りやすくするためには、「ワザ表」が効果的です。本書では、その「ワザ表」をいくつか紹介しました。子どもたちの感想や伝え合いメッセージから、「言葉のワザ」を引き出し、作成します(本書24ページ、38ページに該当)。ですので、学級ごとに異なった「学級文化」の表れた「ワザ表」になります。教師が押しつけたものではない、自分たちが見つけた「言葉のワザ」であれば、子どもたちは活用してくれます。「ワザ表」をノートに貼って活用すると良いでしょう。
【お悩みその1】
どうしても板書を写すだけのノートになってしまいます
→板書はあくまで学びの指針を示すものです。ノートはその指針に従って「思考力・判断力・表現力」を発揮する土俵です。例えば、「どんな学習をしたいか子どもから引き出す」という視点で授業を組み立ててみてください。詳しくは、本書119ページをご覧ください。
【お悩みその2】
「つけたい力」から「つけた力」へのつなぎの方法がわかりません
→まず、教師が「つけたい力」を示します。そして、子ども本人に“言葉で振り返らせる”ことが大切です。あらかじめ「つけたい力」をもとにした振り返り欄を設け、その「つけたい力」を参考に、子ども自身が「つけた力」を書くようにすれば良いでしょう。詳細は、「この単元でどんな力を身につけたかを書く」(本書124ページ)をご覧ください。
実は、この本を執筆した先生方のノート指導が大きく変わりました。実際のノートや原稿に触れることにより、「ノートづくり」の基本に立ち返っていったのです。例えば、「めあてをもっとわかりやすいものに」、「つけたい力を明確に示す」、「伝え合いの過程がわかるように記入させる」、「つけた力を子ども自身に書かせる」などのことです。若手・ベテラン問わず、やはり「基本に戻る」ことが重要なのですね。