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伝統的な言語文化の授業を生き生きとした楽しいものにすることが大切です。そのためには、授業に個別化・活動化・協同化・創造化・発展化という活性化の要素(本書9ページ参照)を組み合わせて取り入れたいと思います。それに合わせて、お話大会・再話・ストーリーテリング(話すこと・聞くこと)、シナリオ作り・紙芝居・新聞作り(書くこと)、音読・朗読・群読(読むこと)などの言語活動を適宜組み入れるとよいと思います。
言語活動は、伝統的な言語文化の授業を活性化させ、主体的な学びを引き出します。また、学んだことを身についたものにし、活用する力を育てます。それを効果的にするためには、言語活動を通して、伝統的な言語文化に関する理解の深化と、自ら学ぶための技能の育成について、確かな見通しを持って授業をする必要があります。
伝統的な言語文化の授業は、小学校低学年から始まります。そのメリットは、これから伸びていく柔らかな心と感性に働きかけ、個々の児童の中に、伝統的な言語文化への親しみを形成できることです。それは、伝統的な言語文化を継承・発展するための核になると思います。それだけに、児童の心をとらえる授業作りが重要になります。
私たちを育てるものに、地域に根ざして働く伝統的な文化があります。私たちは、地域に根付く文化を創造するとともに、文化に育てられてきました。教材マップは、そのような地域の伝統的な言語文化を知るための入り口となるものです。さらに地域教材を発掘し、教材化して授業を充実させて欲しく思います。
授業を豊かに活性化させ、生き生きと楽しく学ぶことをとおして児童が伝統的な言語文化に慣れ、親しむようにしていただきたいと思います。そのためにも、理論と30の具体的な実践例を納めた本書が、皆様の授業作りの参考になれば幸いです。