著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
100の格言で、クラスと授業が必ず変わる!
私立暁星小学校教諭安次嶺 隆幸
2012/12/27 掲載
 今回は安次嶺隆幸先生に、新刊『世界一のクラスをつくる100の格言』『世界一の授業をつくる100の格言』について伺いました。

安次嶺 隆幸あじみね たかゆき

私立暁星小学校教諭。
公益社団法人日本将棋連盟学校教育アドバイザー。私学教育研究会(あいすの会)主宰。若手教育格言サークル「あったか会」代表。
「子ども達とともに(私の教育格言集)」のテーマで、「フューチャー・ドリーム☆子どもサポート研究所」等、富山、神戸、名古屋、東京、埼玉、横浜など全国各地で講演、発表、セミナーを行う。
また、将棋では、中学1年のとき、第1回中学生名人戦出場。その後、プロの剣持八段の門下生として弟子入り、中高と奨励会を受験。将棋の英春流アマ強豪の鈴木英春氏の直門弟子でもある。現在、公益社団法人日本将棋連盟の学校教育アドバイザーとして、各地で「子ども将棋教室」をボランティアで開催。学校教育への将棋の教育的意義を提唱。

―本書には学級や授業づくりに役立つ「格言」がたくさん紹介されていますが、先生ご自身がこのような格言を書きとめるようになったきっかけは何ですか?

 今から28年前の新任の時、「自分が教師として果たしてやっていけるだろうか?」と悩んだ日々…。失敗の連続でしたが、そんな中でもちょっとした子どもが集中した瞬間、自分の言葉が一瞬でも子ども達に届いた時がありました。そんな瞬間を録音し、メモに残したのが本書でも紹介した「自分格言」の始まりです。

―先生は子ども達へのしつけを大切にしていらっしゃいますが、その部分をしっかり行うことで、子ども達にどのような変化がありますか?

 今の子ども達に一番不足しているのは「中断する力」「切り替える力」だと思うのです。たとえば、授業前の挨拶です。この「起立、気をつけ、礼」。これには様々な意義があると思うのですが、一番肝心なのは「今やっていることを直ちにやめること」なのです。これは「あとちょっと待って…」いう甘えた気持ちを切り取るという勇気にも通じるのです。実はこれが教室の空気を変えるのです。

―子ども達が世界一のクラス、授業だと思えるようにするために一番必要なことは何だと先生はお考えになりますか?

 私は将棋のプロ棋士にはなれませんでしたが、その弟子入りで学んだことが教師の土台になっているかもしれません。あの対局室の静寂な空間=「空気のドーナツ」を教室で子ども達に実体験して欲しいという願いがありました。子ども達はこの静寂な中での授業を体験することでみんなでこれを守ろうとします。子ども達が「自分の教室を世界一だ」と感じたら素晴らしいですよね!

―先生が取り入れている「将棋メソッド」。これは簡単に言うとどのようなもので、どんな効果があるのでしょうか?

 拙著『子どもが激変する将棋メソッド』を出版した後、各教育関係者の方から多くの反響を頂きました。上記の「空気のドーナツ」もそうですが、自ら考える「思考力」、着手する「決断力」、そして負けを自ら宣言する「負けましたという勇気」。そして、感想戦(反省会)で「自らの気持ちを折りたたむ」「ふり返ること」が将棋メソッドと言い換えることができるでしょうか。授業にも、教師の1日にも気持ちを折りたたむ「ゆとり」がないのだと思います。

―最後に、全国の先生方に一言メッセージをお願いします!

 今でも「教師をやめようか…」と考える時があります。そんな悩みの中の格言でも、書き綴ってきたことで少しの光が見えてきました。ぜひ、短い言葉で「自分格言」を書いてみてください。そして隣の先生に見てもらってください。お互いの格言を共有していく時間「ゆとり」を生み出すことが「勇気と元気」を生み出すと信じています。ぜひ、お茶とお菓子を食べながら本書を読んでください。(笑)

(構成:木山)
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