著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
エピソード+価値づけで、学びの道筋を示そう
北海道河東郡上士幌町立上士幌中学校教諭石川 晋
2013/4/3 掲載
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  • 教師力・仕事術
 今回は石川晋先生に、新刊『石川 晋―エピソードで語る教師力の極意』について伺いました。

石川 晋いしかわ しん

北海道河東郡上士幌町立上士幌中学校教諭。
1967年生まれ(北海道旭川市出身)、1989年北海道教育大学旭川校卒業。2003年同修士課程修了。2009年河東郡上士幌町立上士幌中学校赴任。
主な著書に、『「対話」がクラスにあふれる!国語授業・言語活動アイデア42』 『学び合うクラスをつくる!「教室読み聞かせ」読書活動アイデア38』(以上、明治図書)、『学級通信を出しつづけるための10のコツと50のネタ』(学事出版)、『中学校学級担任のためのポジティブコミュニケーションカード』(民衆社)、『中学校国語科学習ゲーム〜授業づくりの活性化につながる体験的な学び〜(DVD)』(ジャパンライム)、明日の教室DVDシリーズ第14弾「文学の授業〜読む・解く・書く〜」(Kaya)などがある。
ブログ:すぽんじのこころ http://suponjinokokoro.blog112.fc2.com/

―本書は、「エピソードで語る教師力の極意」シリーズの1冊で、石川先生の教師人生を支えてきた方法や発想を、具体的なエピソードをまじえて語っていただく書籍になっています。まず、先生にとっての「教師力」とはどのようなものでしょうか。

 教師力とは視点によって様々な捉え方のできるものと考えます。今、教育の世界でも成果主義とそれに伴う断定的なもの言いが増えているわけです。でも、「これです」というような簡単解決主義に陥らない、「多様で具体的なエピソード集め」+自分なりの価値づけによって、ぼんやりと浮かび上がってくるようなものと真剣に向き合うというアプローチが必要だろうと考えます。
 この本は、すぐに答えの欲しい人には多分役立ちません(笑)。

―Q1で先生があげられた教師力を身につけていくには、どういったことが大切と思われますでしょうか。

 やや繰り返しになりますが、教育活動の中で起こるハプニング(そもそもハプニングこそが教室の本質です)を自分なりに記述し(エピソード記述と言い換えてもいいでしょうか)、価値づけすることを繰り返すということです。本書でも、「書く教師」であることが大切と考えて、一番最初に位置づけています。

―石川先生がこれまで教師をされていらっしゃる中で、「転機」と言える場面が幾つかおありかと思います。一つあげるとすれば、それはどのようなことでしょうか。

 一つに絞るのは難しいですね(笑)。小中併置校に転任したことだと思います。小学校の先生方がどれほどの思いを持って子どもたちを中学校に送りだしているのかを目の当たりにした経験は大きかったです。

―教師生活は、「大切な出逢い」に彩られていらっしゃると思います。その中で、石川先生にとって印象深い出逢いを一つご紹介下さい。

 ごめんなさい、本当はさきほどの質問もそうなのですが、一つにはとても絞れません。ただ、合唱団の運営経験や映画の自主興行サークル、自然保護や読書活動など、学校外で様々な人々と出会ってきたことが、学校教育の世界での出逢い以上に大きいです。

―最後に、読者の先生方に向けてメッセージをお願いいたします!

 読んでいただくとわかりますが、ぼくは異端の教師です。学び方は異例異質で、多くの方がそのまままねることはできないし、まねても意味がないとも思います。でも、そもそも学び方とは多様であり、自分の学び方を見つけるしかないわけです。ステレオタイプの修業主義や単線的な学び方ではない、自分なりの成長の道筋を考える手掛かりになればいいなあと思って書きました。

(構成:及川)

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