著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
「人づくり」の視点から中学校の学級経営を見直そう!
群馬県公立中学校教諭笹 達一郎
2013/5/1 掲載

笹 達一郎ささ たついちろう

1967年群馬県生まれ。早稲田大学卒業。東京での民間勤務を経て、1997年より群馬県公立中学校教諭等。英語、社会を担当。英語教育、進路、学校行事等のアイデアを掲載した中学校教員向けのHP『教室のアイデア』を運営。

―中学校の学級経営では、どのような視点が重要であると先生はお考えになりますか?

 今ほど中学校の学級経営が注目されている時はありません。そして今ほど担任の先生がたくさんの困難に突き当たっている時もありません。完璧が求められ、わずかな隙でもあってはならないような閉塞感。でも、学級経営は教師の成長も含めた「人づくり」であるはずです。生徒はもちろん、先生も「失敗に学ぶ」姿勢が大切ではないでしょうか。「急がず」「焦らず」「じっくりと」生徒とともに成長していく、謙虚な姿勢で学級経営に臨む先生。「人づくり」の視点と姿勢こそが学級を「居心地のよい」ものにしていくキーワードだと私は考えています。

―本書は、学級経営上の重要な13の場面ごとに、チェックリストが紹介されていますが、これはどのように活用できますか?

 チェックリストはごく基本的なものに絞って紹介しました。基本的であるがために、ついつい忘れがちになる心構えや実践の手順を確認できるように示してあります。また、場面を13に区切ったのは、読者の先生がご自身の課題を中心に読めるようにという配慮からです。ご自身の課題意識や、関心の強い場面からページを開いてみて下さい。

―この他に若手や新任の先生でもすぐに使えるよう工夫された部分はどんなところですか?

 中学校の学級担任は、どのような言葉で生徒の振る舞いや心を動かしているのでしょうか。教室の外側からはなかなか見えづらいのが現実です。本書では、私が先輩の先生から学んだ語りや、自分自身にしっくりきた言葉をライブ感覚で味わえるように表現しています。読者の先生が、ご自分の言葉を作り上げるのに必ず参考になると思います。
 また、ワークシートや掲示物など、「知らなければ使えない」実践も多数紹介しました。どれも私自身が自分のクラスや学年で試みて、成功を収めたものばかりです。とりわけ経験の浅い先生には参考にしていただける点が多いのでは、と思っています。ぜひ実態にあわせて手を加え、生徒とともに日々使っていただければ幸いです。

―本書で出てくる「ダイアモンドウィーク」とはどのようなものなのでしょうか?

 「ダイアモンドウィーク」とは、4月1日から始業式前日までの1週間を指す言葉として私が考案した言葉です。「黄金の3日間」があちこちで強調されています。けれども、その3日間や最初の1週間、1か月を支えることになるのは「ダイアモンドウィーク」(4月の誕生石はダイアモンド)です。スタートしたときに勝負は決まっている、という言葉もありますが、「ダイアモンドウィーク」は「黄金の3日間」に匹敵する大切な1週間なのです。
 本書にはこの1週間をどのように過ごしたらよいか、そしてダイアモンドウィークを迎えるまでに何を心がけておくべきかが書かれています。学級をますます輝かせるためにこそ、「ダイアモンドウィーク」を意識して学級経営に当たりたいものです。

(構成:木山)
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