- 著者インタビュー
- 授業全般
一斉授業のスタイルは、一番基本のスタイルだからです。
最近、いろいろな学習スタイルが出てきています。ファシリテーションや協同学習など、それぞれのスタイルに意味があるでしょう。そうしたさまざまなスタイルの授業をしていくときに、一斉授業の基礎的な教師の技術が活用されていくのです。まずは子どもへのプレゼン力、話し方・聞き方、教材の分析力等の技術を身につけてから、各スタイルにも汎用していくべきだと考えています。
目の前の子どもの姿から授業をつくるということです。日本全国、どのクラスにも通じる授業というものは、存在しません。いつも、自分の学級の子どもたちにぴったり合った授業を考えていくべきです。この本でも、基本的な考え方を示すように心がけました。それぞれの地域、学校で、応用していってほしいと思います。
方法というよりも、まずは考え方として、自分に合った技術から少しずつ身につけようとすることです。全ての技術を短期に身につけていくことはできません。また、自分に合わないことを無理にやっていっても、不自然なだけです。「自分なり」「自分の等身大」ということを考えていくことが、教師としての根幹を作っていくことになるのだと思います。
各地で講演等をさせていただいて感じることは、中堅の先生方の方が、こうした基本的なことについて学んだ際に、感動してくださるということです。「そういえば、大切なことを忘れていました」「こんなところは考えていなかったです」というようなお声をいただきます。若い先生よりも、少し経験を積んで課題をもっていらっしゃる先生の方が、納得してくださるのです。
「はじめての学級担任」というシリーズ名に引っかかりさえしなければ、中堅の先生にこそ必要なことを書いたのではないかと考えています。ご自分の授業を見つめ直すという観点で読んでいただきたいものです。
授業づくりは、先生にとっても面白く楽しいものです。この本では、どうやって楽しい授業をつくっていくのかということを書いたつもりです。また、授業づくりの元になるいろいろな細かい技術もたくさん示しました。
それぞれの教室で活用していただけたら、ありがたいことだと思います。
授業って、本当に楽しいものですよ。