著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
「学び合い」で子どもが苦手な「割合」の授業を成功させよう!
石川県能美市立辰口中央小学校教頭神田 恵子
2013/9/17 掲載
 今回は神田恵子先生に、新刊『「学び合い」で必ず成功する! 小学校算数「割合」の授業』について伺いました。

神田 恵子かんだ けいこ

石川県小松市立第一小学校指導教諭、苗代小学校指導教諭を経て、現在、能美市立辰口中央小学校教頭。
日本数学教育学会誌や科学教育研究に実践研究論文を多数発表している。

―学び合いシリーズは1作『子どももクラスも変わる!「学び合い」のある算数授業』、2作『「学び合い」で学級力&算数力アップ! 小数・分数のかけ算・わり算の授業』と刊行されていますが、今回、「割合」にスポットを当てたのはどうしてでしょうか?

 小学校の学習で、子どもたちがつまずくのは「割合」の学習です。割合の概念は抽象的で理解しにくいからです。このことは、毎年出題される全国学力調査における割合の問題の正答率が悪いことからも分かります。「割合」の授業を改善することが、算数を「分かる」「楽しい」ものに変える第1歩だと考えたからです。

―「割合」の授業に「学び合い」を取り入れると、どのような授業になるのでしょうか?

 問題に出合うと、自ら既習問題との違いを明らかにし、解法に向かうために、相談や話し合いが活発になります。分からない友だちに関わり、図や言葉を用いて自分たちで説明し合い、理解を深める授業になります。

―本書の第3章では「割合」の授業を必ず成功させる秘訣が10個挙げられていますが、その中でも特に重要なものは何だと先生はお考えになりますか?

 成功の秘訣10個はどれもとても大切だと思います。これは一つひとつがばらばらではなく関連して単元構想をする必要があるからです。それでも特に重要なものを挙げるとすれば、「割合の概念モデルをもたせる」ということです。割合の意味理解をしっかりさせることで、自分で間違いに気づく力をつけることにもつながります。
 2つ目は「くらべる量を求める問題から始め、もとにする量×割合=くらべる量の公式を使って考えることができるように指導する」ことです。

―本書の第4章にはワークシートが掲載されていますが、授業での効果的な活用方法を教えて下さい。

 ワークシートには問題文がかかれ、図と式がセットになるように作られています。割合は、もとにする量を見つけることが大切ですから、問題文のもとにする量を囲ませた後に図をかき、問題文と図があっているかを確かめるように指導するといいです。ワークシートは、ノートに貼らせ、学習の足跡を残すようにします。

―最後に本書を活用して「割合」の授業改善に取り組まれる読者の先生方にメッセージをお願いします。

 「割合の勉強は楽しい!」「図を使えば簡単だ!」「友だちと学ぶから分かる!」と子どもたちの目が輝く時間になるように、クラスの仲間と学び合い、ともに伸びていく喜びを子どもたち自身が実感できるように、本書を役立てていただければ幸いです。

(構成:木山)
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