著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
エンカウンターで“とびっきり”の道徳授業を!
明治大学文学部教授諸富 祥彦
2014/3/1 掲載
今回は諸富祥彦先生に、新刊『ほんもののエンカウンターで道徳授業 中学校編』について伺いました。

諸富 祥彦もろとみ よしひこ

1963年福岡県生まれ。筑波大学大学院博士課程修了。千葉大学教育学部助教授(11年)を経て、現在、明治大学文学部教授。教育学博士。「教師を支える会」代表。日本カウンセリング学会理事。学校現場で使える“心を育てる技法”を開発している。
【主な著書】
『「ほんものの「自己肯定感」を育てる道徳授業』
『すぐできる“とびっきり”の道徳授業』

―まず初めに、道徳授業でエンカウンターを行う魅力について、改めて教えてください。

 授業が活性化します。
 主人公の「気持ち」を問うパターンの授業ばかりでワンパターンになってしまうと、マンネリ化してしまいます。
 授業がイキイキする。子どもたちが乗ってくる。価値の大切さを活動を通して、実感的に学習できます。

―本書のタイトルは「ほんもののエンカウンターで道徳授業」ですが、「ほんものの」と強調されているのはなぜでしょうか?

 形ばかりのエンカウンターの授業が増えていることに警鐘を発したいからです。道徳でエンカウンターをするなら、この本を読まなければ、と思える内容にしました。

―本書の中でも「エンカウンターの形だけを真似した授業」がしばしばあることに言及されていますね。では、このような「エンカウンターもどき」の授業に陥らないために、気を付けるポイントはなんでしょうか?

 一番のポイントは、本気の自己開示による、気合いの入ったデモンストレーション(お手本)です。ほかにもポイントはありますが、それは本書をお読みください(笑)。

―本書を読んで、「道徳授業でエンカウンターに取り組もう!」という読者の方にメッセージをお願いします。

 ポイントを押さえれば、道徳授業で、エンカウンターをうまく活用することができます。エンカウンターをするために道徳の枠を使うのではありません。質の高い道徳授業をおこなうための「一つの方法」としてエンカウンターを用いるのです。
 ぜひ、本書をお読みになり、「ほんもののエンカウター」で道徳をおこなう力を身に付けてください。学年単位、学校単位で取り組まれると、さらにいいと思います。「エンカウターの道徳なら、〇〇先生に」と言われる存在になってください!

(構成:茅野)
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