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従来の枠組みからもう少し広く、多様なアプローチの実践を集めてみたいという願いが強かったからです。
そのもくろみは成功したのでは、と思っています。
「教室レイアウト」と「座席配置」の問題は、相互に関連し合っています。たとえば「スクール形式」の座席配置はone of themに過ぎないと考えています。どのような座席配置を基本とするかで、教室レイアウトは大きく変わってくるはずです。「教室掲示と学習ツール」には、従来から細やかに配慮されてきたように思います。それを、教室環境という視点から捉え直してみると、ICTなどの新たなツールの活用などについても、空間的な視点から捉え直せるのでは、と考えます。
教室掲示の工夫は、子どもたちが教室を自分の居場所として考え、安心して暮らせるようになる重要なポイントだと思います。教室を子どもたちが生活する空間と考えれば「衣食住」に相当するものといえるでしょう。教材研究は大切ですが、それよりもまず、身支度をしっかりした方がいいんじゃないでしょうか(笑)。
特別支援学校には小中高等学校の教師が学べる工夫がたくさんあります。優秀なお二人の先生に執筆いただけて、ぼくも学ぶべき点が多々ありました。
執筆者については、年齢構成以上に、校種、全国各地ということに気を配りました。ぼくは全国を回って講座・講演活動をすることが多いのですが、学校は土地土地の風土と結びついているものなんだなあと実感しています。校種の多様性も含めて、多様な学びの視点の大切さは、読んでいただけるとお分かりいただけるかと思います。
職員室の写真と教室の写真を研修会などで参加者に見せて、比較してもらうことがあります。話し合い活動の機能性を重視する職員室の座席配置と比べた教室の落差に驚きます。
職員室と教室はチームづくりという観点で言えば、何も変わらないように思えます。子どもたちの学びやすさに寄りそった学びの空間づくりを、それぞれの現場で考えていくためにお役にたてるとうれしいです。