- 著者インタビュー
- 道徳
みなさんも歌に感動したことってありませんか? この感動を道徳の授業に取り入れようとするのが本書です。授業者も楽しい、子どもたちも生涯心と耳に残る授業になります。歌詞の意味を考えたり、歌が作られた背景の事実から考えたり、様々なカウンセリングテクニックも使用します。中学校の価値項目24のうち18項目を取り上げているのも魅力だと思います。
11年前、SMAPの「世界で一つだけの花」がラジオで流れていたのを聴いて、すごく感動し、授業に取り入れたのがきっかけでした。当時はまだシングルカットされていなくてSMAPのコンサートDVDを購入して授業を行いました。そこから今まで、50曲以上で授業を行いましたが、教師も子どもも「次の授業が楽しみ!」というのが長年続けられた理由だと思います。
歌の幅広さはネットワークの幅広さだと思います。私一人の趣味の範囲では当然狭くなります。仲間とカラオケに行って、いろいろな人の曲を聴いたり、子どもたちと話す中で「先生、この曲知っている?」と教えてもらったこともあります。ドラマの主題歌も必ずチェックします。授業者が「伝えたい」という想いがその曲にあれば活用できない曲はないと思います。
上級生が新入生に「中学校では歌で授業するんだよ」と教えていた場面がすごく印象に残っています。教え子が成人式のとき、「中学校時代、歌で道徳やりましたよね」と結構曲を覚えていて、カラオケで一緒に歌ったこともありました。「中学校時代に道徳で何をしたか」と、若手教員に聞いても何も覚えていないことが多い中、大人になっても覚えている、また、大人になっても歌って思い返せる授業って素敵だと思います。
「授業をするのが楽しみだな」と教師が思えるのが一番。たとえ「授業がうまくいかなかったな」と思っても「歌」に道徳的視点を与えただけで十分価値ある授業です。また、情報ネットワークも広げていきましょう。いろいろな人と「この曲使えないかな」と話し合うこと、それがもう教材研究です。また、「こんな曲で授業しました!」と私にも教えていただけるとうれしいです!