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授業は常にシンプルでありたいものです。そこで文法事項のエキスを1枚のプリントにまとめることによって、「これだけは…」という内容を盛り込み、生徒への負担感を減らすよう努力しました。
英文法のよい「まとめ」になるかと思います。
文法指導のねらいは2つあります。
1つは、「文法の知識」を教えることです。つまり理解の段階になります。不定詞であれば、「toの後ろは動詞の原形になる」というようなことを、きちんと教えることです。
もう1つは、得た知識をもとに「使えるようにする」ということになります。こちらは表現となります。
本書では、前半を「理解(=CanDo)」で、後半を「表現=(練習・習熟)」を図りながら、文法知識が本当に理解できているのかを確認するために2段構成になっています。
定着は、繰り返しとOutput(自己表現)により可能になります。本書のワークシートでは、真ん中の線で折り、ペアで楽しく文法項目を確認し合うことができます。また、家に帰ってから1人で確認することもできます。
いずれにせよ、この1冊が手元にあれば、文法のまとめや中学3年生に文法を確認させるときには、もってこいの教材となるでしょう。
私は何事もバランスが大事だと思っています。でも初めからバランスを求めると、通り一遍の指導しかできない平坦な授業になってしまいます。そこで、ある時期は、コミュニケーション重視で進め、授業を行います。すると、だんだんと今度は生徒の音読力や内容理解の能力、英文法、視写などの課題が見えてくるでしょうから、そこで基礎・基本を確認する単元にしてみよう…のように1年間を通して、生徒の実態を見ながら、バランスをとることが大事かと思っています。
しかし、年間を通して、力を入れ続けなくてはいけないことが2つあります。それが「単語」と「文法」です。単語と文法だけは、軽重をつけず、きちんと教えていきたいものです。
渋沢栄一の言葉に「夢七訓」というのがあり、何をするにも、まずは「夢ありき」ということが言われています。新しい年度を迎え、ぜひ、先生方とともに、夢を持って、日本の英語教育発展のために、さらに精進していきたいと思います。