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若手教員を育てるベテラン教師の大量退職が続く今日、若手を早く一人前に育てなければなりません。現状では、私たちが育った頃のようなゆとりがなく、即戦力となる人材が求められ、若手教員が育ちにくい環境にあります。いかに早く一人前の教師に育てるかが、鍵になります。これには、指導する側の力量が問われることになります。若手教員にも厳しい時代ですが、育てるベテラン教師にも厳しい時代だと思います。
若手教員が「やる気をもって、自分の願いの実現に向かう努力ができる」環境を作ることだと思います。そのためには、若手の願いをわかってくれるベテラン教師がそばにいることが重要です。未熟である若手教員でも、自信をもって、安心して実践することが力量を伸ばすことになります。
いろいろありますが、言葉の影響の大きさを脳科学のレベルで考えた「ニューロロジカルレベル」の活用が一番わかりやすく、有効だと思います。言葉の意識レベルへの影響を扱うことは、日頃の言葉の使い方に気を付けることになります。心の深い部分を傷つけないように、「アイデンティティレベル」ではなく、「行動レベル」や「環境レベル」の問題を指摘することで、適切なやり方を教えたり、環境を一緒に整えたりすることができます。また、逆に「アイデンティティレベル」をほめるような、自信と誇りをもたせるための言葉かけをニューロロジカルレベルから考えることもできます。
次代を担う若手教員たちです。私たちベテランがいなくなっても安心して任せられる自立した若手教員を育てることが必要になります。つまり、自らの教育実践に自信をもち、歩み続ける姿が最終目標です。
そのためにも若手教員が自立するまでは「何が必要なのか」を探り続け、若手教員に寄り添いながら、若手教員と共に歩み続け、時間の許す限りベテラン教師としてのもてる力を発揮してほしいと思います。
ベテラン教師としての自信は、そのまま若手教員に伝わります。そして、若手教師を思いやる優しいまなざしと、質を求め続ける厳しい姿勢を貫き通すことが、若手教師を育てることになります。
あなたのベテラン教師としての生き方そのものが、若手教員の将来の姿となって反映されます。やり甲斐をもって若手教員と関わっていただきたいと思います。