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一日の中で、全員が書く場面、全員が話す場面を必ずつくるようにしています。たくさん書けた子、上手に言えた子ではなく、書いた子、話した子の姿勢を良さとして認めます。安心して書ける環境(短くても認めてもらったとか、書いたことを先生が紹介してくれた等)、安心して話せる環境(みんなは、わたしの話すことをしっかり聴いてくれる等)、これらの環境が苦手意識のある子どもたちを変えていきますね。
いろいろな場面での「ショートタイムトーク」を積み重ねることで、話す経験値が少しずつ増えます。聴く側の姿勢も問われるので、聴き手のスキルも話し手のスキルもついていきます。また、「ふり返りタイム日記」も毎日おこなう活動なので、こつこつと力を伸ばしていけます。わたしのコメントや、日記を綴っているファイルが厚みを増していくのも励みになっているようです。詳細は本書をお読みいただければと思います。
●「もしも魔法が使えたら」……作品を紹介すると、爆笑が起こったり感嘆の声があがったりします。子どもたち、いろんな魔法を生み出しますよ。
●「今日の一番星」……クラスの仲間の良さを共有できるレシピです。全員が挙手する場面が多くなり、その効果が他の場面にも波及します。
●「イメージ言葉集め」……スキマ時間に問題を作って、友達やわたしに出題する子たちが必ず出てきます。グループ活動にしても和気藹々とやりますね。
子どもの話していることや書いたものに対して、プラスの反応を返すということを大切にしています。この姿勢は、子どもたちにも学級開きのときから意識させています。まずは、わたし自身が一番の見本にならないといけないわけですが…。話し手や書き手にとって、プラスの反応が返ってくるのは嬉しいことです。話してよかった、書いてよかったという経験の積み重ねが、自信を生むことにもなると感じています。
「感想を言ってくれる人」と聞くと全員手が挙がる学級、用紙を渡して「今日を振り返って日記を書くよ」と言えば全員が書く学級は、誰でも必ずつくれると思っています。頑張ろうとする姿、ゴールまでの過程、小さくてもプラスの変容…そこにわたしたちが敏感になれば、間違いなく子どもたちは伸びます。だから焦らずにいきましょう。本書のレシピが、少しでも先生方のお役に立てれば嬉しいです。