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今回は西山正一先生に、新刊『目指せ!英語授業の達人28 ゼロからできる! 英語教材の使い方・作り方マニュアル』について伺いました。
市販の教材や教科書付属の教材は、お手軽に使えて便利ですが、味付けを変えることはできません。自分で作れば生徒の反応を見ながら味付けを変え、進化させることができます。また自作教材は作る人の心を伝えてくれます。自作教材を通して生徒を思う教師の心が生徒に伝わり、良好な人間関係が形成され、授業が進めやすくなるのです。
私は「この教材を使ったら生徒はどんな反応をするかな?」と考えながら作っています。製作の過程を楽しんでください。
それぞれの教材にはそれぞれのねらいがあるのでどれがベストとは言えませんが、一番長く使っているのはChapter3で紹介したビンゴゲーム用のワードリストです。そしてこの教材とリンクする形でピクチャーカードやデジタルピクチャーカードなどを作ってきました。市販のビンゴゲーム用の教材もありますが、自作すると教師が意図した語彙を出題することができます。
例えば進行形の導入の前には動詞のing形を繰り返し出題し、ing形に慣らしておきます。そうすると進行形の導入がしやすくなります。
生徒が喜ぶのはやはり自分で操作することができる生徒用のカード教材です。生徒用のアルファベットカード、フォニックスカード、語順カードなどを配ると喜んで操作します。
世の中はアナログからデジタルへと進化してきました。授業も同じようにアナログからデジタルの方向を基本としています。例えばピクチャーカードの場合、まずは紙に印刷したものを使って授業をします。カードを手に持って指導し、生徒の目線が確実にこちらに向くよう指導します。生徒の目線を集中させることは学習規律の基本です。学習規律を確立させ、そして少しずつデジタル教材も使い始めます。デジタル教材の利点は重さがないことです。PCとモニタさえあれば授業のちょっとした隙間時間に使うこともできるので、繰り返しに向いています。
コラムにも書きましたが、私は何事も「8割」がキーワードだと思っています。教師は機械ではないのでフルパワーの授業を毎日続けることはできません。しかし8割の指導を毎日毎回続ければ大きな力になります。そしてそのための強力な味方が教材です。教材を準備して授業に臨むと授業での動きが具体的にイメージできます。息切れせず、8割を毎日続けましょう。
