話し方には、自分の「教師としてのあり方」が表れる
2014/9/17 掲載
- 著者インタビュー
- 教師力・仕事術
今回は多賀一郎先生に、新刊『学級担任のための「伝わる」話し方』について伺いました。
―「話し方」に関する本については、教師向けの本も含め、いろいろな本が出ていますが、本書で一番伝えたかったのは、どういったことでしょうか?
ただの技術としての話し方論ではなく、話し方を身に付ける必要性、人に伝えることの意味、学級づくりと話し方が密接に関わっていることなどを考えて執筆をしました。日常の具体例にもかなり主眼を置いたと思っています。
―ひとくちに「話し方」といっても、いろいろな要素があると思います。「伝わる」話し方を身につけるうえで、どういった要素を念頭においておくとよいでしょうか。
話は常に相手のあることですから、その相手の反応をどう読むのかということが大切です。表情をよむこと、反応を聞くこと、雰囲気をつかむことができれば、自ずから話し方は決まっていきます。
―本書では、話し方に関するトレーニング法を色々と紹介されています。なかでも、先生が有効だと思われる方法はどういったものですか?
話すことを書いて練習することにつきます。時間がないと言ってしまえばそれまでですが、その一苦労をするだけで、安心して正しい話をすることができます。練習できれば、さらにいいですね。
―先生ご自身、実は「話し方が下手な教師だった」と昔を振り返られています。それを変えるきっかけになったのは何だったのでしょうか。
追手門学院小学校の現校長の東田充司先生と一緒にたくさんのセミナーをしていて、プロの話し方についての彼の講座を参加者と一緒に受けてトレーニングしたことが、最大のきっかけです。「自分にもできるんだ」と思ったことが大きかったです。
―最後に、読者の先生方にメッセージをお願いします。
話し方は、だれでも上達します。練習さえすれば、必ずうまくなっていきます。ただ話だけがうまくなっても、それでは教育にはなっていきません。話上手なスキルを身に付けていても心のない人は、詐欺師になりかねないのです。
この本には、話し方だけではない、話し方の奥にある教育のことも、同時に書きました。そのエキスを感じ取っていただければ、幸いです。
(構成:松川)
コメントの受付は終了しました。