著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
面白い教材は、必ず子どもの学力を伸ばします!
宮本算数教室宮本 哲也
2014/10/23 掲載

宮本 哲也みやもと てつや

1959年生まれ。早稲田大学第一文学部演劇学科卒業。大手進学塾を経て、1993年、宮本算数教室を設立。無試験先着順にもかかわらず、その独自の指導法により、最終在籍生徒のほとんどが開成、麻布、栄光、筑波大附属駒場、桜蔭などの最難関中学に進学という実績をあげている。
〈著書〉
『合格パズル@ABC』全4巻(東京出版、1997〜)、『強育論』『強育パズル』『強育ドリル』『宮本算数教室の授業』『超強育論』『かけがえのないわたし』(以上ディスカバー・トゥエンティワン、2004〜)、『賢くなるパズル』『賢くなる算数 入門編』(以上学習研究社、2006〜)、『算数と国語を同時に伸ばす方法』『算数と国語を同時に伸ばすパズル』(以上小学館、2014)、『宮本哲也の賢くなる計算ブロックパズル入門』(宝島社、2014)、『算数脳パズル』(主婦と生活社、2014)他多数

―ズバリ、パズルの魅力は何でしょうか。

 ルールさえ理解できれば、教える必要がまったくない点。
 答え合わせの必要がない点。

 1問目は20秒くらいで解けるやさしすぎるくらいの問題でいい。
 3級以上の問題は、作った私でさえスラスラとは解けません。
 めざす方向は、スラスラ解けることではなく、粘り強く考えられることです。

―すでに、先生の教室や家庭ではこのパズルが広く取り組まれておりましたが、今回、学校バージョンとして出す上でどのような工夫をされましたか。

 ハードルを細かく刻むということと、先生の負担を最小限に減らすこと。
 早く解けることより、見直しを慎重に行い、ミスをしないことを優先しました。
 また、単にパズルを解くだけでなく、ポイント制を導入してクラスで競い合うことができるようにしています。各問題には、自分の解いた問題にどれだけ自信があるか、「自信の度合い」を記入する欄を設けており、問題が解けたことだけでなく、どれだけ自信をもっているかによりポイントが上下する仕掛けとなっています。
 自分の答えに自信をもっていれば沢山のポイントをゲットできますので、子どもたちも真剣に取り組み、きっとクラスが盛り上がるでしょう。

―実際、学校でパズルを取り入れようとする先生方へ、アドバイスなどありましたらぜひお願いします。

 ルールは至ってシンプルなので、全員に理解させることはそれほど難しくはないでしょう。あとは子どもたちのペースに任せ、ひたすら見守るのみです。
 絶対にヒントを与えないでください。時間延長、持ち帰りも禁止です。

―パズルは、解くだけでなく作るのも楽しいそうですね。作ったパズルを解き合う、というプログラムも手掛けていらっしゃるそうですが、どのような取り組みか少しご紹介頂けますか?

 ゼロの状態から作り始めると、事前に作ったパズルを再現するだけになるので、競技にはなりません。
 まずは、答えの数字だけ書いてある乱数表のような用紙をたくさん用意します。そこから1枚選び、予め書かれた数字が答えになるように、マスを区切ってパズルを作っていきます。このとき、最も重要なルールは、答えが1通りになるということです。それが確認できたら、答えの数字を消します。これで1つのパズルが完成します。
 そして、それを友達同士で交換して解くと面白い競技になるはずです。

―最後に、全国の先生方へ向け、ぜひメッセージをお願いします。

 子どもたちの反応をよく見てください。面白い問題だけが子どもの自主性を育み、学力を高めることができます。
 やさしくて面白い問題から徐々にレベルを上げ、難しくて面白い問題につなげれば、長時間集中して考えられる子どもになります。大事なのは教え方ではなく、教材作り、教材選びです。
 

(構成:木村)
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