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清掃の目的や方法を明確にする指導力はもちろん大切ですが、それ以上に教師自身の感化力が大切だと思います。例えば、教師は何もせず黙って清掃当番を監視する指導の仕方もありますが、私は子どもたちと会話しながら一緒に清掃します。笑いあいながら清掃することで、面倒くさい清掃から楽しい清掃へと子どもたちの清掃に対するイメージが変わればしめたものです。
私の場合、「役割分担」の大切さを説くために、班ごとに分担表に基づいて、日替わりで自分の役割を決めさせます。そしてその役割に基づいて実際に清掃させますが、大切なのは自分の役割が終わったら必ず「遅れている人を手伝う」ことです。これにより時間の効率化・短縮化が図れます。「早く・楽しく・協力して」が掃除当番の合い言葉です。
きれいになったときの達成感や爽快感を味わわせたいですね。先日、中学2年生の生徒が雑巾で机を丸く拭いている姿を見かけて、「四角い机は四角く隅々まで拭くんだよ」と言ってお手本を見せました。すると、「初めて知った!」と純粋に感動し、隅々まできれいに拭いていました。「よかったね。これで君もお掃除マスターだよ!」と褒めるととてもうれしそうでした。小学生も中学生も、掃除の意義だけではなく、それに伴う達成感や爽快感をつかみ取ることができれば、サボることなく次につながるように思えます。
「割れ窓理論」ではありませんが、普段からきれいな状態を保つことが大切だと思います。汚れた雑巾はきれいに洗う。壊れかけのほうきは取り替える。私の学校ではゴミ箱も定期的に洗います。きれいな状態が当たり前の環境を整えたいですね。
これまでにあまり類書がない一冊です。たかが清掃指導、されど清掃指導でありつつも、当番の役割分担や清掃用具の扱い方、清掃中のマナーや美化のコツ、そうじサボりへの対応、日常美化への心配りなど、毎日欠かせない大事な清掃指導のコツを小中の実践家が具体的に語っています。ぜひ一読いただければ幸いです。