- 著者インタビュー
- 理科
実験紹介が少ない、理科教育では珍しい本です。理科実験のネタ本みたいな本は世にたくさんありますが、それとは対極にあるような本です。
「教科書の実験をこなすだけで精一杯です。」という声が聞かれます。この本は、教科書をベースに授業をする先生方にも役立つように書いてあります。
理科の授業は、実験も大切ですが、それ以外にもいろいろ大切なことがあります。今まであまり書かれていなかったことをまとめました。
子どもをほめて伸ばすことは、大切だと分かっている先生方は多いです。
しかし、「株を守る」という故事成語のように、何もしないで待っていては子どもをほめて伸ばすことは出来ません。
事前に教えるから、出来てほめたくなるような子が育ってきます。
教材研究する時には、最低でも「自分の頭で考えて、その問いに答えること。」を行います。自分で答え方に困るようなら、問いが悪いのです。
問うだけでなく、どう答えて良いのかを明確に示す指示とセットにし、子どもたちに提示します。そして、その問いに答えることで、「楽しく分かるようになるか」も検討してください。
唯一のポイントは、予備実験です。本を読んでも、もちろん教科書を読んでも、自分で実験していないとうまくいかないことが多いです。
何を目的に、どれくらい時間をかけて、どんな事に着目して行うか、私流の方法を示してあります。
「先生、それ、書くんですか。」という質問が出ることはありませんか。それは、授業のパターンが理解されていないからかもしれません。
授業のここでは自分で取り組み、ここでは友達と作業する、このときにはみんなで話し合う…そういうパターンが決まっていれば、子どもたちはいつものように当たり前に授業が出来るはずです。
「研究授業でどうやるか。」ということでなく、「普段着の理科の授業の質を上げたい。」という願いをもつ方に、役立つ本だと思います。
先生方の疑問に私なりの方法を示しましたが、他の方法などをお寄せ頂ければ嬉しいです。