- 著者インタビュー
- 特別支援教育
2014年1月20日、障害者権利条約に批准し、日本の障害者施策に関する法律の改正がなされています。改正に合わせた内容となるように新訂版を企画しました。また、インクルーシブ教育システム、合理的配慮等々のこれまで学校現場ではあまりに耳にしなかった教育用語もたくさん出てきましたので、その解説も行いました。
特別支援学級は障がいのある子どもたちがその「持てる力」を精一杯に発揮できるために設置された学級ですから、その教育活動が、通常の学級の延長線上のものであっては決してなりません。
子どもたちが「自分から、自分で」取り組む姿を見せてくれる教育活動を何よりも大切にしなければなりません。
新訂版でも交流及び共同学習の章を設けましたが、この取り組みでも、障がいのある子どもたちが主体的に取り組める環境を作ることがなによりも大切になります。
子どもたちの活躍の場、生活の場を広げるために交流及び共同学習を活用するような発想が大切になります。
「授業は教科書を教える時間」との固定観念を捨てる勇気を持てるかが大きなポイントになります。生活単元学習や作業学習のような実際的・具体的な活動で、子どもたちと思う存分に生活に没頭できる先生になっていただければと思います。
保護者、教職員、地域の方々を巻き込んだ教育活動を展開し、精一杯に取り組む子どもたちとともに活動していただくことが真の理解そして連携につながっていきます。その中で、子どもたちの目も社会に広く向くようになり、将来の生活にとつながっていきます。
特別支援学級に我が子を通わせる大きな決断をなさった保護者の思いを大切に受け止め、その期待に十分に応えるためには、子どもたちが今日に満足し、明日に期待できるような学校生活の創造が何にも増しても重要になります。本書がそうした学校生活創造の一助となることを強く願っています。